大阪・関西万博ハンガリー・パビリオンの建築・創造・芸術コンセプトを紹介

2025年大阪・関西万博に約160の参加国の一つとして出展するハンガリー・パビリオンは、2025年2月24日にブタペストで記者会見を行い、建築デザインや出展コンテンツのコンセプトを発表しました。

EXPO 2025 Hungary

ハンガリーは中央ヨーロッパにおける日本の重要な経済パートナーであり、日本はハンガリーにとってアジア市場へのゲートウェイとしての役割を果たしています。また、万博の6か月間で2,800万人の来場者が見込こまれており、その多くが経済が急成長し世界最大級の観光市場でもある東アジア地域から訪問になると予想されます。そのため今回の万博への参加はハンガリーにとって観光・経済の両面で貴重な機会となります。ハンガリー・パビリオンでは、両国の文化的な類似点をテーマに掲げ、「音楽」を「文化をつなぐ普遍的な言語」として前面に打ち出しています。このコンセプトはパビリオンの建築デザインや来場者向けの体験空間に反映されるほか、芸術的なパフォーマンスや、提供する食事、さらにはスタッフユニフォームのデザインにも息づいています。

経済・観光における重要なイベント

ナジ・マールトン国家経済大臣は記者会見で次のように言及しました。

「万博は世界で最も重要な文化・観光・経済イベントの一つであり、万博への参加はハンガリーの経済にとって大きな利益となります。東アジア地域は著しく成長する観光市場であり、2023年と比較すると、ハンガリーを訪れた観光客数は日本から44%、中国からはほぼ倍増、韓国からは8%の増加を記録しました。」

日本は東アジア地域の「玄関口」となる国であるため、大阪万博でのハンガリーの成功は、ハンガリー観光の活性化に大きく寄与することが期待されます。観光業はこれまでも経済成長の原動力の一つであり、昨年もサービス業界を力強く牽引する重要な役割を果たしました。その結果、GDPの約13%が観光業からもたらされました。ナジ大臣はさらに、万国博覧会へのハンガリーの参加の重要性を強調します。

「ハンガリー・パビリオンは、ハンガリーへの訪問者数の増加を促進し、経済関係をさらに強化し、ビジネスの発展を支援するとともに、わが国の文化的価値を広く伝えるための、他に類を見ない貴重な場となることに違いありません。」

共通の価値観を強調する創造的コンセプト

2025年大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」であり、ハンガリーもこのテーマに賛同しています。ハンガリー・パビリオンはこのテーマに加え、ハンガリー独自の視点から、日本文化とハンガリー文化の共通点を前面に押し出したコンセプトを展開しています。ハンガリー・パビリオンのクリエイティブコンセプトを担当するドロズニク・ダーヴィド氏は次のように述べています。

「ハンガリー・パビリオンのコンセプトは、世代を超えた価値の保存がグローバルな課題の解決につながると考え、自然との共生や文化的遺産の重要性を強調しています。パビリオンの体験型アプローチによって、訪問者が文化的ルーツの保存が持続可能な未来にとって極めて重要であることを実感できます。」

パビリオンでは共通の価値観とルーツを探求することを目指し、その中でも特に注目したのは両国の民族音楽に見られる「五音音階」を基調とした特殊な響きを持つ旋律です。コンセプトの背景について、クリエイティブ ディレクターのオルドグ・ラースロー氏は次のように説明しています。

「展示は、従来の情報提供型アプローチではなく、音楽という普遍的な言語を通じて、訪問者に没入感のある体験を提供します。統一されたデザインの構築にあたって、ハンガリーの国際ブランドの認知度向上を意識しながらも、日本の文化的・環境的特性も十分に考慮しました。」

ハンガリー・パビリオンが提供する自然と融合した体験

パビリオンは建築美と精神性の両方で訪問者の関心を引きつけることを目指しています。エントランスをくぐると、ハンガリーの草原を思わせる緑豊かな空間が広がり、そこには日本とハンガリーの文化的共通点が反映されています。建築コンセプトを手がけたのは、コシュート賞及びイプル賞受賞の建築家、ゾボキ・ガーボル氏です。

「日本とハンガリーの伝統建築には、共通する町並みや建築様式があり、また自然素材を活かした建築文化も共通点の一つです。民族音楽や民族舞踊こそがハンガリーの精神の鏡であるため、パビリオンの設計では風景と伝統的な農村文化の調和を表現しました。訪問者は、カルパチア盆地の穏やかな草原の植物相が再現された空間を通り抜けて建物の中へと進みます。静寂と安らぎの空間である展示エリアでは、民謡の世界を想起させる自然の風景と音が広がります。パビリオンの中心である「響きのドーム」では、五音音階を用いたハンガリーの代表的な民謡を学ぶことができます。」

没入型ドームに響くハンガリー民謡

3階建てのハンガリー・パビリオンには、エントランスホールと展示スペースのほか、ギフトショップ、レストラン、ワインバー、そしてビジネスミーティングのためのコミュニティスペースが設けられています。

パビリオンの中心的存在となるのが、干し草の山のような形をした巨大な「ドーム」であり、その内部はシアタースペースとして機能します。ハランゴゾー・ジュラ賞受賞の演出家・振付師、ハンガリー・パビリオンの芸術コンセプトの創案者であるヴァーギ・ベンツェ氏は次のように述べています。

「ハンガリー・パビリオンの一番の魅力となるアトラクションを創作する際に目指したのは、ハンガリーの風景に着想を得た世界から無限のユニバーサルな空間へと誘われるような没入型体験を創り出すことでした。その空間の絶対的な中心にあるのは、ハンガリー民謡です。」

「観客は単にハンガリー民謡を聴くだけではなく、没入型の環境の中でその一部となり、最後にはメロディーを口ずさみながら、ハンガリー文化の一片を持ち帰ることができるでしょう。」 と、この特別なライブパフォーマンスが感情に深く訴えかける体験であることを強調しました。

パビリオンのレストランが届ける味覚 – 田園キッチンのエッセンス

パビリオンのガストロノミー(美食)もこのコンセプトに沿って思案されています。提供される料理は、ハンガリーの田園文化や農村の伝統、そして国の食文化を基盤としています。各料理には、ハンガリーの豊かな風土、カルパチア盆地の恵み、そして先人たちが世代を超えて受け継いできたレシピを生かしています。

「パビリオンの中心に位置する「ミシュカ キッチン&バー」は、伝統的かつ多彩なハンガリー料理を取り揃え、古くから親しまれてきた味わいをビストロスタイルで提供します。

また、レストランに隣接するワインバーでは、ハンガリー各地の最高級ワインを楽しむことができます。ワインとハンガリー人が特に好むソーダ水を組み合わせた「フルッチ」がメニューを代表するものとなるでしょう。」と、パビリオンの美食コンセプトの責任者であるチャポディ・バラージュ氏が語ります。パビリオンのマスコットキャラクターである「ミシュカ」はハンガリーの伝統的な民芸品である「ミシュカ水差し」から着想を得ています。ハンガリーのおもてなしの心や人々の間の絆の象徴であり、そのデザインにはモダンな日本のスタイルも取り入れられています。

スタッフのユニフォームにもハンガリーと日本の伝統が息づく

ハンガリー・パビリオンのビジュアルアイデンティティを構成する重要な要素の一つが、スタッフのユニフォームです。デザインを決定するためのコンペティションが開催され、専門審査員の判断の元、「エリシアンElysian」ブランドの著名デザイナー、ボーディシュ・ボグラールカ氏の作品が採用されました。

「ユニフォームのデザインでは、機能性と美しさのバランスを重視し、持続可能性に配慮しながら、現地の気候特性も考慮しました。ハンガリーの民俗文化の造形美と、控えめながらも洗練された日本のデザイン要素が融合しています。」 と、ハンガリー・パビリオンのユニフォームデザイナーが語っています。

ハンガリー・パビリオンは、ハンガリーと日本の文化、過去と未来、伝統と革新を結びつける架け橋のような存在となります。その魅力的なコンセプト、ユニークな体験、ビジネス開発とコミュニティの交流の場として、また本格的なハンガリー料理を提供することにより、ハンガリーの観光地としての地位向上や経済関係の強化、さらに国際的なブランドイメージの構築に大きく貢献することが期待されています。

本件に関するお問い合わせ:

大阪・関西万博ハンガリー・パビリオン広報担当

Email:press@osaka2025.hu

ハンガリー・パビリオン外観
ハンガリー・パビリオン外観
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ハンガリー・パビリオン ユニフォーム

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会社概要

EXPO 2025 Hungary Non-Profit Ltd

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業種
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本社所在地
Hungary, 1027 Budapest, Horvát utca 14-24
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代表者名
Ákos Kristó
上場
未上場
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設立
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