価格差別(一物多価)の理論と手法を体系化した論文を公開

経済学理論と実務をつなぎ、プライシングに新たな選択肢を

株式会社エコノミクス&ストラテジーの三浦智紀は、これまでアカデミックで蓄積されてきた第二級価格差別の理論と手法について体系化した論文(ワーキングペーパー)を2本公開しました。

論文①

https://www.researchgate.net/publication/393801669_A_managerial_framework_for_Second-Degree_Price_Discrimination_with_multiple_goods

論文②

https://www.researchgate.net/publication/393801939_A_managerial_framework_for_Second-Degree_Price_Discrimination_with_single_good  

価格差別(一物多価)とは、商品・サービスを顧客ごとに異なる価格で販売する手法です。

通常の一律価格では、高い支払意思を持つ顧客の消費者余剰(お得感)を企業が取り逃がしますが、価格差別を導入すれば、各顧客の支払意欲(いくらまで出せるか)に応じて商品・サービスを提供でき、消費者余剰を企業収益へと変換できます。

その中でも第二級価格差別とは、消費者に提示する販売オプションを工夫することで、商品に多くのお金を払ってもよいと考えている支払意欲の高い人には高く、支払意欲の低い人には低い価格で売ることで利益を大きくする販売手法です。

この手法では、販売者は個別の消費者の支払意欲の高さなどの情報を調べる必要はなく、提示する販売メニュー内から消費者に自身で選択してもらうことを通じて、支払意欲などのタイプごとに自然と消費者を分離し、異なる価格で販売することができます。そのため消費者情報保護の観点や、消費者からの反発が少なく公平性を担保できるという点で優れています。

 

この第二級価格差別に関してアカデミックでは様々な方法が考案され知見が蓄積されてきましたが、それを実務のプライシングに使えるよう嚙み砕いて説明し、まとめた書籍や資料はこれまで多くは存在しませんでした。

今回公開した二つの論文のうち一つ(論文①)は、販売者が複数の商品を販売する際に導入できる第二級価格差別の手法を体系化したものです。商品間の関係性(代替的な関係か、補完的な関係か)に応じて、商品群全体の利益を大きくする様々な手法を体系化しています。

もう一つの論文(論文②)では、販売者が単一の商品を販売する際に導入できる第二級価格差別の手法をまとめています。比較的知られたクーポンによる価格差別手法に加え、情報公開の時期や商品取得の確実性の有無を操作することによる価格差別手法などを含めた、約20個の手法を紹介しています。

いずれも、時間軸で価格を変動させることによる価格差別手法を含んでおり、近年注目を浴びているダイナミックプライシングとも密に関係しています。

この二つの論文は、現時点で有用性が示されている第二級価格差別の手法の大部分をカバーし、多くの企業にとっての販売メニュ―構築の最適化、つまり利益増大のチャンスを提案するものです。

また、実務においてこれらの手法を普及させることを目的としているため、論文では数式を省略し、事例を含めながら分かりやすく概念を説明しています。そのため、幅広い方に読んでいただけると思います。

株式会社エコノミクス&ストラテジーでは、本論文で紹介している手法を活用し、学術的知見に基づいて最適な販売オプションの設計を支援することが可能です。経済学をバックグラウンドに、プライシングや「売り方」に新たな選択肢をもたらせるよう、事業を展開してまいります。

会社概要

社名:株式会社エコノミクス&ストラテジー
設立:2025年2月
代表者:三浦智紀
所在地:京都府京都市下京区
メールアドレス:tomokimiura@economicsstrategy.com

会社HPhttps://economicsstrategy.com/


会社概要

URL
https://economicsstrategy.com/
業種
サービス業
本社所在地
京都府京都市下京区大黒町227番地 第二キョートビル402
電話番号
-
代表者名
三浦智紀
上場
未上場
資本金
50万円
設立
2025年02月