「60歳からの高地トレーニング」で認知症予防 江東区亀戸で実証実験
介護予防世代の健康維持を支援する産学連携プロジェクト始動~3Po亀戸中央店で地域高齢者を対象とした3カ月実証プロジェクトがスタート~
有限会社川内鉄工工業 ケア事業部(東京都江東区/代表取締役社長:和田龍吉)が、超高齢社会の課題解決に向けた新たな一歩を踏み出します。
江東区亀戸駅前の低酸素フィットネス施設「3Po亀戸中央店」において、高知リハビリテーション専門職大学・片山訓博教授との産学連携による「認知機能改善3カ月プログラム」が6月23日よりスタート。標高2,500m相当の常圧低酸素環境での運動が、認知症予防や筋力向上にどれだけ効果があるかを科学的に検証する、日本初の本格的実証プロジェクトです。
プロジェクト概要
■ 実証研究の目的
「3Po亀戸中央店」まで徒歩で通える、江東区亀戸駅近辺地域在住の高齢者(60歳以上)を対象に、常圧低酸素環境(標高2,500m相当)での運動刺激が、認知機能および運動機能の維持・改善に寄与するかを検証します。
また同時に、通常酸素環境での運動効果との比較も行い、低酸素環境による効果の違いを科学的に明らかにしていきます。
■ 研究の背景と社会的意義
日本は世界で最も急速に高齢化が進む国の一つです。2025年には65歳以上の高齢者が約3,600万人に達し、認知症患者数は約700万人になると予測されています(内閣府・高齢社会白書より)。認知症の医療費は年間約1.9兆円(厚生労働科学研究成果データベースより)に上り、家族の介護負担も深刻な社会問題となっています。
こうした中、運動による認知症予防効果は多くの研究で実証されていますが、「どのような運動環境が最も効果的か」という点については、まだ十分に解明されていません。近年、標高の高い地域に住む人々の認知機能が高いという疫学研究や、低酸素環境での運動が脳の血流を改善するというメカニズム研究が注目を集めており、本プロジェクトはその効果を実証する画期的な取り組みです。

実施内容
■ 実施概要
実施場所: 3Po亀戸中央店(東京都江東区亀戸5-6-1)
比較対象: あづま家デイサービス亀戸中央(同建物1階・通常酸素環境)
実施期間: 各回3カ月(12週間)×3回実施
第1期:6月23日(月)~9月1日(月)
第2期:8月21日(木)~10月30日(木)
第3期:9月1日(月)~11月17日(月)
実施頻度: 週1回、毎週月・木曜14:15~15:55
対象者: 地域在住の高齢者(60歳以上)
定員: 1セッションあたり最大20名
参加費: 無料(実証研究のため)
■ プログラム内容(1回約100分)
バイタル測定(5分): 血圧・脈拍・酸素飽和度の確認
↓
下肢循環促進(10~15分): メドマーによる血流改善
↓
常圧低酸素リカベントバイク(10分): 低酸素環境での有酸素運動
↓
椅子体操(10分): 全身の活性化・血流促進
↓
足湯(10分): 低酸素環境でのリラクゼーション
↓
マイマウンテン歩行(6~10分): 低酸素環境での歩行訓練
↓
全身振動マシン(10分): インナーマッスルの活性化
低酸素環境での運動時間は合計約30分


■ 評価・測定項目
運動機能測定
握力・脚力測定 静的バランス(片足立ち) 動的バランス(ファンクショナルリーチテスト、TUGテスト)
認知機能評価
MENFIS(認知・精神機能評価) MOGI(タブレット型認知機能検査)

産学連携の意義
■ 研究パートナー:高知リハビリテーション専門職大学
本プロジェクトは、理学療法学分野で豊富な研究実績を持つ高知リハビリテーション専門職大学の片山訓博教授との産学連携により実現しました。片山教授は低酸素環境での運動が生活習慣病や認知症の予防に与える効果について長年研究を続けており、今回のプロジェクトを「非常に研究価値が高い取り組み」として高く評価しています。
片山訓博教授のコメント
「ここまで高度に設計された低酸素環境での運動プログラムが、地域の高齢者に提供されている施設は他に例がありません。今回の実証研究により、'細胞レベルで脳が変わる'、'登山よりも安全に脳が活性化するフィットネス'といった科学的根拠を得て、学会や自治体への発信を目指していきます」

■ 期待される成果
認知機能改善のエビデンス構築: 低酸素環境での運動が認知機能に与える具体的効果の数値化 介護予防モデルの確立: 地域で実践可能な介護予防プログラムの標準化 医療費削減への貢献: 認知症発症遅延による社会保障費の削減効果 新しい健康産業の創出: 低酸素フィットネスの普及拡大
参加者の声
初回実施日(6月23日)には17名の地域住民が参加し、以下のような感想が寄せられました。
80代男性(テニス歴40年) 「広告を見て来ましたが、来て良かったです。マイマウンテン(低酸素歩行)が特に面白かった。こういう施設が近所にできたのはありがたい。スポーツ会館より気軽に通えそうです」
70代女性(1月に転倒経験) 「転んでから歩くのが遅くなって心配でしたが、やってみたら体が温かくなって楽になりました。バイクもマウンテンも思ったよりしんどくない。皆さんと一緒だから続けられそうです」
70代男性(要支援2認定)
「脊柱管狭窄症で手術も検討していますが、適切な運動で改善したい。薬に頼らず、自分なりに健康維持・増進していきたいと思います」
60代女性(夫の介護中) 「8歳年上の夫の車椅子介護を10年以上続けています。自分が体力を失うと介護できなくなるので、鍛える義務があると感じています。姿勢改善や階段昇降がスムーズにできるようになりたい」
■ 超高齢社会の課題解決に向けて
本プロジェクトを運営する有限会社川内鉄工工業は、建築業から介護事業に参入した異色の企業です。代表取締役の和田龍吉は、地域の高齢化を肌で感じる中で「介護予防」の重要性を痛感し、通所介護施設「あづま家デイサービス」を開設。その上で、「デイサービスはまだ必要ないと思うが、今後の健康状態が気になる」という層の受け皿になる施設として「3Po」を立ち上げました。
現在、介護保険制度は財源逼迫により「重度者優先」の傾向が強まっており、要支援レベルの軽度者への支援が手薄になっています。しかし、この層への適切な介護予防ケアこそが、将来の要介護者増加を防ぐ鍵となります。本プロジェクトは、そうした社会課題に対する一つの解決モデルを提示する取り組みです。
■ 持続可能な事業モデルの実践
3Po亀戸中央店は、昼間は介護予防、夜間は一般向けフィットネスとして運営する二部制により、保険外サービスとしての持続可能性を追求しています。今回の産学連携により科学的根拠が蓄積されれば、同様のモデルを全国展開し、地域の介護予防拠点として機能させることが可能になります。
取材のご案内
本プロジェクトの取材を希望される報道関係者の皆様には、以下の機会を提供いたします:
■ 取材可能な内容
プログラム実施風景の撮影 参加者へのインタビュー(同意を得た方のみ) 片山教授への研究内容インタビュー(次回は8月21日来館予定) 低酸素環境での運動体験(無料) 代表・和田龍吉へのインタビュー
■ 実施スケジュール
毎週月・木曜日 14:15~15:55(祝日も実施) ※事前にご連絡いただければ、最適な取材日程を調整いたします
代表者コメント
有限会社川内鉄工工業 代表取締役 和田龍吉
「『デイサービスはまだ早いけど、将来の体のことが不安。認知症も気にかかる』。今、そう思っている方は多いと思います。そうした方が安心して通える場所を作りたいと、この事業を始めました。今回、片山教授という素晴らしい研究パートナーに恵まれ、科学的根拠に基づいた介護予防プログラムを提供できることを大変嬉しく思います。
超高齢社会において、介護予防は個人の問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題です。このプロジェクトが、健康寿命延伸のモデルケースとなり、全国に広がることを心から願っています。昼は介護予防のために、夜は全ての人の健康のために。私たちのこの挑戦を、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思います」

施設情報
店舗名: 3Po 亀戸中央店
所在地: 東京都江東区亀戸5-6-1 常光ビル北側2階
営業時間: 昼の部 9:00~16:00(要支援者対象)/ 夜の部 17:30~22:00(一般対象)
低酸素環境: 標高2,500m相当(酸素濃度約15.4%)
【お問い合わせ】
報道関係者様専用窓口
有限会社川内鉄工工業 ケア事業部
広報担当
TEL: 03-5858-9070
Email: tatsuyoshi@kawauchi-tekko.co.jp
公式サイト: https://3po.life/
取材申込み
事前にお電話またはメールにてご連絡ください。 取材時には、低酸素環境での運動を無料でご体験いただけます。
本リリースは、超高齢社会における新たな介護予防モデルの確立を目指す産学連携プロジェクトの開始を発表するものです。取材・体験を通じて、この革新的な取り組みをぜひ広くご紹介ください。
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