「origami-mirror」(折り紙ミラー)が国際宇宙ステーション(ISS)に搭載。 大西卓哉宇宙飛行士・油井亀美也宇宙飛行士のミッションに採用

JAXAの第2回宇宙生活/地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデア募集に、株式会社SPACE BEAUTY LABの提案が採択され、ISSに搭載されました。

株式会社SPACE BEAUTY LAB

株式会社SPACE BEAUTY LAB(本社:東京都中央区 代表取締役:寺岡慎太郎)が開発した宇宙生活専用鏡「origami-mirror(折り紙ミラー)」が、JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の取り組みである「宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策の募集(2021年)」のISS搭載候補品に選定され、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されました。本製品は2025年3月より大西 卓哉宇宙飛行士のCrew-10ミッション(第72/73次長期滞在)、続いて2025年8月より油井 亀美也宇宙飛行士のCrew-11ミッション(第73/74次長期滞在)にて使用されています。

origami-mirrorとは

「origami-mirror」(折り紙ミラー)は、折り曲げて3面鏡としても、真っ直ぐに展開し姿見としても使用できる宇宙生活専用の多機能鏡です。小型・軽量・安全・難燃という宇宙での使用条件を満たしながら、宇宙飛行士が自身の身体や表情、髪型、健康状態を確認しやすいよう無駄を削ぎ落として設計されたシンプルな仕様です。
鏡面は4枚構造で、マジックテープによって船内の任意の場所に固定でき、プライバシーを確保しながら使用可能。顔や背面など見えにくい箇所のチェックを容易にし、個人の衛生管理や心の健康をサポートするツールとして活用されています。

キューポラの窓で撮影された宇宙生活用品のorigami-mirror / 株式会社SPACE BEAUTY LAB ©️JAXA/NASA

鏡を見るという行為がもたらすQOLへの影響

ISS船内で使用される鏡は、「割れないこと、不燃・難燃性であること、少しでも軽量であること、有害物質を含まないこと」などその他多くの安全上、仕様上の制限があり、それらの条件を満たす必要があります。ISSに常設されている鏡の種類は限られており、ロシアモジュールの固定鏡や衛生エリアの小型鏡に限られています。そのため宇宙飛行士は後頭部や背中を確認しづらく、プライバシーを確保して身嗜みを整える機会が限られていました。
「鏡を見る」という行為は衛生・美容にとどまらず、自身の存在を確かめ、心の安定を保つ上で重要な役割を果たします。株式会社SPACE BEAUTY LABは、この人間らしさを支える日常行為が、閉鎖環境であるISS船内だからこそ重要な課題であると考え本開発を進めました。

開発の背景と課題

株式会社SPACE BEAUTY LABは、創業者の寺岡慎太郎と殿木修司が、「宇宙美容」という新たな視点から、美容業界で培った知見と美容技術者としての経験を生かし、宇宙生活の課題を美容の力で解決できると考え、2019年に創業しました。

翌年には、JAXAが主催する「THINK SPACE LIFE」コミュニティ(注1)に参加し、宇宙飛行士の暮らしやそこに潜む課題について学ぶ機会を得ました。その中で、美容の視点から宇宙生活のQOLやウェルビーイングを支える多くの可能性があることを確信します。

そして2021年、JAXAが実施した「宇宙生活/地上生活に共通する課題テーマ・解決策募集」に際し、こうした知見をもとに本製品を提案し、採択されました。

開発にあたっては、不燃・難燃・軽量・安全性など厳しい宇宙仕様を満たすため、何度も試作と素材検討を重ねました。その結果、鏡を折り曲げて3面鏡として使用し、展開すれば姿見としても機能するという、多機能かつコンパクトな構造を実現。その独自性は特許としても認められています。

注1本プラットフォームの運営は、2024年4月1日よりNPO法人ミラツクに移行

宇宙から地上へ ― 多様な環境での応用を目指して

ISSでの成果を踏まえ、同社は「origami-mirror」の地上転用の可能性を検討しています。
アウトドア、極地、災害時避難所、医療・介護現場など、物資やプライバシーが限られる環境においても、衛生・美容・メンタルケアの観点から人々のQOL向上に貢献できると考えています。
今後は、地上での実証や応用研究に向けて、共同開発や検証に関心のある企業・大学・研究者・デザイナーの皆さまからのご相談・お問い合わせを広く受け付けています。

大西宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで4面の鏡を180度展開して姿見の状態にしている様子 ©️JAXA/NASA
大西宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで鏡を折りたたみ、側面や背面が見れる状態(三面鏡)にしている様子 ©️JAXA/NASA
宇宙生活用品に採用されたorigami-mirrorの本体と専用収納ケース ©️JAXA

製品仕様

製造元:株式会社 SPACE BEAUTY LAB

ISSでの使用方法:鏡は任意の場所にマジックテープで固定し、使用シーンに応じて2面鏡、3面鏡として展開可能です。これにより、顔や身体の側面、背面など、正面からは確認しづらい部分を容易に見ることができます。また、鏡を全面に展開すれば、一面鏡(姿見)としても使用できます。

大きさ:鏡(折りたたみ時):200mm × 150mm

    鏡(展開時):800mm× 150mm

重量:731g

※ 宇宙船内の微小重力環境で使用するための鏡として特許取得済みです。

https://humans-in-space.jaxa.jp/biz-lab/med-in-space/healthcare/cpi/

株式会社SPACE BEAUTY LABについて

2019年に前身のSSaturday合同会社を設立後、2021年にSpace cosmetology株式会社へ社名変更。2023年より現社名に改称。
宇宙生活用品の研究開発に加え、一般社団法人宇宙美容機構(SCO)の企画・運営、宇宙美容関連の書籍の編集・デザイン・映像制作、イベント企画・登壇などを通じて「宇宙と美容の架け橋」となる事業を展開しています。

【本件に関するお問合せ先】

株式会社SPACE BEAUTY LAB
E-mail:info@spacebeautylab.com

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会社概要

株式会社SPACE BEAUTY LAB

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URL
https://www.spacebeautylab.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都中央区日本橋室町3-3-9 日本橋アイティビル3F
電話番号
090-1017-9067
代表者名
寺岡慎太郎
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2019年04月