涙は敵と戦っている!? 7月3日は『なみだの日』 ーナカナイ涙を大切にー
コロナウイルス感染から目を守る「涙」のラクトフェリンの働きに注目!! 涙の大切さがわかる2020年版冊子もホームページで公開
ドライアイ研究会(世話人代表:横井則彦 京都府立医科大学眼科学教室)では、7月3日を『なみだの日』(日本記念日協会認定)と制定し、目の健康に重要な「涙(なみだ)」の正しい知識を伝える啓発活動を行っています。現代人は涙が減りやすく乾きやすい環境にあり、涙を乾かさない生活の工夫が求められます。また、昨今の感染予防の観点からも、目を最前線で守る涙の重要性が再認識されています。涙のしくみがわかる2020年度版の最新冊子が完成し、『なみだの日』のホームページからpdfデータで取得可能ですので、ぜひダウンロードして毎日の目の健康にお役立てください。
『なみだの日』ホームページ http://namida-labo.jp/
2020年版冊子
(PDFデータダウンロード: http://namida-labo.jp/assets/73day_bro_2020.pdf )
■涙はいつも外敵と戦っている!? 涙に含まれる「ラクトフェリン」に注目!!
涙はただの水分ではありません。「透明な血液」ともいえるほど、血液と同様の成分がたくさん含まれています。酸素をはじめとして、目の表面の細胞の新陳代謝を助ける成分や、活性酸素の害から守る酵素、そして、細菌感染から守るためのタンパク質類が含まれています。その中で、ウイルスや菌と戦う「ラクトフェリン」の働きが注目されています。ラクトフェリンは母乳や牛乳に含まれる成分として知られていますが、実は、口や鼻の粘膜を保護する分泌液にも含まれている糖タンパク質で、抗菌・抗ウイルス作用や抗炎症作用を持つことで知られています。涙の中にもたくさん含まれており、もともとラクトフェリンがヘルペスウイルスの感染から守る働きが報告されていましたが、近年コロナウイルスが目の細胞に結合するのを防ぐ働きが報告され注目されています(*1)。
目は人体で唯一、臓器が外界にさらされている場所です。目は脳の一部であり、外界の情報を得るため、外敵に感染しやすいリスクを負いながら、表面に出てきました。それを最前線で守っているのが、「涙」です。
感染予防を取り入れた生活習慣が求められる時代、「泣かない涙」を大切にしましょう。
*1 出典:Willcox MD, et al. The ocular surface, coronaviruses and COVID‐19. Clinical and Experimental Optometry, 13 May 2020.
■目からの感染予防7か条!!
★なみだを減らさない。乾かさない。
★手で目や顔を触らないようにする。
★洗顔とともに、目もとやまつ毛も丁寧に洗う。
★寝不足を避ける。
★ドライアイや花粉症の人は、眼科で点眼などの治療をしっかり行う。
★人が多い場所などでは、フェイスシールドやゴーグルほどではなくても、ドライアイや花粉対策用の眼鏡などで、目を乾燥や塵・異物から守る。
★コンタクトレンズ使用者は、レンズの脱着時には手指をよく洗い、衛生に十分注意する。
■ドライアイの原因である「3コン」と「3S」に要注意!
オフィスや現代社会には、涙を減らす要因がたくさんあります。
「3コン」:エアコン・コンピュータ・コンタクトレンズ
「3S」:スマホ・ストレス・座りすぎ
これらがドライアイの6大要素と言っても過言ではありません。
そこで、涙を「乾かさないための工夫」が重要になってきます。
■涙を増やすためにしたい5つのこと
「なみだの日」広報担当
ドライアイ研究会 世話人 高 静花
大阪大学大学院医学系研究科 視覚先端医学寄附講座
【ドライアイ研究会について】 ホームページ http://www.dryeye.ne.jp/ 近年、臨床の現場で増加しているドライアイに対する研究の推進と診療の向上を目的として1990年に発足。1995年には「ドライアイの定義と診断基準」を作成、その後2度の改定を経て2016年には「ドライアイの定義と診断基準(2016年版)」を発表し、現在にいたる。その間、定期的な学術集会や講習会の開催を行ないながら、2019年には「ドライアイ診療ガイドライン」を日本眼科学会誌(第123巻 第5号)に発表し、活動範囲を広げる。また、世界のドライアイを専門とする眼科医との国際会議を通じて、臨床に即した世界のドライアイの定義の作成にも取り組んでいる。 |
本件に関するお問い合わせ先 ドライアイ研究会 事務局代行 須賀原 奥村 深谷 TEL:03-5775-6070 FAX:03-5775-2076 メール:inquiry@dryeye.ne.jp |
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