「洋食器」に秘められたストーリーを解き明かす!いまだかつてない洋食器入門書
『あたらしい洋食器の教科書 美術様式と世界史で楽しくわかる陶磁器の世界』刊行
株式会社アリベ(所在地:滋賀県近江八幡市、代表取締役:加納亜美子)は、2022年4月18日(月)、西洋陶磁史研究家・加納亜美子と玄馬絵美子による共著で、『あたらしい洋食器の教科書 美術様式と世界史で楽しくわかる陶磁器の世界』を翔泳社から刊行、全国の書店で販売を開始しました。
洋食器を「ただ料理を盛りつけるだけの道具」と思ってはいないでしょうか?実は、18世紀から19世紀における西洋の洋食器は、当時の最先端テクノロジーを結集させた、国家の権威を象徴する「芸術品」でした。そのため、長く続いてきた老舗洋食器ブランドやメーカーの歴史には、試行錯誤を繰り返した苦難の歩み、ハプスブルグ家に代表される王族の波乱に満ちた人間ドラマ、さらには、日本とヨーロッパの文化をつなぐ役割を担ったことなど、ドラマティックなストーリーが秘められています。しかし、これらは日本ではあまり知られていません。素晴らしい洋食器の歴史的魅力やストーリーについて、本書は、知識ゼロの初心者でもわかるよう、わかりやすく解説します。洋食器の歴史を総覧して眺めることで、今まで見えなかった洋食器の魅力が手にとるようにわかる、「あたらしい」発見のある洋食器の本です。
なお、刊行を記念し、5月5日~10日には、宮城県仙台市の藤崎百貨店本店において、「世界の王室が愛したテーブルウェア」展を開催。本書に登場するブランドの洋食器を展示販売いたします。
- 本書刊行の特徴
引出物や贈り物で、ウェッジウッドやノリタケなどの洋食器ブランドの食器を手にした経験がある方も多いと思います。しかし、洋食器の柄やデザインの一つ一つに、隠された意味があることをご存じでしょうか?その意味を理解するためには、背景にある、ハプスブルグ家などの王族の歴史や、食器デザインの「ルール」である美術様式などを知る必要があります。
最近では、絵画などのアート作品も「感性」で眺めるのではなく、美術様式などの知識を得たうえで「読み解く」ことが少しずつ認知されてきました。実は、同じように洋食器のデザインも、美術様式によって「読み解く」ことができるのです。
本書は、タイトルの通り「あたらしい」洋食器の本です。これまで刊行されてきた洋食器の本は、カタログとして「見る楽しみ」を重視したものか、テーブルコーディネートなど「使う楽しみ」を提案するものが主流でした。本書は、見て使うだけでなく、「最も身近な美術品」である洋食器について「知る楽しみ」を提案しているところが、他にはない特徴です。
本書では、これまで筆者2人が開催してきた、洋食器講座や文化教養を学ぶ読書会といった洋食器の初心者を対象とした講座をもとにして、専門用語をできるだけ噛み砕いて丁寧に解説してあります。また、食器デザインが生まれてきた歴史を理解することで、当時の社会や政治などの時代背景を学ぶことができます。「あの歴史があったから、この食器が生まれたんだ!」ということが、楽しみながらわかる内容になっています。
さらに、教科書として使いやすいよう、写真やイラストを豊富に使用し、文章の大事なところにはマーカーを引くなど誌面の見やすさにもこだわりました。これまでの類書にはなかった、陶磁器の原料や製造方法、文様やデザインなどの基礎知識、詳細な洋食器ブランドの紹介、洋食器の使い方、文学や映画にまつわるコラムまで、幅広い知識を収めました。「洋食器のすべてがわかる」一冊です。
- 著者の紹介と本書刊行の背景
著者の2人は姉妹であり、洋食器コレクターの両親のもと、幼少より美しい洋食器に触れ、その良さを実感する環境に育ちました。著者のうち加納亜美子は、洋食器輸入会社に入社し、改めて洋食器について学ぶなかで、十分に知ることができないもどかしさを感じていました。日本では洋食器に関する入門書が非常に少ないことを実感したのです。そこで、洋食器のすばらしさを広く人々に伝えるため、高級食器シェアリングサービス「カリーニョ」の運営を開始するとともに、学芸員資格を取得するなど、洋食器の魅力を伝える「伝道師」としての活動を本格的に展開させてきました。本書を通して、洋食器の魅力がさらに多くの人に伝わり、作り手と売り手、そして買い手がさらなる「三方良し」となり、洋食器業界がより発展するきっかけとなれば、との思いで執筆をしました。
- 本書の構成・概要
今まで多数の本を読まなくては知りえなかった、洋食器の全貌がこの1冊に網羅されています。
本書は、以下の通りの構成です。
・第1章 洋食器の基礎知識
磁器の原料、釉薬、製造方法、歴史の概要、アイテムの種類、デザインなどを図解を交えてわかりやすく解説。
・第2章 世界の洋食器
約30もの洋食器ブランドを、特徴や歴史、得意とするデザインなど系統的に解説。楽しい読み物コラムと写真を添えて、全体像がつかめるような構成になっています。
・第3章 美術様式から知る洋食器
洋食器デザインの「ルール」ともいえる、13の美術様式を網羅的に解説しました。連動して生まれた建築や絵画、音楽、文学も、身近な例を挙げて知識の幅を広げます。
・第4章 洋食器と歴史
宗教革命、出島、ナポレオン戦争、万国博覧会、第一次世界大戦など、洋食器誕生のターニングポイントとなる出来事を解説。新しい洋食器デザインが、世界史と連動して生まれたことがわかります。
・第5章 偉人たちの洋食器
王侯貴族や陶工など、洋食器の歴史に欠かせない人物の生きざまや、波乱の人生をわかりやすく紹介。
・付録 洋食器の使い方
集め方や収納方法、料理との相性など、長年洋食器をてにしてきたからこそ伝えたい、実践的な使い方についても簡単に紹介しています。
- 書籍概要
著者:加納 亜美子、玄馬 絵美子
発売日:2022年4月18日(月)
価格:2,970円(本体2,700円+税10%)
出版社:翔泳社
ISBN:978-4-7981-7303-0
全国の書店、ネット書店などでご購⼊いただけます
・翔泳社の通販 SEshop: https://www.seshop.com/product/detail/25052
- 関連イベント情報
2022年5月5日(木)〜10日(火) 10:00~19:00
宮城県仙台市・藤崎百貨店/本店6階の美術ギャラリーで「世界の王室が愛したテーブルウェア」展を開催。開催期間中、著者の1人である加納亜美子が、毎日在廊いたします。
- 著者
⻄洋陶磁史研究家。株式会社アリベ代表取締役。学芸員資格保有。
幼少から洋⾷器コレクターの⽗親の影響を受け、ブランド⾷器に秘められたストーリー性に興味を持つ。塾講師、洋⾷器輸⼊会社で勤務後、2019 年 1 ⽉に⾼級⾷器シェアリングサービス「カリーニョ」 の運営を始める。百貨店等の⽂化サロンや洋⾷器専⾨店でのセミナー、コンサルティングなど幅広く活動している。
・玄馬絵美子(げんば・えみこ)
株式会社アリベ取締役。薬剤師。加納の実姉。
カリーニョの講座「陶磁器 de 読書会」講師。薬剤師として働く傍ら、陶磁器・美術・⽂芸を独学で研究。カリーニョの講座では、世界名作の歴史的、⽂化的背景を網羅した⽂学的読みどころを解説する。
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