【エストニアのシニア100人にアンケート】高齢者の電子政府サービス利用実態を発表 世界最高齢のプログラマー・若宮正子氏と

エストニアを拠点とするGovTechスタートアップ"SetGo"の共同創業者 齋藤アレックス剛太は、世界最高齢のプログラマー若宮正子氏と共同で、エストニアにおける高齢者のIT利用実態調査を実施しました。この度、同国のシニア100人の声をまとめた調査結果レポートを公開いたします。



▽調査実施にいたったきっかけ

今回の調査は、若宮正子さんが2019年6月にエストニアを訪問したことに端を発します。電子国家エストニアを体験すると同時に、「高齢者は本当に使っているのか。使っているとするならば、どのように使いこなしているのか」という当事者ならではの疑問が浮かんだことが、今回の調査に繋がりました。

「高齢者にデジタルデバイスは使いこなせない」という諦めの風潮が世界で蔓延する中、エストニアにおけるデジタルデバイドの現状、そしてこれまでの施策からヒントを探る狙いを込めて、今回の調査を実施した次第です。


▽調査方法

 

  • 言語:英語・エストニア語
  • 調査対象者:エストニア在住で60歳以上の方
  • 回答方法:WEBアンケート(代理回答も可)
  • 設問数:全24問
  • ※Q10(電子政府関連サービスの利用有無)の回答次第で設問を分岐
  • 有効回答数(n):100
  • 調査期間:2019年6月〜2019年12月



▽調査結果の概要

今回の調査の結果、エストニアの電子政府サービスについて、84%の方が利用していることが分かりました。この結果は、男女、地域、回答方法(本人回答/代理回答)による大きな差異は見受けられず、同国の電子政府サービスが広く高齢者に受け入れられ、実際に利用されていることを物語っていると言えます。一方で年齢が上がるにつれて、利用率が下がっていく相関関係が確認されています。


また「デジタル化によって日常生活の幸福度はより向上した」と考える高齢者は93%にものぼり、「たくさんの時間を節約してくれたおかげで孫と遊ぶ時間ができました」「人間が移動せずともサービスが利用できるようになったのはありがたいです」といった声があがっています。
 



電子政府サービスの利用者を対象とした設問では、同サービスがもたらした恩恵として「時間を節約することが出来るから「外に出歩く必要がないから」を挙げる高齢者が全体​の8割にものぼっており、「可処分時間の増加」「移動コストの削減」という文脈で、同国の電子政府サービスの恩恵を感じているシニアが多いことが判明しました。


一方で、2割弱の高齢者が、現在でもアナログでの手続き、サービス利用を好んでいることも事実です。
調査の中では「デジタルより、市役所に行ったり電話で物事を済ませたりする方が楽」といった声も上がっており、同国がデジタル中心のサービスを提供しつつも、未だにアナログでのサービスを提供し続けていることが伺えます。


なお、高齢者の学習方法として、第1位が「自己学習」(46%)、第2位が「家族から学習」(40%)となっており、多くの高齢者が家族の助けを借りながら操作方法を習得したことが分かっています。実際に「デジタルデバイドを解決するカギとは?」の設問に対し、64%の回答者が「家族や政府からのサポート」を挙げており、デジタルデバイド問題の解消においては家族や周囲のサポートが不可欠であることが見受けられます。
 



この他にも、高齢者が利用している電子政府サービスの内訳や、所有デバイスの割合、日本の高齢者に向けたメッセージ等の調査結果がレポートにまとめられています。詳細は以下からご覧ください。
 

 


※サンプリングバイアスとして、回答をWEB上に限定しているということから、自身ないしは一次の関係者が必ずデジタル利用者であるという点、またロシア語のみを話す高齢者は自力で回答不可であるため、ロシア系エストニア人の声を十分に拾えていない可能性があるという2点が想定されています。


▽これからの展望

若宮正子さん
「サーベイ結果を複数の言語で発表し、日本や韓国、その他電子政府サービスを提供している国の高齢者の調査を行いたいと考えています。また、引き続き地方自治体を巡って、高齢者へのデジタル普及活動に注力すると共に、ITサービスの初期設定などを支援するIT化支援員制度の実現など、政府・民間に対する提言を行いたいと考えています。」

齋藤アレックス剛太
「今回の結果を踏まえ、単に"エストニアはすごい"で終わらせるのではなく、日本のデジタルデバイド問題解消に向けて取り組む方針です。所属するblockhiveやSetGoの活動を通じて高齢者フレンドリーなデジタルサービスの開発・提供を行うと共に、現在推進している石川県加賀市との次世代行政実現に向けた電子化推進プロジェクトに注力し、実際の自治体と連携した活動を活発化させていきます。」

なお、本調査の詳細の結果は、今後様々なメディア媒体で発表するとともに、全国各地での講演会・イベント開催を通して、エストニアの高齢者のIT利用実態を広く日本中に届けます。講演依頼、取材依頼、リサーチ依頼等のお問い合わせは、以下のフォームからご連絡ください。

https://share.hsforms.com/16QU5aUGWQVmldOjd8ZwNRw3sbwl


<若宮正子>
1935年東京生まれ。東京教育大学附属高等学校(現・筑波大学附属高等学校)卒業後、三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)へ勤務。定年をきっかけに、パソコンを独学。iPhoneアプリ開発で米アップル開発者会議「WWDC 2017」に特別招待される。近著に『老いてこそデジタルを。』(1万年堂出版)

<齋藤 アレックス 剛太>
エストニア在住。2016年に世界一周に挑戦し、外資系コンサルティングファームEYを経て、2018年5月よりエストニアへ。現地では、オンライン本人確認サービスを提供している現地スタートアップ・Veriffに唯一の日本人として参画後、GovTechスタートアップ・blockhiveに入社。メンバーファームとしてSetGo Estonia OÜを設立し、Co-founderとして日本企業のエストニア進出支援を行う傍ら、日本におけるデジタルID普及や、デジタルデバイド問題解消に向けた取り組みを行っている。

<SetGo Estonia OÜ>
SetGoは、エストニアにおける法人登記支援を中心に、現地企業と連携した会計、税務、法務業務などを提供している日本・エストニアのハイブリッド企業です。完全オンラインの法人設立プラットフォームの提供に加えて、日本企業に対する現地進出コンサルティングや、現地最新動向のリサーチ・レポート、現地企業との協業支援サービスなども提供しています。
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