大和コンピューターとビジネスパートナーシップ契約を締結
未上場企業の成長支援で培った経験とナレッジを提供し、上場企業の企業価値向上に貢献
■ビジネスパートナーシップ契約締結の背景と目的
日本では毎年約80社~100社のIPO企業があります。
その中で、上場時の時価総額が100億円以上となっている企業は30%程度に過ぎず、残りの約70%は時価総額100億円未満となっています。さらに約50%は時価総額が50億円以下となっている現状があります。
上場することの価値の一つに市場からの資金調達を容易にできるということがありますが、時価総額100億円未満の場合は、経営者保有株式の希釈化を嫌うため、資金調達のメリットを享受するのが難しくなります。
参考資料)新規IPO企業の公募時と1年後の時価総額及び企業数の比較
※2108年12月末までにIPOした企業の公募時時価総額と、同じ企業が2019年12月末時点でどのように推移したかを時価総額レンジごとに算出(TOKYO PRO Market上場企業は除外)
日本では毎年多くのIPO企業が誕生しますが、中には「上場ゴール」といった言葉で評されるように、IPO時の業績、株価は好調なものの、その後しばらく立つと低迷してしまう企業が少なくありません。これには様々な理由が考えられますが、その一つには未上場時には受けられていた数多くのサポートが上場後には無くなってしまうことが要因であると考えます。日本のスタートアップとIPOを取り巻くエコシステムは、IPOを実現するまでの期間はVC、証券会社、証券代行会社等のサポーターから資金のみならず多くの無形の経営支援を受けられています。
しかしながら、実際に上場を果たした後は、上場するまでにいた多くのサポーターが離れてしまうため、上場後に企業価値を高めていくために必要な事業成長のためのナレッジや人的ネットワーク、新規事業開発のための情報資産が乏しい状態となりやすい傾向があります。
一方で、BlackCrow Capitalでは、ファンド事業を運営する過程で、主として投資先である未上場企業がより大きなIPOを実現するためや、より優れた投資をするために、世界中のスタートアップのトレンドやビジネスモデルの研究や市場研究を行っております。そしてそのナレッジは必ずしも未上場企業にのみ役立つナレッジではなく、上場企業に対しても、既存事業の再定義や新規事業の創出に役立つものが多くあります。
当社はLP出資者より出資金をお預かりし、成長する未上場企業へ投資し成長支援を行うことで、結果としてファンド満期に大きなリターンをお返しするベンチャーキャピタル事業を行いますが、同時にLP出資企業の成長も大きく願っております。我々の経験及び知識を提供することで、出資先であるスタートアップもLP出資者である事業会社も幸せになるベンチャーキャピタルの形を願っております。
■ビジネスパートナーシップ契約とは
ビジネスパートナーシップ契約とは、BlackCrow Capitalが運営するファンドへLP出資した企業に対して、当社が未上場企業の成長支援を行う過程で培った時価総額向上のための経験やナレッジを、戦略的ビジネスパートナーとして提供することを誓う契約のことです。
本契約で提供する機能やサポートは、下記の5つを基本とし、出資金額に応じて提供範囲が異なるようになっています。
① ビジネス研究レポート:
当ファンドが投資先探索と投資先の成長支援を目的として定常的に実施している、日本及び米国のスタートアップについての研究レポート(市場/セクター/ビジネスモデル等を調査・整理した資料)のこと。
② IRサポート:
当ファンドが投資先に対して行うIPO時に高時価総額を形成させるための知識やナレッジを、一部修正を加え上場企業に対して提供するもの。
③ 各種自社開発ツール:
当ファンドに所属する投資担当者が保有する投資プロセス(投資先探索、投資判断、投資先成長支援など)における知識や経験を、投資担当者でなくても利用できるようした機能やシステム。
④ 事業開発サポート:
当ファンドに所属する投資担当者が保有する事業開発経験を、対象企業の事業開発のために提供すること。
⑤ CVC運営サポート:
当ファンドに所属する投資担当者が保有するCVC運営経験を、対象企業のCVC運営のために提供すること。
■株式会社大和コンピューター 代表取締役社長 中村憲司氏のコメント
ブラッククローキャピタル様との今回のビジネスパートナーシップ契約締結は、両社の課題意識が共通していた事と考えています。労働人口問題、働き方の在り方、高齢化、環境問題、教育、食糧問題等にどう取り組むのか? 即ち、日本の未来・次世代の為の下地作り・社会課題解決の為の投資・マネーの使われ方はどうあるべきなのか? 立場は違っても課題認識が一致し、各々役割を果たす事によって、解決する事が多々有るという想いだと考えています。
当社は、ソフトウェア開発関連事業者として常に「高品質なシステムの提供」を重要テーマとし、同事業の更なる成長を目指して、技術力の強化を図るとともに、長年培った各種ノウハウによるソリューションサービスの拡大に努めています。IT技術をベースにして次のような取り組みを既に行っております。
①品質なシステムの中核をなすCMMIのコンサルティングビジネスを通じての普及活動。
②「健康」と「学び」をKeyに、健康増進企業・施設向のシステム(Platinum fitness)や英会話教室や塾、各種スクール向けシステム(Platinum School)をインターネットでサービス提供するクラウドビジネスを展開。
③ITで結ぶ農業『i-農業®』をテーマに、実際に栽培を行い農作物(メロン)の生産・販売と統合合環境制御システムや流通トレーサビリティーシステムの構築など農業のICT化への取り組み。
④電子タグによる日本酒、アパレル製品のトレーサビリティRFIDの実用化に向けた活動。
⑤さらに、設立50周年(それ以降)に向け、持続可能なビジョンを次世代メンバーにより検討し、ビジネスとマネジメントを学び、組織とのエンゲージメント(一体感)を高め、人財価値の向上を図ること目指した「Daiwa Computer未来プロジェクト」をスタート。
この度のパートナーシップ契約により、資本市場に、更にご理解頂ける会社に向け体系化を進め、ビジネスの展開に努めてまいります。
■ブラッククローキャピタル 代表パートナー 菅原 康之氏のコメント
今回、大和コンピューター様とビジネスパートナーシップ契約を結べたことを、とても嬉しく思っております。ソフトウェア開発関連事業のような安定的事業基盤を持ちつつ、アグリテック事業などの先進的事業領域にも取り組んでいる大和コンピューター様は、我々ベンチャーキャピタルの目から見ても、魅力のある企業と感じました。一方で、ベンチャーキャピタリストから見た時に、企業としてのポテンシャルが資本市場から正しく理解、評価されていない部分もあると感じました。今後、大和コンピューター様の潜在的企業価値を適切に資本市場に伝えていくサポ―トをしていきたいと考えております。
また、今回のビジネスパートナーシップ契約は、ベンチャーキャピタルとスタートアップの関係性のみで捉えられがちなベンチャーキャピタル事業が、スタートアップに対する成長支援のみならず、出資者は、ファンドへの出資を行うことで自社の企業価値向上を実現できる可能性があるという新しい意味を持つ可能性があります。新しいベンチャーキャピタル事業の在り方として、出資先の成長支援のみならず、LP出資者である大和コンピューター様の企業価値向上にも全力でサポートしていきたいと考えております。
■株式会社大和コンピューター概要
会社名 : 株式会社大和コンピューター
代表者 : 代表取締役社長 中村 憲司
住所 :大阪本社/〒569-0054大阪府高槻市若松町36-18
東京本社/〒108-0071東京都港区白金台2-25-7
URL : https://www.daiwa-computer.co.jp/jp/
事業内容: ソフトウェア開発関連事業、サービスインテグレーション関連事業、アグリテック関連事業
■BlackCrow Capital(ブラッククローキャピタル)の概要
ファンド名称 :BlackCrow Capital 1号投資事業有限責任組合
投資ステージ : シード・アーリー
投資テーマ :労働人口減少および高齢化の解決に寄与する事業
GP法人商号 :BlackCrow Capital合同会社(ブラッククローキャピタル)
設立日 :2019年3月15日
本社所在地 :東京都渋谷区千駄ヶ谷二丁目34番12号
代表パートナー:菅原 康之
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