腋窩多汗症患者の疾病費用分析に関する論文がThe Journal of Dermatologyに掲載
-腋窩多汗症患者の生産性損失額は月3,120億円であることが明らかに-
科研製薬株式会社(代表取締役社長:堀内裕之、本社:東京都文京区)は、腋窩多汗症患者を対象に疾病負担に関する調査を皮膚科医師と共同で実施し、7月9日に、その結果がThe Journal of Dermatology(発行:公益社団法人日本皮膚科学会)に掲載されました[1]
原発性局所多汗症は国内のガイドライン[2]において、「温熱や精神的負荷の有無いかんに関わらず、日常生活に支障をきたす程の大量の発汗を生じる状態」と定義されており、特にワキの下(腋窩)に生じる場合、原発性腋窩多汗症といいます。わが国における原発性腋窩多汗症の有病率は5.75%[3]、20人に1人が原発性腋窩多汗症を有するといわれています。
今回の調査は、腋窩多汗症における疾病費用分析を目的に、健保レセプトデータを用いた保険診療の直接医療費、Webの患者アンケートを用いた衛生用品費(ワキ汗パットや制汗剤など)及び生産性損失(WPAI*調査票)について総合的に評価しました。腋窩多汗症における総合的な疾病費用分析は、わが国では初めての報告となります。
*WPAI:Work Productivity and Activity Impairment (仕事の生産性及び活動障害に関する質問票)
分析した結果、腋窩多汗症に要する直接医療費は一人あたり75,036円/年(2018年)と推計されました。医療費には自由診療に関連する自己負担費用は含まれないため、実際の医療費は更に高いことが推察されました。一人あたりの衛生用品費は9,325円/年(男性:10,510円/年、女性:8,539円/年)で、男性が女性よりも金額が大きい傾向がみられました。
生産性損失については、就業中の腋窩多汗症患者の欠勤(Absenteeism、%)及びパフォーマンス低下(Presenteeism、%)は、それぞれ0.49%、30.03%であり、特にパフォーマンス低下が約30%もみられることが示されました。このパフォーマンス低下は、より重症度の高い患者(HDSS**3-4)で大きくなる傾向がみられました。
**HDSS:Hyperhidrosis disease severity scale(多汗症の重症度を自覚症状で評価する尺度)
以上の調査結果において、有病率を用いて全国推計した結果、わが国における腋窩多汗症患者の衛生用品費は年間245億円、生産性損失に伴う社会的損失額は月額3,120億円と推計されました。
本調査論文の筆頭著者である室田 浩之先生(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 皮膚病態学分野 教授)は、「腋窩多汗症(ワキ汗)による労働・勉学の能率低下は、アトピー性皮膚炎の痒みによる能率低下[4]に匹敵するほど大きく、看過できない程度であった。腋窩多汗症(ワキ汗)の治療は仕事能率の回復を通して社会生活の向上につながることが示唆される。腋窩多汗症(ワキ汗)で悩まれている方は医療機関に相談してほしい。」と述べています。
■腋窩多汗症(ワキ汗)の 疾患啓発プロジェクト「相談しませんか。”ワキ汗”のコト」「#ワキコト」
腋窩多汗症(ワキ汗)で悩む方が自分らしく安心して生活できる社会をつくるために、科研製薬は疾患啓発プロジェクト「相談しませんか。”ワキ汗”のコト」を進めています。
具体的には腋窩多汗症(ワキ汗)について広く知られ、悩む方が相談しやすく適切な治療を受けられる環境を目指します。ワキ汗の情報・サポートサイト「ワキ汗治療ナビ」及び科研製薬公式YouTubeチャンネルの開設、女優の武田玲奈さんによる疾患啓発アンバサダー、そして今回の疾病費用分析もそのプロジェクトの一環です。
科研製薬は、ワキ汗に対する新たな情報を提供することで、より多くの患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献してまいります。
● 科研製薬公式YouTubeチャンネル:
https://www.youtube.com/channel/UCRnu_dzwctVjmclVGAhs0Og?app=desktop
● ワキ汗の情報・サポートサイト「ワキ汗治療ナビ」
(URL:https://wakiase-navi.jp/)
ワキ汗の原因から治療までわかりやすく解説しています。
[1] Murota H, et al. Cost-of-illness study for axillary hyperhidrosis in Japan. J Dermatol. 2021; in press
(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/1346-8138.16050、2021年7月9日)
[2] 日本皮膚科学会ガイドライン:原発性局所多汗症診療ガイドライン2015 年改訂版
[3] Fujimoto T, et al. Epidemiological study and considerations of primary focal hyperhidrosis in Japan: from questionnaire analysis. J Dermatol. 2013; 40: 886–90.
[4] Murota H, et al. Cost of illness study for adult atopic dermatitis in Japan: A cross-sectional Web-based survey. J Dermatol. 2020; 47: 689-98.
今回の調査は、腋窩多汗症における疾病費用分析を目的に、健保レセプトデータを用いた保険診療の直接医療費、Webの患者アンケートを用いた衛生用品費(ワキ汗パットや制汗剤など)及び生産性損失(WPAI*調査票)について総合的に評価しました。腋窩多汗症における総合的な疾病費用分析は、わが国では初めての報告となります。
*WPAI:Work Productivity and Activity Impairment (仕事の生産性及び活動障害に関する質問票)
分析した結果、腋窩多汗症に要する直接医療費は一人あたり75,036円/年(2018年)と推計されました。医療費には自由診療に関連する自己負担費用は含まれないため、実際の医療費は更に高いことが推察されました。一人あたりの衛生用品費は9,325円/年(男性:10,510円/年、女性:8,539円/年)で、男性が女性よりも金額が大きい傾向がみられました。
生産性損失については、就業中の腋窩多汗症患者の欠勤(Absenteeism、%)及びパフォーマンス低下(Presenteeism、%)は、それぞれ0.49%、30.03%であり、特にパフォーマンス低下が約30%もみられることが示されました。このパフォーマンス低下は、より重症度の高い患者(HDSS**3-4)で大きくなる傾向がみられました。
**HDSS:Hyperhidrosis disease severity scale(多汗症の重症度を自覚症状で評価する尺度)
以上の調査結果において、有病率を用いて全国推計した結果、わが国における腋窩多汗症患者の衛生用品費は年間245億円、生産性損失に伴う社会的損失額は月額3,120億円と推計されました。
本調査論文の筆頭著者である室田 浩之先生(長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 皮膚病態学分野 教授)は、「腋窩多汗症(ワキ汗)による労働・勉学の能率低下は、アトピー性皮膚炎の痒みによる能率低下[4]に匹敵するほど大きく、看過できない程度であった。腋窩多汗症(ワキ汗)の治療は仕事能率の回復を通して社会生活の向上につながることが示唆される。腋窩多汗症(ワキ汗)で悩まれている方は医療機関に相談してほしい。」と述べています。
■腋窩多汗症(ワキ汗)の 疾患啓発プロジェクト「相談しませんか。”ワキ汗”のコト」「#ワキコト」
腋窩多汗症(ワキ汗)で悩む方が自分らしく安心して生活できる社会をつくるために、科研製薬は疾患啓発プロジェクト「相談しませんか。”ワキ汗”のコト」を進めています。
具体的には腋窩多汗症(ワキ汗)について広く知られ、悩む方が相談しやすく適切な治療を受けられる環境を目指します。ワキ汗の情報・サポートサイト「ワキ汗治療ナビ」及び科研製薬公式YouTubeチャンネルの開設、女優の武田玲奈さんによる疾患啓発アンバサダー、そして今回の疾病費用分析もそのプロジェクトの一環です。
科研製薬は、ワキ汗に対する新たな情報を提供することで、より多くの患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献してまいります。
● 科研製薬公式YouTubeチャンネル:
https://www.youtube.com/channel/UCRnu_dzwctVjmclVGAhs0Og?app=desktop
● ワキ汗の情報・サポートサイト「ワキ汗治療ナビ」
(URL:https://wakiase-navi.jp/)
ワキ汗の原因から治療までわかりやすく解説しています。
[1] Murota H, et al. Cost-of-illness study for axillary hyperhidrosis in Japan. J Dermatol. 2021; in press
(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/1346-8138.16050、2021年7月9日)
[2] 日本皮膚科学会ガイドライン:原発性局所多汗症診療ガイドライン2015 年改訂版
[3] Fujimoto T, et al. Epidemiological study and considerations of primary focal hyperhidrosis in Japan: from questionnaire analysis. J Dermatol. 2013; 40: 886–90.
[4] Murota H, et al. Cost of illness study for adult atopic dermatitis in Japan: A cross-sectional Web-based survey. J Dermatol. 2020; 47: 689-98.
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