2023年10⽉14⽇、野良着メーカー「SAGYO(サギョウ)」が初の実店舗を京都市アート複合施設「クマグスク」内にオープン。13⽇にはオープニングレセプションも
実物が⼿に取れる従来型の⼩売店の機能に加え、野良着ならではの着⼼地、運動性を最⼤化するトレーニングセンター的機能も付加した実店舗を、茶室サイズのコンパクトさでの実現を⽬指します。
SAGYOは2015年スタートの「⾵景をつくる野良着」をテーマに、和服の形状をベースにした作業着の開発と製造販売を⾏っているインディペンデントなメーカーです。
2015年より和服ベースの作業服というジャンルを開拓
SAGYOの製品は⽇本的な⾝体動作を促す和服の形を起点にデザインされています。シーズンごとにデザインをゼロから更新するのではなく改良を繰り返すことで農業はもちろん家事を含む様々な現場作業でのユーザーの作業環境をサポートできる⾐類を⽬指しています。
もんぺの形状を現代の素材で刷新した「もんぺまくる」、簡易に膝丈にまくり上げることができる
部屋着のイメージが強い作務⾐をセミフォーマルな作業着にデザインした「⽴襟作務⾐」
帯⼀体型の「野袴」は体に巻く設計で丹⽥に意識が向くことを意図したモデル、ユーザーから腰への負担が軽減されるとの評価を得ている
マグロ漁船の船員の方に愛用されていたという厚手靴下を復刻させた品「マグロ漁船の靴下©️」
ある漁港でローカルに使用されていた防水雨具を農業用に軽量化した「二部式雨衣」など各地の気候風土に合わせて使われていた道具を探し改良して製品化することにも取り組んでいます。
洋服に和柄など⽇本的な表層を付加するものはありましたが、和服の形状を起点にものづくりに取り組む製造者は少なく、量産を⽬指すメーカーとなるとさらに稀です。着⽤に若⼲のコツと慣れも必要なことからジャンルを開拓するところからスタートいたしました。これまでは開発にエネルギーを注ぐため、実店舗を持たず、オンライン販売と各地の⼩売店とのPOPUP販売の2つのチャネルで販売活動を続けて参りました。
さいわい、杜⽒さんのような「⽇本⽂化を伝える現場の仕事」や「マルシェで店にも⽴つ」農家さんなど現場で活躍されている⽅を中⼼にご愛⽤していただけるようになりました。
『SAGYO』創設から7年以上経ち、各種媒体を通じたビジュアルだけでは伝わりにくい体感を伝える場をつくる段階になったと考えました。体を動かす際の「着⼼地の良さ」を、より広く実感して確かめてもらうには、実物に袖を通して体を動かしてもらうことが、最も効果的です。
実店舗をあえて持つ⾯⽩さ
※商品カタログのモデルも、アーティストなど実作業を⾏う⼈を採⽤している。
作業服ですから、着て体を動かすと写真以上の膨⼤な情報量を得ることができます。特にSAGYOの⾐類は、パッと見は農村風景でも街中でも違和感のないデザインに仕上げていますが、形状については今となっては着る機会の少ない和服の形を元にしているため、腰紐の閉め⽅、袖を通す際の動き、⽴ちあがったり、しゃがむときの動作のスムーズさで、一般的な洋服とは異なる着⽤体験になります。
実は⼀般的なイメージと異なり、動作によっては和服は洋服よりもスムーズな動作が可能になるという武術家の意⾒もあります。これはオンライン販売だけでは未体験の⽅にはお伝えすることが難しい部分です。
販売店にトレーニングセンター的要素を加える
※「⾝体ゼロベース運⽤法」(安藤隆⼀郎⽒)によるトレーニング⽤背負⼦
通常の試着は着⽤して鏡を⾒るぐらいですが、今回の『SAGYOの仮店舗』では、廊下を歩き、必要に応じて階段も上り下りしていただくことで簡単な動作確認ができます。これは物件が中庭のある町家様式の空間環境であることから可能になりました。
さらに、特殊なトレーニング⽤の背負⼦(しょいこ)など、背負うものを⾝につけて体の動きを確認できるツールも⽤意する予定です。これらのツールは、⾝体の使い⽅を0から⾒直すための実践「⾝体ゼロベース」を⾏うアーティスト安藤隆⼀郎⽒の作品です。また、安藤⽒監修のもと、⾝体の操作を楽しく学べる、映像、⼩冊⼦などのツール開発を⾏う予定です。
以上の仕掛けで、狭⼩スペースながらも単なる⼩売店以上の体験ができる場を⽬指します。筋トレ全盛の時代ですが、歩き⽅、物の持ち⽅など⾝体操作の技法こそが個々⼈がトレーニングするべき対象である、という価値観に基づいています。
※⾝体0ベース運⽤法/安藤隆⼀郎⽒
クマグスクについて
京都市中京区壬⽣⾺場町にて2015年より「展覧会に泊まる」をコンセプトにした宿泊型のアートスペースとして様々な展覧会やイベントを開催。2020年にアートホステルとしての営業を終え、2021年3⽉に12店舗が⼊居する⼩規模アート複合施設へとリニューアル。様々な独⽴系事業者が⼩売店機能を共有する店舗群を形成している。
独⽴資本でものづくりに取り組むメーカーの悩みの種は、無店舗から実店舗へ移⾏する際のコスト的なリスクが⼀気に⼤きくなることでした。
クマグスクは、もともと4部屋の⼩規模なゲストハウスであったことを活かして複数の独⽴した⼩規模店舗が⼀ヶ所に集まり、レジ機能を共有できる体制があります。これにより過度なリスクを負わず研究開発にエネルギーを注⼒しつつ、より広いユーザーとの出会いの場を持つことできると考えています。
1年限定の仮店舗という位置付けで、内装も仮設性の⾼い構成となっています。今回の試みで低コストのポップアップと⾼投資の店員常駐店舗との⼆極の中間の形態を開拓し、様々なインディペンデントなメーカーの参考になるようなお店づくりを⽬指して参ります。
オープニング関連イベント
10⽉13⽇19:00-21:00事業者、メディア関係者向けオープニングレセプション…メンバーによるトークイベントや試着会を予定しております。メディア関係の⽅、ユニフォームを検討中の事業者の⽅、ポップアップ販売にご興味のある⼩売店の⽅のご参加も歓迎です。10⽉14⽇11:00-17:00オープン⽇限定メンバーによる対⾯接客⽇
…通常は店舗専⾨スタッフは常駐せずレジスタッフのみとなります。
「SAGYOの仮店舗」概要
実店舗住所:京都市中京区壬⽣⾺場町37-3kumagusuku内
GoogleMap https://maps.app.goo.gl/Mxu7QQgVM1G7g2qL7
営業時間:11:00-17:00 営業期間:2024年10月14日まで1年間を予定
ディレクター 伊藤洋志 プロフィール
2000年より京都市内の大学のサークル内プロジェクトで日常着の着物についての研究と実践、試作品開発を行う。大学卒業後、会社勤務後に独立、増刊現代農業のライターなどを経て、複数の個人事業「ナリワイ」を考案し実践し文筆業も行う。生業の一つ、繁忙期の収穫作業と販売を担当する遊撃農家では、梅、みかん、さくらんぼ、桃の収穫と販売を行っている。SAGYOではディレクターとフィールドテストを担当。
SAGYO(『⺠布合同会社』)
ディレクター 伊藤洋志
HP:https://shop.sagyo.jp/
お問合せはこちら→hello@sagyo.jp
『SAGYOの仮店舗』京都市中京区壬⽣⾺場町37-3 kumagusuku内
Facebook:https://www.instagram.com/hellosagyo/
Instagram:https://www.instagram.com/hellosagyo/
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