発熱症状ありの4人に1人が新型コロナ陽性 嗅覚の異常は3人に1人

イェール大学+半熟仮想株式会社の公共政策リアルタイム解析

半熟仮想株式会社(代表取締役:成田悠輔)は、データを用いた公共政策のデザインを事業の柱の一つとしています。その一環として、郵送PCR検査サービスPCR Nowを提供する株式会社エフメディカルエクイップメント(代表取締役:小田啓太)および東京TMSクリニック(院長:田中奏多)の協力を得て、PCR検査実施時に回収した問診票のデータと陽性率について解析しました。

主な結果は以下の通りです。
・検査者の多くは現在の行政検査の対象になりにくい人(濃厚接触ではない接触、症状が軽微、あるいは医師に感染の危険性があると判断されていない)であるにもかかわらず、特に体調不良者(問診票の自己申告で体調が不調と答えた者)の陽性率が高く、また上昇が顕著であった。11月以前の陽性率は5.5%であったのに対し、12月単月には11.4%にまで上昇した。
・症状の中でも、特に発熱と嗅覚異常を訴える検査者の陽性率が高かった。発熱ありの4人に1人、嗅覚異常の3人に1人が新型コロナ陽性と診断されていた。
・一方で、自覚症状も感染者との接触の申告もない場合の陽性率は0.2%と低かった。

【当社について】

半熟仮想株式会社は、データ・アルゴリズム・数理・思想を組み合わせ、事業や政策、そして社会の未来像をデザインしています。特に「市場設計」「反実仮想機械学習」「因果推論」といった技術では国内屈指の人材と技術を持ち、多数の企業との共同事業・研究や独自の基礎研究・ソフトウェア開発などを行っています。これらの活動を産学や国境の壁を超えて行うのが、イェール大学・MIT・スタンフォード大学・東京大学・東京工業大学・東京芸術大学など所属・出身で事業経験も備えた科学者やエンジニアです。

【データの概要】
PCR Nowでは、検査受付時に感染者との接触や自覚症状について、図1のようなアンケートを行っています。

図1 問診票の質問例図1 問診票の質問例

今回弊社では、そのアンケート結果と検査結果を組み合わせて分析を行いました。データの概要は図2の通りです。

図2 問診データの概要図2 問診データの概要

【分析結果】
分析の結果、以下の3点が判明しました。
  • 検査者の多くは現在の行政検査の対象になりにくい人(濃厚接触ではない接触、症状が軽微、あるいは医師に感染の危険性があると判断されていない)であるにもかかわらず、特に体調不良者(問診票の自己申告で体調が不調と答えた者)の陽性率が高く、また上昇が顕著であった。11月以前の陽性率は5.5%であったのに対し、12月単月には11.4%にまで上昇した。
  • 症状の中でも、特に発熱と嗅覚異常を訴える検査者の陽性率が高かった。発熱ありの4人に1人、嗅覚異常の3人に1人が新型コロナ陽性と診断されていた。
  • 一方で、自覚症状も感染者との接触の申告もない場合の陽性率は0.2%と低かった。

 

図3 体調不良者の陽性率の変化 ※接触とは、PCR検査時の新型コロナ陽性者との接触を意味する図3 体調不良者の陽性率の変化 ※接触とは、PCR検査時の新型コロナ陽性者との接触を意味する

 

図4 体調不良者の各症状別の陽性率図4 体調不良者の各症状別の陽性率


【更にコロナを押さえ込むために】
現在の行政検査の対象(濃厚接触者、症状の重い人、または医師に感染の危険性があると判断された人)から外れる人々からも陽性が出ているという分析結果から、自覚的な症状や感染の疑いがある人に対してのPCR 検査も新型コロナウイルス感染拡大を予防することへ繋がると考えられます。
同時に、自覚症状も感染者との接触の申告もない場合の陽性率が低いことは、症状や感染者との接触の自覚がある人が自主的に隔離することで感染を制御できる可能性を示唆しています。


【エフメディカルエクイップメント社および東京TMSクリニックについて】
F-medicalは、新型コロナウィルスの流行初期に、医学部所属の医師・教員・医学生の有志が、米国パンデミックを機に米国日本人医師会を通して米国に医療物資を寄付する目的で設立、4月、日本でも医療物資不足が深刻となり、特定NPO法人ジャパンハートと組み500以上の大病院に総額1.5億円相当の医療用品の寄付を実施しました。その後、新型コロナウィルス対策における社会と政府の隙間を埋めてつなぐことを目指し、国や保健所の指定する濃厚接触者には該当しないが、感染者と接触した可能性がある人や、有症者向けの郵送PCR検査を実施しています。東京TMSクリニックは、米国への医療物資寄付の活動時からF-medicalと協働しているクリニックで、今回はPCR検査用のラボをF-medicalの技術提供で立ち上げました。

郵送PCR検査サービス PCR Nowのサービスは2020年7月に始動し、11月から感染の拡大と共に、検査依頼数が増加しています。多くの類似郵送PCR検査が無症状者・接触歴がないものを対象に限る中、有症者や接触疑いの検体にも医療機関として対応し、現在の国や保健所がカバー出来ない領域を積極的に対応しているのは他郵送PCR検査にはない特徴です。感染拡大の危険性が低い郵送PCR検査の需要は日に日に高くなっており、毎週検体数が増えています。F-medicalは大学発の強みを生かしたプロトコルを用意し、ウィルスを不活化して安全性と高い精度を維持する技術開発をしました。今後この技術を外部組織へ提供することも考慮しており、日本の各地点に郵送PCR検査のラボを増やしていくことで検査の実施をする医療者や医療機関、行政の負担の低減になり、社会として医療資源の枯渇への対応につながると考えています。

より詳細な分析結果は、PCR Nowのホームページよりご覧いただけます。
https://wp.pcrnow.jp/press-release-long106/  

【研究チーム】
粟飯原 俊介(半熟仮想・自治医大) 、小田 啓太(自治医大・F-medical・東大)、須藤 亜佑美(半熟仮想・Yale大学)、竹口 優三(F-medical・東京TMSクリニック・福島県立医科大)、田中 奏多(東京TMSクリニック)、成田 悠輔(半熟仮想・Yale大学)


【半熟仮想株式会社問い合わせ先】
成田悠輔(半熟仮想株式会社代表、イェール大学助教授)
E-mail: info@hanjuku-kaso.com
電話番号: 03-6822-5496

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