大空間向け除菌システムの実証実験をZepp Hanedaで実施
ホールや劇場、オフィス、工場などにおける空気感染予防対策を目指す
株式会社空間除菌
東洋熱工業株式会社
新晃工業株式会社
株式会社NSFエンゲージメント
株式会社空間除菌(代表取締役:森久 康彦)、東洋熱工業株式会社(代表取締役社長:芝 一治)、新晃工業株式会社(代表取締役社長:末永 聡)、株式会社NSFエンゲージメント(代表取締役社長:廣松 茂)は、食品添加物、殺菌料メーカーである本部三慶株式会社(代表取締役:合田 学剛)と、コンサートホール「Zepp」(ゼップ)を運営する株式会社Zeppホールネットワーク(代表取締役:上原 昌)の協力のもと、「Zepp Haneda(Tokyo)」※1(東京都大田区)において、既存の空調設備に付設する大空間向け除菌システムの実用化に向けた実証実験を実施しました。
■実証実験の概要・結果
1.目的
空調設備に付設する大空間向け除菌システムの有効性の検証
2.本システムの概要
対象室内体積:11,920m3
外気量 :93,800m3/h
換気回数 :7.9回/h
1階客席を中心としたホールおよびステージ部(床面積:1,023.6m2、天井高:11.6m)は4台の空調機でカバーしている。各空調機に複数台の噴霧ユニットを付設し、ダクトを介してクロラス酸水の微細なミストをホールの空間に供給させる。
3.具体的な検証結果
●空調設備を介したクロラス酸水のミストの大空間への噴霧
4台の空調機に付設された計12台の噴霧ユニットを同時に稼働させ、30分噴霧した後、30分休止する間欠運転を繰り返し、1階客席(北、中央、南)、ステージ中央、2階客席中央にて、ホール内の空気中に浮遊する粒子をサイズごとに測定した。
●空間の容積および空調による換気量に対するクロラス酸水の噴霧量の最適化
4台の空調機に付設された複数台の噴霧ユニットの運転条件を変えながら、1階客席中央にて、ホール内の空気中に浮遊する粒子をサイズごとに測定した。
その結果、クロラス酸水の微細なミスト(0.3~0.5ミクロン)について、換気による減少を相殺しながら増減を平準化させる運転条件を特定できた。
●大空間におけるクロラス酸水(濃度:200ppm)の噴霧による空気中の細菌やウイルスなどの除菌・不活性化
噴霧前、噴霧後において複数回にわたりホール内の空気を採取し、菌数を測定(1m3当たりの菌数を希釈倍率に応じた乗数で計算)。測定:株式会社HACCPジャパン
噴霧を開始した11:00から1時間後には効果が顕著に確認されはじめた。最も大きな減少率が表れた時間(13:15)で噴霧前(10:45)と比較すると90.9%の減少、最大菌数の時間(11:15)と比較すると93.3%の菌数減少が見られた。オーダー数(桁数)の減少が見られることから、一定時間経過後におけるクロラス酸水の噴霧による大空間での除菌効果が得られていると考えられる。
4.各社の役割
●空間除菌:専用噴霧ユニットの開発
●東洋熱工業:空調設備における各種検証、本実証実験にともなう工事など
●新晃工業:空調設備における各種検証など
●NSFエンゲージメント:本実証実験の計画立案およびとりまとめ、製品開発
●株式会社空間除菌について
株式会社空間除菌は、空間を除菌する設備機械、およびその周辺材料、機器、サービスの企画開発製造販売に特化した専門メーカーです。2016年からクロラス酸水の専用噴霧器を開発、2020年3月より販売し、大手食品メーカーなどの製造現場や飲食店をはじめ、さまざまな企業・自治体に導入されています。
本社:東京都千代田区
●東洋熱工業株式会社について
東洋熱工業株式会社は、1937年創業の空気調和設備、給排水衛生設備(合せて空調衛生設備)の設計・施工・アフターメンテナンスを行う総合エンジニアリング企業です。人々が快適に生活できる環境を作る、一般のオフィスビル、病院、学校などの空調衛生設備や、工場施設などの「工場の製品に対する空調」として、工業用クリーンルームやバイオクリーンルーム・省エネルギーシステム・氷蓄熱システムなどにより、高度な生産空間を提供しています。
本社:東京都中央区
●新晃工業株式会社について
新晃工業株式会社は、大型ビル・施設、工場・研究所、病院・学校などで使用される業務用空調機器で国内シェアトップの専業メーカーです。研究開発から設計、製造、販売、保守、リニューアルまで、一貫した体制を確立しています。
本社:大阪市北区
●株式会社NSFエンゲージメントについて
株式会社NSFエンゲージメントは、株式会社NTTファシリティーズとソニーコーポレートサービス株式会社(現ソニーピープルソリューションズ株式会社)のファシリティマネジメント&ワークプレイスソリューション事業などに関する合弁会社です。「日本の総務を再定義する」ことをミッションに掲げ、「場から人をエンゲージメントする」というビジョンのもと、「働きたい」と「働きやすい」のために、オフィスから開発・製造現場まで、さまざまな“場”の企画・マネジメント・運用をワンストップで提供します。
本社:東京都品川区
【ご参考】
NSFエンゲージメントの感染症対策ソリューション「coe's air」(コーズ・エア)紹介ページ
https://www.nsf-e.com/coes/air/index.html
※1:Zepp Hanedaについて
東京・羽田の複合施設HANEDA INNOVATION CITY内に2020年夏にオープンしたコンサートホール。収容人員は「Zepp」ホール最大級の3,000人。URL:https://www.zepp.co.jp/hall/haneda/
※2:特許No.5823422・6093799
※3:すべての細菌やウイルスを除菌できるわけではありません。三慶グループ作成、広島大学実施「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化(除去)効果確認試験の報告書」第1報(2020年6月21日)https://www.sankei-group.com/corona、第2報(2020年8月31日)https://www.sankei-group.com/corona2、国立医薬品食品衛生研究所「平成 27 年度 ノロウイルスの不活化条件に関する調査報告書」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000125854.pdf(2016年5月13日発行)、第40回 日本防菌防黴学会 年次大会「亜塩素酸水の殺菌効果について」https://www.sankei-group.com/lp_40th_saaaj(11Aa-02)(2013年9月11日 香川大学医学部分子微生物学、本部三慶の発表)、厚生労働省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会「亜塩素酸水の新規指定の可否に関する薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会報告書(案)」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001c3qh-att/2r9852000001c7et.pdf(2011年5月11日発行)に基づく。
※4:(一財)北里環境科学センターによる亜塩素酸水の噴霧による浮遊菌・ウイルス・カビの抑制試験https://dvac.co.jp/3.test_report_01.pdf
※5:亜塩素酸水8000ppm(本実験の40倍の高濃度)の安全データシートよりhttps://dvac.co.jp/documents/klorus_sds_1kg.pdf
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