《 コロナ感染拡大前後での保育者の心理状態を調査 》中堅層はパワーアップ傾向、ベテラン層はパワーダウン傾向に

~ 急激な環境変化への対応力に違い ~

一般社団法人 NICCOT Partners

人間関係心理学に基づいたエゴグラムに 保育園幼稚園ならではの対人ストレス度を追加した「せんせいエゴグラム診断」を提供する一般社団法人NICCOT Partners(ニコットパートナーズ)(代表者 桑子和佳絵(くわこわかえ) 神奈川県横浜市中区)は、コロナの感染拡大「以前」と「以後」でこれを集計分析した結果、年代によって変化が見られましたのでご報告いたします。

【結果概要】
年代別分析の結果、保育事業者の管理職・経営者層の多い50-60代で、パワーダウン傾向に。感染防止対策や、急激なオンライン化への対応など、オフライン前提だった今までにない保育業務の増加に苦慮している様子が伺えました。一方、これに対して実務のリーダーの多い30-40代は柔軟性高く、行動力を発揮し対応している様子が明らかになりました。

【 調査背景 】
未だ収束の目処が立たないコロナ禍において、保育者はエッセンシャルワーカーとして緊急時も変わらず対応を
続けています。また、保育業界全体としても縁遠いものであった「オンライン化」にも対応せざるを得ない状況となり、現場からは戸惑いと不安の声も届いていました。そこで、長年保育者の支援を実施してきた当法人では、環境が大きく変わらざるを得ない中で保育者の心理や状態に変化があったのではと仮定し、データの比較分析を致しました。

【調査概要】
保育業務に関わる職員対象の「せんせいエゴグラム診断」について、その実施者を2019年1~12月の“Beforeコロナ“(840名)と2020年1月~2021年1月の“Withコロナ“(717名)(約8割が前年度も実施した保育者)において、エゴグラムの5つの要素の一番高い部分を抽出して集計するピークエゴグラムを作成。どの傾向が優位に表れているかを分析しました。《 番外編データ 》 保育者「働きがいポイント」ランキング

 

1.年代により変化の傾向が分かれる結果に。特にベテラン層の傾向変化が顕著

20代ではあまり変化は見られませんでしたが、30代、40代では「受容度」と「自由度」が上がっている様子が伺えます。この2つの要素は「許容する力」と「やる気・行動力」に関わる部分で、コロナ感染拡大以前よりも、状況を受け止めながら行動的になっていたことが分かります。

一方、50、60代では「厳格度」が下がり「協調度」が上がっています。これは「これが正しい」と明確に主張できずに、周囲を伺いながら慎重に判断するようになったと見ることが出来ます。(数値は%)

 

ピークエゴグラムの比較ピークエゴグラムの比較


< 5つの要素の特徴 >

厳格度(CP)= 伝統や習慣を尊重。責任感。正しさ。
受容度(NP)= 温かく面倒見がいい。許容・受容。
状況対応度(A)= 状況を客観視、計画的。冷静に物事を判断する。
自由度(FC)= クリエイティブで明るく行動的。直感的、感情的。
協調度(AC)= 協調性が高く空気を読む。従順、依存的。

※ 「せんせいエゴグラム診断」独自の表現になっています
※ 高すぎたり低すぎると否定的な側面が出てきます

 

2. コロナの感染拡大防止で大きく変わった環境対応への緊張感・疲労感

1の結果について背景・事象として考えられることを、保育事業運営者にインタビューをしました。

2020年は保育業界でオンライン対応が迫られたことで、そういう流れに触れたくない、拒んでいるような人がその年代に多かったのではないかと色々な人を見ていて思いました。(ふじようちえん 園長 加藤積一 様)

●ベテラン層は家族に高齢者がいたり、子供の受験などがあったりとコロナの影響が色々な所で出る確率が高いため、緊張感があります。 また、運営にかかわっている管理者保育士(ベテラン層)の方が日々の保育や保護者
対応等に気を揉んでいる様子が伺えました。(ちゃのま保育園 代表 宮村 袖衣 様 )

● 保護者向けのお知らせ、役職者間でのオンライン打ち合わせ等の、ICT対応の必要性に迫られたことにより、
自分の対応できない業務への疲れ、諦め等が状況対応の低下につながっているのでは
ないか。(オフラインでのコミュニケーションが当たり前だった世代にとっては、コミュニケーションのとり方についても考えるきっかけとなったのではないか)

● いまだ終息が見えず、これまでの保育で行っていた活動内容、行事等の再開も見えないことから、先行き不透明なことへの不安にベテラン層がネガティブな感情を持つ姿が見受けられます。(株式会社モニカ 企画・広報 /一般社団法人 日本こども育成協議会 理事 榎本 結花里 様)

【 これらの結果より 】
コロナ感染拡大により、急激な環境変化の必要性に迫られ、感染防止対策や園児や保護者への対応の多様性、またオフラインからオンラインへの対応を求められた結果、年代によって心理状態に差が見られたことが分かりました。また、特に50-60代のベテラン層で緊張感・疲労感が高くなった様子が伺えました。

※せんせいエゴグラム診断とは


《 番外編 》  保育者の「働きがいポイント」ランキング

保育業務に携わる中で、どのポイントがあると「働きがい」を感じるかの回答結果を集計したところ下記のような結果となりました。
この結果から、「公私のバランスがとれた生活」「時間や気持ちの余裕・ゆとり」「風通しのいい人間関係やチームワーク」が上位を占め、働きがいを持って快適に仕事をするためには、自分のペースや風通しのいい職場環境が重要だと考えている人が多いことが分かります。


【 法人概要 】

一般社団法人 NICCOT Partners(ニコットパートナーズ)は、2011年に設立。
保育園、幼稚園の人材課題に対し IT技術やデータ分析を活用した診断、コンサルティング、研修で保育事業者と職員をサポートする法人。現在全国の法人のサポートをしている。(URL:  http://www.niccot.jp/)

 

代表 桑子 和佳絵代表 桑子 和佳絵

■ 桑子 和佳絵(くわこ わかえ)

NEC、NECの社内ベンチャー、日能研教育研究所を経て、当法人を起業。
母子関係に難しさを抱えた子供時代の経験から乳幼児期に子どもに大きな影響を与える保育者や保護者を支える事業を志す。
以来20年、保育業界に対して異業種(IT)出身だからこそ発想できるツールやサービスの開発・提供にチャレンジを続ける。
女性率95%で人間関係トラブルが絶えず離職につながりやすい本業界において、信頼性の高い人間関係心理学に基づいたエゴグラムをベースに開発した「せんせいエゴグラム診断」を活用し、人材配置やチーム編成に活用した結果「人間関係トラブル0」を達成。2019横浜ビジネスグランプリ 女性起業家賞 受賞。

今後も 数値化の難しい 保育事業者や保育者の課題を、IT技術やデータ分析を活用した診断を用い 可視化することで、解決するお手伝いをすると共に、そこから見えてきた現状や課題をご報告して参ります。

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会社概要

一般社団法人 NICCOT Partners

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URL
https://www.niccot.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
神奈川県横浜市中区日本大通7 日本大通7ビル4F
電話番号
045-550-3091
代表者名
桑子 和佳絵
上場
未上場
資本金
-
設立
2011年11月