コロナで直面した50代のキャリアプランの再考 キャリアのロールモデルが不在の中、仕事・コミュニティ・お金様々を自分ごととして考えることが必要に

〜Be-Jin、「コロナ禍における50代のキャリア」に関する2020年総括と2021年の展望を発表〜

株式会社Be-Jin

 企業に対する研修や女性活躍推進事業を行っている株式会社Be-Jin(本社:東京都大田区、代表取締役社長:石川 利江)は、「コロナ禍における50代のキャリア」に関する2020年総括と2021年の展望を発表しましたので、お知らせいたします。

 

 
  • デジタルに歩み寄る姿勢と吸収力が大切
 コロナ禍がもたらしたテレワークは、50代の方にとっては定年後のほかにセミリタイアやセカンドキャリアなどを考えるきっかけになりました。そして、仕事の方法も大きく変革を迫られた年とも言えます。

 オンラインでのコミュニケーションは、デジタルネイティブである若年層のほうが慣れ親しんでおり、適応が早い。そしてコロナを機に、web会議システムなどデジタルを使いこなせることがスタンダードとなりました。これまではデジタルツールを使えなくても問題なく仕事を行える場面が多くありましたが、これからはよりいっそうデジタルに歩み寄る姿勢と吸収力が大切です。

 たとえば50代は積極的に電話を利用します。電話のほうがメールなどのメッセージよりも早く正確に伝わるという側面があります。しかし、見方を変えると、電話は相手の時間を強制的に奪っている、という自覚は必要です。現在、メールやチャットを中心とし、口頭での打ち合わせは事前に時間を決めてweb会議システムで行うことが中心となりつつあります。このような行動様式の変化も吸収していく必要があるでしょう。吸収力さえあれば、ミドル層ならではの経験値が生き、多くの職場でも活躍が期待できます。
 
  • 50代にはロールモデルがいないからこそ、自分ごととしてキャリアを考えるべき
 業種によりますが、希望退職を募ったり、大企業でも週休を増やし副業を解禁したりという動きが見られたのも2020年のトピックです。そのうえで改めて50代の層に調査をすると、定年後やセカンドキャリアのことを真剣に考えている方は多くないことが明らかになりました。

 当社が11月に行ったアンケート調査による結果では、50代男女の33.3%が「定年後の第二の人生」を考えた経験がない(n=111)と答えています。コロナ禍によって大企業でさえも事業が厳しい状況の中、自分のキャリアについて自分ごとになってない50代が多いのです。

Q1.あなたは定年後の人生(第二の人生)を考えたことがありますか?Q1.あなたは定年後の人生(第二の人生)を考えたことがありますか?

 この背景には、とりあえずは仕事があり、給料も出ているからという現状が存在します。しかし、コロナによって、いつ仕事がなくなるかわからない時代が到来しました。航空や飲食、アパレルは転換期に迫られています。この事実をどのように捉えて前に進むか。このように自分ごととして考え・行動をしてきた人と、考えずに過ごした人との違いが、今後大きな差を生み出すでしょう。しかも今の社会は3年、早ければ1年で大きく変わり、これらの差は今後の人生において大きな影響を与えます。

 同様に、別で当社が実施した調査では、40代~50代の男女で「第二の人生のキャリアを積極的に築いていきたい」と回答しているのは31.2%(n=109)。考えていない・わからない人が約7割と非常に多いのです。日々の仕事や生活に精一杯で、そもそも自分がどうなっていきたいかというビジョンが描けていないことが背景にあります。

Q5.定年後の人生(第二の人生)においてもキャリアを積極的に築いていきたいと考えていますか?Q5.定年後の人生(第二の人生)においてもキャリアを積極的に築いていきたいと考えていますか?

 もう一つ、大きな理由があります。それは、40代〜50代のロールモデルとなるのは、自分の10年、15年先の先輩や上司。しかし、同じ会社で終身雇用がなされている世代は、同じようなロールモデルしか見ることができません。つまり、多様な方向性を想像できず、結果的に考えられないという構造的な問題もはらんでいます。だからこそ、逆に言えば自分自身で真剣に考えることが必要です。ここでも、考えて動けるかどうかが差をもたらします。

 また、人生100年時代の中、継続的な経済的自立は必要です。しかし、50代を見ると、まだまだリテラシーが高くないことも実態です。お金を育てたり、お金に働いてもらう感覚が強くありません。お金に関する勉強を熱心にしている方は、そこまで多くないのです。これはどこかに“お金は自分で稼ぐもの”といった清貧の思想や、バブルを経験したうえでの楽観的なマインドがあるのではないかと考えます。

 退職金に関しても、元手として増やすことより、贈与まではいわずともご子息の方のために使うケースがよく見られます。ここで特に気を付けるべきは、相談する専門家を含めて「見極める力」を身に付けることです。このように、「自分ごととして考える」ことが求められているのです。
 
  • 遠くの身内よりも近くの他人との付き合いを積極的に
 続けて、50代男女が思う定年後にやり遂げたいこと(n=48)の第1位は「昔からしたかったことを新しく始めること」(60.4%)。第2位は「趣味に没頭すること」(58.3%)となりました。複数回答可だったにも関わらず、「仲のよい友人を作ること」(12.5%)や「町内会などのコミュニティーに所属して活動すること」(12.5%)が少なかったことは驚きでした。

Q5.Q4で「自分が今後の人生で何をやり遂げたいか考え、実行すること」と回答した方にお聞きします。定年後(第二の人生)でやり遂げたいことは何ですか?以下より自分のやり遂げたいことに近いものを選択してください。(複数回答)Q5.Q4で「自分が今後の人生で何をやり遂げたいか考え、実行すること」と回答した方にお聞きします。定年後(第二の人生)でやり遂げたいことは何ですか?以下より自分のやり遂げたいことに近いものを選択してください。(複数回答)

 

 この事実も、孤独死などが現実として社会問題となっている今、危機的だと考えます。同僚や仕事関連の仲間は、定年によって会う機会が減りますし住んでいる距離の問題もあり、希薄になりがちです。家族や親族はもちろん、親族以外であっても、遠くの身内よりも近くの他人との付き合いを心掛け、マンションのコミュニティーであったり、近所同士で支え合える関係が大切です。

 一方、コロナ禍において「自分らしく生きる力が必要になってきた」と感じる40代~50代の男女は66.1%(n=109)おり、そのうえで実践したことの中に「仕事と家庭をバランスよく保つ」「好きではない人と無理に連絡するのをやめた」といった声が自由回答の中にありました。これらは人間関係に関するものですが、晩年を迎える前の今のうちに、生活圏の中で良好な人間関係を築くべきだと思います。

Q3. コロナ禍において自分らしく生きる力が必要になってきたと感じますか。Q3. コロナ禍において自分らしく生きる力が必要になってきたと感じますか。

 

  • 50代にしかできないこと、伝えられない知恵がある
 アンケートの中には、希望のある答えもありました。たとえば、「自分磨きは、その後のキャリアを豊かにする」と考える40代~50代の男女は91.3%(n=34)という結果。また、「自分が変わることで周りにも大きな変容をもたらすことができる」と考える40代~50代男女も71.0%(n=31)いました。自分次第で未来を変えることができ、周りも変えられるという自信がここに見られます。

Q6.Q5で「考えている」と回答した方にお聞きします。あなたは定年後の人生(第二の人生)を今後歩むにあたって自分磨きをすることがその後の自分のキャリアを豊かにすることにつながると思いますか?Q6.Q5で「考えている」と回答した方にお聞きします。あなたは定年後の人生(第二の人生)を今後歩むにあたって自分磨きをすることがその後の自分のキャリアを豊かにすることにつながると思いますか?

Q7.Q6で「非常に思う」「思う」と回答した方にお聞きします。自己投資を行い、自分が変わることでチームや組織、周りの人たちに大きな変容をもたらすことができると思いますか?Q7.Q6で「非常に思う」「思う」と回答した方にお聞きします。自己投資を行い、自分が変わることでチームや組織、周りの人たちに大きな変容をもたらすことができると思いますか?

 人生100年であれば、折り返しである50代は人生の起点でもあります。50代でしか積めない学びや見てきたこと、感じたことを整理整頓して、新しい時代とを見極めながら、自分に融合させていく力が大切です。過去と未来のどちらも否定せずに取り入れ、自分の経験も入れて調和させていくということです。そして後進をみたとき、50代にしか伝えられない知恵、50代にしかできないこともたくさんあります。

 グローバル化とよく言われますが、それは海外のことを知るという観点だけでありません。そもそも日本のことを知っていないと世界のことを語ることができず、知ることもできません。日本人としてのアイデンティティーを確立してはじめて正しく海外との比較ができ、世界とのつながりを考えられるのです。

 日本のグローバル化は、残念ながら20~25年遅れてしまっています。それは、バブル崩壊から言われ続けた「失われた30年」ともリンクします。バブルが弾けたときから、日本は内向きとなりました。しかし、世界では歴史的な動きがありました。天安門事件、ソ連崩壊、ベルリンの壁など、歴史的な転換を経て各国は成長していったのです。

 日本の今の50代は、まさに内向き時代に就職し、キャリアを作ってきた世代です。しかし、だからこそ日本を勉強し、考え方や風習を大切にしながら、現代的に解釈してさまざまなことを融合するべきなのです。バブルを経た平成は、飛び抜けるものを抑えてフラットにする時代だったとすれば、令和は和んで貴ぶ時代。もともと日本人が持っている、相手を尊重するというアイデンティティーをもって「美しくハーモニーを奏でていく」時代といえるのではないでしょうか。

 昭和で人格を形成し、平成でビジネスの一線を駆け抜け、令和を迎えた50代だからこそ残していけるものが必ずあります。今こそ俯瞰のまなざしで、主体的に動くことがこれからをよりよく生きるカギになるのです。
 
  • 会社概要
会社名   :株式会社Be-Jin
代表者       : 代表取締役社長 石川 利江
所在地   :東京都大田区池上8-6-16
設立    :2014年7月10日
事業内容  :事業内容:各種企業研修および公開セミナー、女性活躍推進研修、講演活動
       個人セッション(管理職・経営者向け)、アートセラピー(個人向け)
URL      :https://www.be-jin.com/

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URL
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業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都千代田区麹町2-2-4 麹町セントラルビル4F
電話番号
-
代表者名
石川 利江
上場
未上場
資本金
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設立
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