4~50代の求人広告が、運送・飲食業を中心に 前年比45%増
~コロナ禍で職を求める4~50代の獲得競争が激化~
コロナの影響で、4~50代向けの転職広告が、昨年と比べて45%増えていることが判明しました。 昨年までは採用選考の対象外になっていた4~50代の未経験男性ですが、コロナの影響で、給与の減額やリストラによって求職することになり、運送業や飲食店などに未経験で応募するケースが急増。今では企業側が積極的にリクルート活動を行い、転職広告が増加する事態になっています。 未経験の4-50代男性をどのように活用していくかが、企業経営に大きな影響を与えています。
インターネット広告代理店の株式会社精鋭(本社:東京都新宿区 代表取締役:湯本一弥)が調査した結果、4~50代向けの転職広告が昨年と比べて約45%増えていることが明らかになりました。
昨年までは2~30代が主なメインターゲットだった転職市場も、コロナの影響で4~50代の動きが活発になっています。特に、管理職だった男性が給与の減額やリストラによって求職することになり、運送業や飲食店などに未経験で応募するケースが急増しています。
コロナ禍の前までは採用選考の対象外になっていた4~50代の未経験男性ですが、今では企業側が積極的にリクルート活動を行い、転職広告が増加する事態になっています。(下図参照)

↑ 青と赤の線は、求人来訪数と応募数(2020/7/1~11/25、データ数2,964件) ↑
広告出稿企業へのインタビューと蓄積されたデータから、実態についても調査を行いました。
今年5月の非常事態宣言で転職市場は一時停滞しましたが、それが解除された際に転職に踏み切る人が急増しました。この背景には、勤務先の倒産・テレワーク等への勤務形態の変化・リストラ・外国人労働者の減少・企業の業績悪化による採用難、などがあります。
これらの影響で2~30代の若手人材は獲得競争が一層激しくなり、コロナ禍でありながら採用コストが下がっていないという現状があります。しかし若手人材は、SNSや掲示板を駆使して就転職に関する情報をすぐに入手できるため、転職に対するハードルが低く、苦労して獲得した人材が6ヶ月程度で退職してしまう事態が後を絶ちません。
その点4~50代の管理職クラスのミドル人材は、応募が集まりやすく、採用後の離職率も低いという利点があり、そこに目をつけた企業が募集を強化し始めました。(下図参照)


↑ 50代の未経験者を対象にしている転職広告の例 ↑
この傾向に目をつけた転職あっせん企業(いわゆる転職エージェント)は、4~50代男性をターゲットに積極的に広告展開をして求職者を集め、求人募集をしている企業にミドル世代の人材活用を呼び掛けています。
まだまだ続いていくコロナ禍において、職を求める4~50代の獲得競争が激化する中、慢性的な人手不足を抱える日本企業は、未経験のミドル世代男性をどのように活用していくかが問われています。
すべての画像