築400年の古民家レストランの葺き替えに用意したススキは総重量20トン！建築家とのアートワーク制作や、参加型ワークショップも積極実施中

-茅葺き職能集団くさかんむり 最新実績報告-

　伝統的な茅葺き技法を生かし、現代に応用する取り組みを進める株式会社くさかんむり（本社：神戸市北区淡河町）は今夏、丹波篠山市内にあるレストランの茅葺き屋根を15年ぶりに葺き替えました。また、全国各地でアートワークやワークショップの活動を続けている当社ですが、10月には都内で建築家・大橋史人氏とのコラボレーションプロジェクトや、須磨海浜公園でのワークショップを実施して参りました。当社の最新の実績を報告いたします。

■トラディショナル：1件
・りょうり舎やまゆ（兵庫県丹波篠山市、https://yamayu.co.jp/fr/1）
＜概要：屋根全面葺き替え（施工期間：3ヶ月）＞
特徴：築400年といわれる茅葺き屋根の修繕を15年ぶりに実施しました。使用したススキは熊本県阿蘇地方と兵庫県・上山高原から調達。束の数はおよそ2800、重量に換算すると20トンに迫る量になります。

りょうり舎やまゆ

■コンテンポラリー：2件
①TRACING THE ROOTS（東京都世田谷区『reload』内、https://motherdictionary.com/roots2021/）
＜概要：建築家・大橋史人氏とのコラボレーションによるモニュメント制作＞
特徴：施設内の駐車場エリアをヨシで覆うプロジェクト。壁や天井といった設え（しつらえ）や、床一面に敷き詰めたヨシの上に寝転がり、仰向けになって青空を覗き見る空間など、もともとヨシがその地に生えているかのような世界観を演出しました。

 

TRACING the ROOTS

②FARM to FORK（所在地：神戸市須磨海浜公園内、https://sites.google.com/view/farmtofork2021/）
＜概要：パフォーマンスステージ、四阿（あずまや）制作＞
毎年恒例の制作活動の一つです。ステージはヨシでしつらえ、砂浜にヨシ原があるかのような雰囲気を演出しました。四阿は竹・稲わら・わら縄等の素材を用いた、砂浜に大人1人が入れるほどのもので、ワークショップ形式で子ども達と一緒に制作しました。素材の性質を生かし、風通しの良い日除けテントのようなしつらえで、子ども達が楽しく出入りする様子が見られました。

FARM to FORK

■クラウドファンディングによる修繕費調達プロジェクト
＜概要：千葉県鴨川市にある茅葺き民家「ゆうぎつか」の再生のための費用およそ360万円を調達＞
2019年9月の台風15号によって被害を受けた茅葺き民家を修復する、およそ３カ年のプロジェクトが始まり、当社代表・相良が参画しています。茅や人件費の調達を目的として、200人以上の方に出資していただきました。今後現場は「茅葺きスクール」として人材育成の場としても活用していく計画です。

ゆうぎつか

■イベント出展情報
・文化庁　日本の技フェア（会期：11月20日、21日 場所：秋葉原ベルサール1Fイベントホール）
「伝統建築工匠の業」エリアに一般社団法人日本茅葺き文化協会が出展し、同協会理事を務める当社代表・相良が「苫編み」（とまあみ）と「苫葺き」（とまぶき）の技術について、実演紹介いたします。
HP：https://nippon-no-waza.jp/expo/kayabuki.php

＜株式会社くさかんむり＞
神戸市北区淡河町を拠点に、伝統的な茅葺きの修復から、現代的な茅葺きへの挑戦、そしてより多くの方々に茅葺きを知ってもらうためのワークショップやセミナーを開催しています。
建物だけにとどまらず、様々な方向から茅葺きの持つ可能性や魅力を探り、引き出し、磨き上げて、今を生きる人達にお届けするという目的を共有した職能集団です。
本社所在地：兵庫県神戸市北区淡河町淡河1447
代表取締役・茅葺き職人：相良 育弥
HP：https://kusa-kanmuri.jp