令和の犬は人間よりいいものを食べている⁉

飼い主の50%以上が自分より愛犬の食事にこだわると回答!

株式会社totonou

メディア事業・通信販売事業を新規展開する株式会社totonou(本社:東京都港区、代表取締役:本多辰好)は、犬の飼い主を対象に、「ペット(犬)に対する意識変化・価値観」に関する調査を実施しました。

※プレスリリース内容を引用する場合、以下の対応をお願いします。

・引用元が「ペットメディアPetanによる調査」である旨の記載
・Petan該当記事(https://petan.jp/survey_food/)へのリンク設置
 

株式会社totonouでは、フード・おやつ・サプリメント・ベッドなどのペット商品を企画・開発中です。ペット商品の企画開発にあたって、同社の運営するペットメディアPetanと合同で犬の飼い主を対象とした調査を行いました。

今回は「犬と一緒に生活している」と回答した人1,053人及び、「犬と一緒に生活している」かつ「自分がフードを選ぶ立場にある」と回答した人600人に対して実施したアンケートで愛犬に与える食事についてを中心とした質問を行い、愛犬家の方たちの意識の変化や価値観を考察しました。
 

■調査概要

調査概要 「犬と生活している人へのアンケート」
調査者 Petan編集部
調査期間 2021/5/27~2021/5/28
調査方法 インターネット調査
調査人数 「犬と一緒に生活している」と回答した人5000人及び、「犬と一緒に生活している」かつ「自分がフードを選ぶ立場にある」と回答した人600人
調査対象 事前調査で「犬と一緒に生活している」と回答した人及び、「犬と一緒に生活している」かつ「自分がフードを選ぶ立場にある」と回答した人
モニター提供元 Freaasy

 

  • 調査背景|日本の飼い犬の平均寿命は10年で+0.9歳、40年では約2倍に!長寿化の背景には飼い主の価値観変化がある?
日本での犬の平均寿命は、2008年から2019年で+0.9歳と、この10年で1歳近くも延びているそうです。1年というと短いようにも思えますが、犬の寿命1年分といえば人間の年齢に換算すると4年分にも相当します。2019年度の犬の平均寿命が14.1歳であることからも、犬の寿命1年は飛躍的な延びと言えます。(※1)さらに言えば、昭和時代の犬の平均寿命は7.5歳(※2)ということなので、約40年では+6.6歳となんと2倍近くにも延びています。人間の平均寿命が江戸時代の約44歳から令和には男性が81.47歳、女性が87.57歳(※3)まで延びたくらいのインパクトですね。

犬の長寿化の背景には、獣医療の発展のほか、飼い主の意識変化も大きな要素としてあると考えられます。昭和の犬は「番犬としての外飼い」「餌は人間の残飯」という飼育環境が一般的でしたが、令和の犬は「家族として室内飼い」「質・栄養バランスのよいフードを与えたい」という飼育環境・価値観が一般的になりつつあります。

そこで、今回は犬の長寿化の背景にある、「犬の飼育に対する飼い主の意識変化」「令和の犬の食事事情」について実態を探るべくアンケートを実施しました。
 
  • 人間vs犬|生活の中で犬を優先する人が15%近く

まずは「犬と一緒に生活する上で、人間と犬のどちらを優先することが多いですか?」という質問をしてみました(サンプル数1,053)。

180人(17.1%)が「絶対に人間」、292人(27.7%)が「大体は人間」と、約半数近くが人間派という回答でした。一方で、37人(3.5%)が「絶対に犬」、107人(10.2%)が「大体は犬」と犬派も13.7%存在します。そして437人(41.5%)は「場合により判断」と回答しました。

では、実在する以下2名の愛犬家はどの選択肢を選んだと思いますか?

犬を飼っていない人からすると相当な愛犬家に映るかもしれませんが、この2人は両名とも「場合により判断」と回答しました。

「犬と一緒に生活する上で、人間と犬のどちらを優先することが多いですか?」という質問はかなりざっくりとしていましたが、ここからはもう少し具体的な質問をしていきます。
 
  • 犬=家族?半数近くの愛犬家が同じ食事をしたいと回答。

「自分・人間の家族と、一緒に生活している犬で同じ食事をしたいと思いますか?」という質問をしました(サンプル数600)。

結果はなんと、41人(6.8%)が「絶対したい」。135人(22.5%)が「できればしたい」と回答。「興味はある」と回答した人160人(26.7%)まで含めると、半数以上の飼い主さんが犬と同じ食事をすることに好意的です。

一方で「特にしたいと思わない」と回答した人は168人(28.0%)、「犬と同じ食事をするなどという概念は全くない」と回答した人は96人(16.0%)でした。

犬の平均寿命が7.5歳(※2)だった昭和であれば、恐らく90%以上の回答は「犬と同じ食事をするなどという概念は全くない」だったのではないでしょうか。(残飯を与えている=犬と同じ食事をするという捉え方をすると違うかもしれませんが。)

人間の食事の栄養状況も今ほどよくなかった時代なので、犬に贅沢させる以前に自分のことで精一杯だったという社会的な背景もあると思います。とはいえ、ドッグフードではなく家族と同じフレッシュな食事を犬にも与えたいという価値観の造成は、ここ10年で一気に進んだのではないかと感じます。

では次に、犬と同じ食事をしたいと思う背景にどのような価値観があるのかを詳しく見ていきます。「自分・人間の家族と、一緒に生活している犬で同じ食事をしたいと思いますか?」という質問で「絶対したい」「できればしたい」「興味はある」と回答した飼い主さんにその理由を聞きました。

「一緒に生活している犬と同じ食事をしたいと思う背景として当てはまるものを全て選択してください。(複数選択可)」という質問をしました。(サンプル数336)

「犬が人間の食べ物を欲しがるから与えたい」を117人(34.8%)の方が選択しました。犬の喜ぶ顔が見たいという親心が感じられます。さらに「犬は家族だから同じ食事内容が望ましい」を選択した方も100人(29.8%)いました。ペットを擬人化するに近いような価値観も一般的になりつつあることが窺えます。

一方で「できれば同じ食事をしたいが身体の構造が違うので、それぞれに合った食事をする方が優先」を選択した方の割合が一番大きく、128人(38.1%)がこの選択肢を選んでいます。犬と同じ食事をしたいという気持ちはあるものの、理性的に判断しているという飼い主さんが多いようです。

他には「犬用に配慮した手作りごはんを自分が食べてもいい」を89人(26.5%)が、「犬の身体に合わせて中身は変えるが、見た目だけでも近づけてあげたい」を45人(14.0%)が選択しました。これらの選択肢まで選んだ飼い主さんたちは、犬と同じ食事をしたいと考える飼い主さんたちの中でもかなり積極的・行動派であると推測されます。
 
  • 令和のお犬様|自分の食事以上に愛犬の食事にこだわる飼い主が半数以上!
次に、愛犬の食事へのこだわり度を、自分の食事と比較してという尺度で回答してもらいました。 

「一緒に生活している犬に与える食事へのこだわり(栄養・品質・味など)を100とした場合、自分の食事へのこだわりはどのくらいですか?」という質問をしてみました。(サンプル数600)

結果は、自分の食事の方が優先度が低い(99以下)と回答した飼い主さんが半数以上!
「0未満」は13人(2.2%)、「0~9」は26人(4.3%)と少数派ですが、「10~49」は77人(12.8%)となかなかの人数。”自分はいいから、犬にいいものを食べさせたい!”という飼い主さんが多いんですね。
ボリュームゾーンは「50~99」が220人(36.7%)、「100~149」が155人(25.5%)と、自分と同じくらいの前後でした。

犬と比較して自分の食事の優先度の方がが高い「150~199」は50人(8.3%)、「200~299」は31人(5.2%)、「300以上」は28人(4.7%)となっています。
 
  • 飼い主の54.8%は「自分の食事が薄味になっても犬にとってベストな状態であれば問題ない」

次は、「どちらがより自分の感覚に近いですか?」という二択の質問です。

「自分が食べる食事の味が満足できないと嫌だ」という人間優先の考え方が152人(45.2%)、「薄味になっても、犬にとってベストな状態であれば問題ない」という犬優先の考え方が184人(54.8%)となりました。
犬を飼っている人のなかでは、犬優先の感覚の方が強いようです。
 
  • 令和の犬は何を食べている?手作りご飯派の愛犬も。
このように愛情いっぱいに育てられている犬は実際にどんなものを食べているのでしょうか?

犬用のフードとして一般的に考えられるものを選択肢として挙げ、「一緒に生活している犬に与えている食べ物を全て選択してください。(複数選択可)」という質問をしました。(サンプル数600)

結果は、「ドライフード」を選択した飼い主さんが475人(79.2%)と圧倒的でした。 
市販のウェットフードや手作りごはんをトッピングしてドライフードと併用したり、ドライフード自体もプレミアムフードと呼ばれる高価格帯のものがあったりと、ドライフードを与えているといってもその内実は様々であろうと思われます。

「スーパーやホームセンターで販売しているウェットフード」は277人(46.2%)、「ネット販売しているウェットフード」は101人(16.8%)の飼い主さんが選択しました。
日常的に与えている飼い主さんもいますが、一般的なドライフードと比較すると割高なので、特別なごはん・ご褒美といった位置づけの方が強そうです。

スーパーやホームセンターの市販品のウェットフードと比較すると与えている飼い主さんが半分以下になる「ネット販売しているウェットフード」は、犬が喜ぶという点以外に原料や添加物、製造過程など品質にもこだわる飼い主さん向けという印象です。日本ではペットフードは食品ではなく雑貨扱いで、法整備もペット先進国と言われる欧米と比較するとまだまだ遅れています。すべての商品がそうというわけではありませんが、粗悪品も流通してしまっているのが現状です。そういった現状を知っている飼い主さんが、”質の悪い原料を使っているのではないか?”、”添加物が大量に入っている”などの不安からニーズを満たす商品を探してネットに行きつくのだろうなあと考えています。

さらに、「犬用に手作りしたごはん」は141人(23.5%)と、「ネット販売しているウェットフード」よりも多くの飼い主さんが選択しました。飼い犬の1/4近くが手作りごはんを与えられているというのは、犬を飼っていない人からすると驚きではないでしょうか。
「人間と同じ食べ物」は63人(10.5%)、「療法食」は37人(6.2%)でした。

また、その他の自由記入として、「ししゃも」「味付けしていないボイルした肉」「味付けしていない焼いた肉」「野菜、果物、肉」といった具体的な回答もありました。
 
  • 犬の飼い主の75%近くが手作りごはんに興味あり!愛犬への手作りごはんは愛情いっぱいだった
次は愛犬用の手作りごはんに着目した質問をしていきます。 

「一緒に生活している犬に手作りごはんを与えたいと思いますか?」(サンプル数600)と聞いたところ、「既に与えている」が135人(22.5%)、「与えたい」が109人(18.2%)、「すぐに与えたいと思うほどではないが興味はある」が200人(33.3%)、「特に与えたいとは思わない」が156人(26.0%)となりました。

なんと75%近く、ほぼ3/4の飼い主さんが手作りごはんに興味をもっている、もしくは既に与えているということです。

「すぐに与えたいと思うほどではないが興味はある」と回答した飼い主さんは、前出の質問・結果から「できれば同じ食事をしたいが身体の構造が違うので、それぞれに合った食事をする方が優先」という理性でのブレーキがかかっている状態であると推測されます。
興味はあっても、犬には毒になる食べ物や栄養面の不安もあり、なかなか手は出しにくいというのが現状のようです。

次に、犬に手作りごはんを「与えている」「与えたい」「興味がある」と回答した人に対して、その理由を聞きました。

想定される理由を挙げて、「犬に手作りごはんを与えている・与えたい・興味がある理由として当てはまるものを全て選択してください。(複数選択可)」という質問をしました。(サンプル数444)

「犬が喜ぶ・食いつきがいいから」を選択した人が236人(53.2%)で半数以上を占めています。偏食や老化で食が細い犬は嗜好性の高いものしか食べないということがありますが、「市販のフードを食べないから」を選択した人は48人(10.8%)でした。

栄養・品質面の観点では、「栄養面の管理をしたいから」を182人(41.0%)、「市販のフードは品質に不安があるから」を90人(20.3%)、「アレルギーや病気などの健康上の理由から」を59人(13.3%)が選択しました。人間と同様、一部の犬にはアレルギーや病気による食事の制限があります。特に特定の病気に対応した犬用の療法食は市販品の選択肢が少なく、さらに偏食で市販品は食べてくれないなどとなると、どうにか栄養を摂ってほしくて手作りせざるを得ないという飼い主さんもいるようです。

愛情面での観点では、「愛情が伝わる気がするから」を122人(27.5%)、「色々なごはんを食べさせてあげたいから」を125人(28.2%)、「家族だから当然」を49人(11.0%)の飼い主さんが選択しました。「愛情が伝わる気がするから」「色々なごはんを食べさせてあげたいから」は手作りごはんを与えている飼い主さんの30%近く、1/4~1/3程度が選択しており、人間の子供と同様に手作りで愛情を注ぎたいと思う飼い主さんも多いようです。

また、そこから一歩踏み込んで「家族だから当然」になると手作りごはんを与えている飼い主さんの11%と少なくなります。とはいえ、犬を飼っている人の8.2%(「家族だから当然」手作りごはんの飼い主49人/犬を飼っている人600人)が愛犬を人間の同様の家族と位置づけているということは、過去と比較した際の飼い主の意識変化を十分に感じられる数字なのではないでしょうか。

コスパ面での観点では、「自分の食事と一緒に用意できて楽だから」を45人(10.1%)、「手作りごはんの方が安いから」を39人(8.8%)の飼い主さんが選択しました。ただし、犬用の手作りごはんが楽かどうか・安いかどうかは一概には言えません。犬用の栄養バランスや量、質を考えるとむしろ人間より手間がかかって高いということも往々にしてあると思います。犬用の手作りごはんを楽・安いと考えるには、飼い主さん側の知識や慣れが必要とされるように思います。

また、「SNSにのせたいから」という選択肢も9人(2.0%)の飼い主さんが選択しました。
その他、自由記入では「犬の年齢を考慮した食事を与えたい」「毎日ではないが栄養や食いつきがいいので与えている」という回答もありました。
 
  • セレブ犬増加中|愛犬の食事にかける月の費用はどのくらい?
では、食事内容が多種多様になりいいものを食べるようになった令和の犬は、月にどのくらいの食費をかけてもらっているのでしょうか?

小型犬・中型犬・大型犬で食べる量も全く異なるので一概には言えませんが、令和の日本の犬の飼育頭数の大半が小型犬(トイプードル・チワワが飼育頭数の上位2犬種)であることを前提に見てもらえればと思います。ちなみに、フードの種類や犬の体重・年齢などにもよりますが、トイプードルやチワワなどの小型犬の1日の食事量は60~100g程度、お茶碗1杯くらいです。

「1,000円以下」が38人(6.3%)と少数です。ボリュームゾーンは「1,000~3,000円」の155人(25.8%)、「3,000~5,000円」の199人(33.2%)、「5,000~10,000円」の107人(17.8%)でした。

さらに「10,000~15,000円」が39人(6.5%)、「15,000~20,000円」が23人(3.8%)、「20,000円以上」が10人(1.7%)となりました。「満足すれば金額は問わない」という飼い主さんも29人(4.8%)と一定数いらっしゃいます。10,000円以上を合わせると101人(16.8%)です。

犬の平均寿命が7.5歳だった昭和の時代に同じ質問をしたら、全く違う結果になっていたと思います。過去の同じアンケートはありませんが、10年前でも違う結果になっていたでしょう。それだけ飼い主の価値観がここ10年で急激に変化し、それが犬の平均寿命の延びとして如実に反映されています。
 
  • 日本のペットを取り巻く環境・価値観は急激に変化していた!
ペット福祉が充実している欧米と比較して、日本はまだまだペット後進国と言われています。しかしここ10年で日本のペットを取り巻く環境は急激に変化し、飼い主の意識変化も進んできました。現在はいわば過渡期で、ペットを飼っているか否かで大きく価値観が分かれ、ペットを飼っている人の中でも人によってペットに対する価値観は大きく異なります。ペットに対する価値観・環境は、今後さらに変化していくものと思われます。

今回は平均寿命という数字に如実に影響が反映された「フード」という観点で飼い主の価値観を探っていきましたが、犬の歯磨き・ベッド・衣類・旅行といった別の観点でも価値観の変化は窺えます。これらは次回以降、また別の記事で調査していきたいと思います。

※1 参照:アニコム『家庭どうぶつ白書』2021
※2 参照:1983年の当時のペットフード工業会の独自調査
※3 参照:厚生労働省「令和3年簡易生命表の概況」
アンケート結果の詳細記事はこちらから:https://petan.jp/survey_food/
ペットメディアPetan:https://petan.jp/

 

調査概要

調査概要 「犬と生活している人へのアンケート」
調査者 Petan編集部
調査期間 2021/5/27~2021/5/28
調査方法 インターネット調査
調査人数 「犬と一緒に生活している」と回答した人5000人及び、「犬と一緒に生活している」かつ「自分がフードを選ぶ立場にある」と回答した人600人
調査対象 事前調査で「犬と一緒に生活している」と回答した人及び、「犬と一緒に生活している」かつ「自分がフードを選ぶ立場にある」と回答した人
モニター提供元 Freaasy

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上場
未上場
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設立
2017年12月