タベテク 経済産業省の起業家育成プログラム「J-StarX」において海外派遣決定-農産物の長期常温保存・輸送技術生かし東南アジアでの事業展開を視野に
トルコ産柑橘類の輸出に向けシンガポール・インドネシアで現地エコシステムとのネットワーク構築へ
【世界的に深刻化するフードロス問題】
2021年7月に発表された世界自然保護基金(WWF)と英国小売り大手テスコの報告書「Driven to Waste(※https://wwf.panda.org/discover/our_focus/food_practice/food_loss_and_waste/driven_to_waste_global_food_loss_on_farms/)」によると、世界で生産されている食料の40%に当たる約25億トンが毎年廃棄されています。これは国連食糧農業機関(FAO)が2011年に発表した数値の2倍以上にあたります。
廃棄される食料は野菜や果物の割合が多く、生産から消費までの過程で約45%が腐敗したり傷んだりして捨てられているのが実情です。廃棄の要因としては、消費者や小売業者の管理不足や売れ残り、劣悪な輸送環境や収穫時の乱雑な作業、加工過程でのミスなどが挙げられます。特に、サプライチェーンが脆弱な発展途上国では、生産から小売り前の段階で多くの廃棄ロスが起きています。
【薬剤不使用で農産物の長期保存・輸送を可能にするプラズマオゾン技術】
このフードロスの課題解決に向け、九州大学発の技術を用いて事業化を進めているのが株式会社タベテクです。当社は九大が持つプラズマ殺菌技術を用いて、薬剤処理不要を行わずに農産物を長期間常温保存できる装置を開発しました。
代表取締役の田苗眞代は、この技術を農作物の保存技術が不十分な海外で展開する構想を抱いており、2023年1月にはトルコのハタイ県にてレモンやハーコット等の果実を対象に実証実験を敢行。3カ月後には、薬剤処理をした果実のほとんどが腐敗していた一方、プラズマ処理を施したものは外観も味も維持されるという結果が得られました。この技術を生かしたグローバル展開を視野に、現在はトルコからの青果輸出に向け、準備を進めています。
【J-StarXのシンガポール・インドネシアコースに派遣決定】
この度、当社の派遣が決定した「J-StarX」は、経済産業省主催、デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社の運営で、日本から世界で輝くイノベーターを輩出することを目的として実施されるプログラムです。
「シンガポール・インドネシアコース」においては、派遣候補企業として採択された40社の中から、プログラム期間中に英語ピッチ審査を経て20社の海外派遣が決定いたしました。東南アジアでのスタートアップエコシステムをリードするシンガポールと、ユニコーン輩出数等でシンガポールに迫るインドネシアにて、現地スタートアップ/ベンチャーキャピタル訪問、メンタリング、フィールドスタディ、ピッチなどを行うとともに、東南アジア地域への将来的な事業展開を見据え、先端的な現地エコシステムとのネットワーク構築などが予定されています。
当社は将来的にトルコ産の柑橘類を東南アジアに輸出することを視野に入れ、これから11月24日まで実施される本プロジェクトの活動に従事して参ります。
【プラズマオゾン技術と装置の特徴】
◆殺菌剤による洗浄、乾燥、防腐剤による処理が不要
◆常温で長期保存に効果があり高額な冷却装置が不要
◆腐敗した果実の液だれ等がなく管理に掛かる手間を大幅に削減
◆家庭用電源で使用でき電気代は月100円程度
◆装置の年間レンタル料が11万円と安価
【田苗眞代・株式会社タベテク代表取締役プロフィール】
福岡県出身。歯科衛生士の資格を取得後、医学部進学を目指すも断念。30歳を前にして家業の不動産業を継ぐため宅建を取得後、大学で法律を学び、在学中に結婚、出産を経験する。その後、義父が経営する熊本の病院や夫が勤務する医療法人の事業再生に携わるうちに起業を志すようになり、九州大学総合理工学研究院の林信哉教授の研究を元にした医療機材向けのプラズマ殺菌技術について知り、製品化を決意。当初は医療用殺菌装置の開発を目指すが、農作物の保存の分野に可能性を見出し、九州の農家を中心に実証実験を重ねる。現在はトルコの成果物輸出企業大手と協力し、世界を舞台に事業化を進めている。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像