「GLOCAL-EYEZ」搭載車両が2022年度路面性状自動測定装置の性能確認試験に合格しました
~スマートフォンベースの技術では初、ひび割れ、平たん性の両項目で同時合格~
- 「GLOCAL-EYEZ」搭載車両が2022年度路面性状自動測定装置の性能確認試験に合格しました
表:性能確認証書【抜粋】
近年、AI技術の急速な進展やDX化の流れを受けて、「GLOCAL-EYEZ」同様、スマートフォンやドライブレコーダー(以下:簡易車載装置)を活用した路面点検技術が数多く開発されています。しかし、「ひび割れ率」や「平たん性」といった、道路維持管理で用いられる指標を定量的に算出することは依然として困難であり、道路管理者による利用価値が限定的でした。こうした背景を受け、(株)スマートシティ技術研究所とニチレキ(株)は東京大学と共同で、スマートフォン1台だけで高精度に管理指標を測定できる技術を開発いたしました。長年の研究開発を通じて、一般車両や簡易装置を用いる際の難しさを克服し、「ひび割れ」「平たん性」を定量的に算出することに成功いたしました。それが今回の性能確認試験の両項目同時合格につながりました。
- 「GLOCAL-EYEZ」の優れた技術
鳥瞰図変換というのは、車両内に設置したスマートフォンもしくはドライブレコーダで撮影した前方画像を、真上から見た画像(鳥瞰図)に変換する技術です。高度な変換ロジックにより、鮮明な(1mm以上のひび割れが識別可能)鳥瞰図に変換できるとともに、切れ目なく連続的な路面展開図も得られるのが特徴です。路面点検の専用車両に搭載されているラインスキャンカメラの画像に劣らない品質を持って、様々な自治体に成果物として提供されています。
・参考文献:薛凱、Geda Jose、長山智則:路面評価のための車内設置カメラ画像の自動鳥瞰変換,第76回土木学会年次学術講演会,CS14-38
どこも鮮明で連続な路面展開図(多数の鳥瞰図の結合)
■舗装調査・試験法便覧に準拠したひび割れ率の算出、および劣化予測技術
鳥瞰図変換から取得した路面の連続展開図に、機械学習処理を適用することで、ひび割れ率を「舗装調査・試験法便覧」に準拠して評価することができます。そのコア技術は、令和2 年度関東地方整備局のマッチング事業を通じて開発した成果です(研究テーマ:車両内設置カメラを利用した準リアルタイム広域路面ひび割れ率評価技術の開発)。
・成果公開URL:https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000835631.pdf
さらに、パトロールで収集した高品質な時系列路面画像を解析することで、ひび割れの進展やポットホールの発生を早期予測する手法も開発しています。これらの新技術により、従来の事後対応型のメンテナンス(重大事故が発生してから対応するなど)から予防保全型のメンテナンスへ転換し、道路損傷による瑕疵事故を未然に予防するほか、LCCの観点から維持管理費用の最適化にも貢献していきます。
■車両動揺解析による路面凹凸の高精度推定技術
車両動揺を振動理論に基づいて解析することにより、路面凹凸の管理指標であるIRIや平たん性を高精度に評価できます。同じ道路を走行したとしても、車両ごとに揺れが違います。そのため車両の動特性の違いを補正し、車種等を跨いで高い精度と再現性でIRIや平たん性を求める技術が必要です。そこで、鍵を握るのが車両モデルの同定技術です。「GLOCAL-EYEZ」は東京大学が開発した特許技術を利用し、⾃由⾛⾏の際の動揺データから⾞両モデルを⾃動的に同定します(特願2018-213088)。当該特許技術はこれまで異なる車種の2台の車に搭載され性能確認試験に参加し、いずれも合格しました。
- 「GLOCAL-EYEZ」の展開実績
また、クラウドサービスの利点を生かして、 GLOCAL-EYEZは現在、中国、ウズベキスタン、オーストラリア、ドバイといった国々でも採用されており、その技術力は世界中で認められております。
- 「GLOCAL-EYEZ」の開発予定
- 株式会社スマートシティ技術研究所について
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