京都・清水寺がアカデミアを設立　〜最高峰と最先端が響き合う学び舎「清水寺学峯（がくほう）」が発足します〜

〜 VUCAの時代に揺るぎない知性を〜清水寺学峯では学問としての仏教の智慧とリベラルアーツ的態度を融合させ、人間をより自由にする教養の体得を目指します。

音羽山　清水寺

2024年12月10日 09時30分

音羽山清水寺（京都府京都市東山区清水一丁目294）は、令和7年1月より幅広い世代のための学びの場として「清水寺学峯（がくほう）」を新たに発足させます。清水寺学峯では、学問としての仏教の智慧とリベラルアーツ的態度を融合させ、人間をより自由にする教養を体得する機会を提供します。学峯長を務めるのは北法相宗宗務長、清水寺執事・教学部長の森清顕。学峯教頭 / プログラムディレクターを務めるのは元京都市都市ブランディングアドバイザーの木村元紀。本開講後のプログラムでは京都で培われてきた文化の粋と、同時代の最先端を走るプレイヤーによる知見とを組み合わせ、"智慧の共鳴"が起きる共創の場として講義を設計して参ります。

■学峯長メッセージ

私たちは、果てしない情報のなか生活しています。

しかし、沢山の情報を知ることで『分かった“つもり”』になっていないでしょうか。飛び交う情報の気付かない水面下に、様々な人の営み、意思、願いなどが複雑に交錯しています。この見失われている部分にこそ、血の通った本来の世界の姿があります。

清水寺学峯では、知識を得るだけではなく自ら考え、知識を智慧に転じ、実践・実行する。即ち、表面的で借り物の知識を脱却し、実践・実行の源となる智を求めようとする場です。人文・社会・自然など、多岐の学際領域で学ぶ学生と、様々な経験を持つ社会人が集い学び交流し、智慧の乳化が興ることを目指しています。是非ともご参加くださいませ。

＜学峯長＞

森清顕（もりせいげん）

京都清水生まれ。立正大学大学院修了博士（文学）。現在、北法相宗宗務長、清水寺執事・教学部長ほか、京都市社会教育委員会副議長、上智大学グリーフケア研究所非常勤講師･客員所員、立命館大学歴史都市防災研究所研究員。大学コンソーシアム京都の単位互換科目：京都世界遺産PBL（Project Based Learning）の科目講師を務めるなど、学問と実践を通じた人材育成にも熱を注いでいる。

＜学峯教頭 / プログラムディレクター＞

木村元紀（きむらげんき）

コピーライター、クリエイティブディレクターとして各種キャンペーンを主導。国内外の広告賞受賞多数。広告クリエイティブだけに限らず、新規事業開発、官公庁との共同プロジェクトに従事。UNIVERSITY of CREATIVITY「社会彫刻としてのガストロノミー」研究領域長を務めた後、2024年に株式会社博報堂を退社。Liberal Eats Lab主宰。元京都市都市ブランディングアドバイザー。

清水寺学峯プロトタイピングプログラム（本講義前記念演習）

人間から外部化された知能（生成AI）、身体（Robotics）、空間（Metaverse）が、指数関数的に進化をしていくこの時代だからこそ。人間にしかできないこととは何か。自分にしか成し得ない使命とは何か。清水寺学峯では学問としての仏教の智慧とリベラルアーツ的態度を融合させ、人間をより自由にする教養の体得を目指します。清水寺学峯では本開講に先立って、令和7年1月から3月末までの間、プロトタイピングプログラム（本講義前記念演習）を予定しています。

第1回 SESSION : これからを考える

令和7年1月18日（土） 15:00~17:00
会場：清水寺洗心洞

講義：

・基調講演「日本文化と利他の心　〜これからの文化行政〜」
・学峯生を交えたディスカッション

講師：

今泉柔剛氏｜文化庁審議官
森清顕師｜清水寺学峯長

＜講師＞

今泉柔剛（いまいずみじゅうごう）

文化庁審議官。美術が好きで東京大学文学部美術史学科へ進学し、大学４年間応援部に所属。文部省入省後は大学課を経て在トルコ共和国日本国大使館書記官、スポーツ庁国際課長、日本スポーツ振興センター理事、スポーツ庁政策課長、東京大学理事等を歴任し、 2023年より現職。

第2回 SESSION : これまでを考える

令和7年2月23日（日） 17:00~20:00
会場：清水寺円通殿及び本堂

講義：

・座学演習「能楽の歴史 / 謡と舞の初歩」

・清水寺本堂舞台にて仕舞鑑賞

・学峯生による本堂での仕舞演習

講師：

金剛龍謹師｜金剛流二十六世宗家
森清顕師｜清水寺学峯長

※ 本堂での能楽鑑賞の時間は別途募集をする特別鑑賞客の皆様もご同席します。

＜講師＞

金剛龍謹（こんごうたつのり）

1988年、京都府生まれ。金剛流二十六世宗家、金剛永謹の長男。父と祖父の二世金剛巌に師事。京都を中心に国内外の数多くの公演に出演。2012年より自身の演能会「龍門之會」主宰。同志社大学文学部卒業。京都市立芸術大学非常勤講師。京都市芸術新人賞、京都府文化賞奨励賞　受賞。重要無形文化財保持者総合認定保持者。

第3回 SESSION : きょうとこれからを考える

令和7年3月22日（土） 15:00~17:00

会場：清水寺洗心洞

講義：

・WORKSHOP

「私事の公共化 / 社会課題の私事化」

個人の課題を社会や地域と関わりを持つ課題として拡張し、

他者との対話と共創を通じて、自分の関心事を社会的・公共的な価値へと転換させる試み。

・清水寺学峯本講義へ向けた展望とFeedBack

講師：

森清顕師｜清水寺学峯長
木村元紀氏｜清水寺学峯教頭

※ 各回講義の後に、学峯有志による懇親会を予定しています。