日本の子育て支援を「子どもとの関係を見直す」へ アップデート!「ポジティブ・ディシプリン®」普及拡大プロジェクト
2025年には認定ファシリテーター 55名、プログラム参加者数は1200名以上に
「チカラに頼らない社会=暴力のない社会」を目指すNPO法人きづく(東京都港区 代表理事 森 郁子、以下きづく)は、たたかない・怒鳴らない子育て「ポジティブ・ディシプリン®︎(以下ポジ)」のプログラム実施を通じ、日々の子育てに本質的な変化を起こすために必要なプログラム実施のための人材育成・基盤構築に取り組んできました。2023年度、地域主導型で持続的なプログラムの実施とファシリテーター養成を可能とする基盤を強化し、養育者のプログラム参加の機会と事業対象地域の拡大を目指すプロジェクトを3ヵ年計画で展開します。
本プロジェクトでは、国内6県(東京都、宮城県、福島県、愛知県、大阪府、福岡県)において、プログラムを実施するファシリテーター(PF)の養成と、PFを養成するトレーナー(CT)の養成を並行して実施。第一に各県に配置されるCTによって既存事業地のPFが養成され、第二にそれらの養成されるPFによって養育者を対象としたプログラムの実施回数や持続性を高めます。同時に、各県のCTを新規事業地へ派遣してFT養成することで、地域を超えてポジ普及をより加速させることも狙いです。2025年には新たに CT6名、PF40名が誕生し、そのPF40名が各地でポジのプログラムを実施した場合、プログラムに参加する養育者数は640名、参加者の子どもの数は806*名にのぼると推測しています。
*令和4年度合計特殊出生率より算出
日本では、2020年に家庭内の体罰を禁止する改正法が施行されましたが、今日でも国民(15〜75歳男女)の40.2%が子どもに体罰を与えることを「場合によっては必要」と容認していることが明らかになっています*。ポジは、2015年に日本国内でプログラム実施が開始されて以来、「罰がダメなら、どう子育てしたらいいの?」の答えを模索する養育者への支援プログラムとして、そのプログラム実施と実施を担うPF養成へのニーズが各地で高まっています。ポジの日本国内での普及活動は、2019年に当法人が公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンより事業移管を受け、地域の子育て支援団体や自治体との協力のもと、各地でプログラムの拡大や定着を進めてきました。しかし、プログラム実施を支えるCTやPFの数が不足しており、その高まる要望に対応が追いついていませんでした。また、各地域に点在する既存のPF(15名)の知見をプログラムの全国普及のために戦略的に活かせていないことも課題でした。
*体罰等によらない子育ての推進に向けた実態把握に関する調査」(令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業)
世界各国で推進されるポジの普及モデルは、プログラム開発者のマスター・トレーナー(MT)が各国にCTを養成し、その認定を受けたCTのみがプログラム実施を担うPFを養成する仕組みとなっています。 本プロジェクトでは、カナダよりMTを招致し、日本で2名の既存の認定CTと協力して、国内のCT候補者6名に対して養成研修を行います。並行して、CT候補者は、MTと既存の認定CTの伴走支援を得ながら、PFを養成します。
ポジの普及は、国内のより多くの養育者の間で子どもの権利の尊重や体罰に代わる子育てが浸透し、ひいては家庭で蔓延する子どもへの暴力やマルトリートメントのない子ども時代を子どもたちが送れるよう支援することに他なりません。当法人は、ポジ普及を通し、日本の子育てが、子どもの権利をベースとした「子どもとの関係を見直す」へアップデートすることを目指します。
【プロジェクト概要】
名 称:
子どもの虐待予防プログラム「ポジティブ・ディシプリン®」の全国普及の加速 に向けた基盤整備
事業の目的 :
ポジティブ・ディシプリン®の認定トレーナー6名を養成し、地域主導型で持続的なファシリテーター養成を可能とする基盤整備を行う。その結果、養育者が「たたかない、怒鳴らない子育て」を会得し、子どもとの関係を見直す機会が拡大する。
事業期間:2023年4月~2026年3月(3年間)
事業完了時に達成される成果:
・6名の認定カントリー・トレーナーが養成される。
・40名の認定ファシリテーターが養成される。
・合計640名の養育者がポジティブ・ディシプリン®の標準プログラムに参加する。
・養育者640名の養育者が、子ども806名*に対して、プログラムで学んだことを実践する。
*令和4年度合計特殊出生率より算出
本プロジェクトは、1年目の活動を日本財団の助成事業として実施しています。
詳細はこちらをご参照ください。
https://prtimes.jp/a/?f=d112892-3-6c2a19f630df16ef8794ab286da2f98b.pdf
ポジティブ・ディシプリン®︎とは
2007年、子ども支援専門の国際NGOであるセーブ・ザ・チルドレンと児童臨床心理学者のジョーン・E・デュラント博士によって養育者支援プログラムとして開発されました。「このような時にはこうすればよい」というハウ・ツーとは異なり、養育者自らが子どもに教えるためのより良い対応を見出し、解決していくための「考え方」を提案します。養育者が子どものこころや体を傷つける罰を用いた子育てから少しずつ距離を置き、子どもの健やかな発達と学びを促すような子育てへ移行していくことを目的としています。日本国内では、2019年5月に同普及活動が公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンからきづくに移管され、きづく内に設置された「ポジティブ・ディシプリン日本事務局」が普及事業を引き継いでいます。
◎これまでの国内のプログラムの普及実績
標準プログラム(18時間)実施回数 55回
標準プログラム(18時間)参加者数 614名
◎養成されたプログラム・ファシリテーターの数
認定ファシリテーター 15名
研修生* 33名
*実施研修中の方は、研修生として活動されています。
(2023年7月時点 2019年移管前からのものを含む )
ポジティブディシプリンについてはこちら
https://www.kidzuku.org/pd
気づいて、築く。NPO法人きづく
NPO法人きづくは、大人たちが、子どもとの間に存在するチカラの差に気づき、子どもたちとの信頼と尊重に基づいた関係性を築いていくことこそが、チカラに頼らない社会=暴力のない社会を創ることに直結すると信じて活動しています。
名 称 特定非営利活動法人きづく
設 立 2019年5月1日
2020年12月10日 法人格取得
代表理事 森 郁子
【お問い合わせは下記までお願いいたします】
NPO法人きづく 広報さとうのりこ
email:nori@kidzuku.org
すべての画像