認知症ケア補助人工知能・DeCaAIのAutoMLの提供に向けた協議を開始
認知症基本法に基づく社会課題解決に貢献するために
BPSDチームケアをサポートする認知症ケア補助人工知能・DeCaAIのAutoMLを提供開始
概要
ゲオム株式会社(以下「ゲオム」)は、認知症基本法に基づく社会課題解決のため、介護事業者や介護ソフト開発企業とDeCaAI(Dementia Care-assist AI:認知症ケア補助人工知能システム)のOEM(AutoML)提供を含めた協議を開始しました。
介護施設における認知症介護の現状
介護施設では1日の業務全体に占める食事・入浴・排泄などへの対応時間が多く、一定の時間枠と既定の人員で効率的なケアを実施するのは難しい状態です。さらにBPSD(※1)が発生すると対応方法が分からず、介護者側の立場で対応してしまうこともあります。落ち着いた穏やかな接し方は認知症の方に安定感をもたらす一方、叱責や命令、操作的態度は不安と混乱を招きやすくなることは経験則では分かっていても対応しえないのが実態です。
※1:BPSD(behavioral and psychological symptoms of dementia)認知症患者にしばしば生じる、知覚認識または思考内容または気分または行動の生涯による症状」と定義されています。©山口晴保
DeCaAIの導入効果とOEM提供の背景
DeCaAIアプリには、認知症介護研究研修東京センターで専門の研修を受けた認知症介護指導者らの手により作成された、BPSD対応の大辞典が搭載されています。BPSD発生時の状況を介護スタッフがAIと会話することにより、AIが大辞典の中から最適なケア方法を提案します。介護の現場では、これらの情報を基にチームでBPSDケアの対応を検討し、さらに実施後はAIにより提案されたケアの評価を実施しスタッフ間で共有することができる機能を使うことでBPSDチームケアに貢献できるシステムであると考えています。
実際にDeCaAIの導入・活用によりスタッフに「ゆとり」を作り出すことができたと、好評の言葉を頂いています。「ゆとり」はBPSD発症に影響を与え、BPSDの緩和と消失に繋がっていることが立証されています。今後は介護施設においてチームケアによる「ゆとりづくり」への取り組みを考えてく必要があり、BPSDチームケアのサポートに役立つシステムとして各方面より問い合わせをいただいています。その中で、既存の介護ソフトと連携して欲しいという要望に取り組む必要が出てきました。
介護施設からの声
今まで様々な介護ICTを導入・活用してきた社会福祉法人弘陵福祉会・特別養護老人ホーム
六甲の館の理事長・施設長を務める溝田 弘美様
「介護施設のケアの質は、認知症の方のケアで決まると考えています。医学的に完全な認知症治療薬が未開発の今、日本の介護施設において、DeCaAIほど、待たれていた画期的なテクノロジーはないかもしれません。六甲の館では2012年にセラピー・ロボットを導入して以来、毎年、あらゆるロボットやICTテクノロジーを導入・活用してきましたが、DeCaAIは、間違いなく、今、最も使いたいシステムです。BPSDの予測情報があれば、私達が行っている個別ケアの内容をAIと共に、余裕をもって行えることが最大のメリットです。AIの技術の進歩で、ようやく勘だけに頼るケアから抜け出し、科学的なエビデンスに基づいたケアに近づける時代になったのだとワクワクしています。六甲の館では、認知症の方が、認知症でない方よりもロボットやデジタル機器に対するアレルギーがない傾向にあることがわかり、認知症の方にも積極的にロボットやデジタル機器を使って頂いています。私たちも、積極的にデジタル機器の効果的な活用の成功事例を介護記録に入力する必要がありますし、それらのケア方法が、DeCaAIの推奨ケアに盛り込まれていくことを期待しています」
DeCaAIとは
認知症で最も介護負担の大きい行動・心理症状(BPSD)を事前に予測し、最適なケア方法と共に通知する認知症対応型AIアプリです。総務省「医療・介護・健康データ利活用基盤高度化事業」に基づく、AMED「認知症対応型 AI ・IoT システム研究推進事業」(22us0424001)において研究・開発されました。AIは相手の気持ちが安定しているかどうかを常に読み取り、介護施設におけるチームケアをサポートする製品です。
<参照>AIとIoTにより、認知症の行動・心理症状(BPSD)の予測に成功
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000122034.html
DeCaAIに搭載されている機能
搭載されている以下の機能は、他の介護記録システム等とAPI連携することが可能です。また、多くのハードウェア・デバイスとの連携も可能になっており、AIにデータを取り込む際にデバイス毎に異なるタイムクロックを補正しリアルタイムデータとして維持・管理・活用することができます。
<連携可能な機能>
BPSD予測の通知、予防ケア方法の通知、対処ケア方法検索、AIチャットボット、バイタル・食事・排泄記録、ケアの評価入力、IoTセンサーデータ確認、4DAS、BPSD25Q、short-QOL-D、Barthel Index、音声認識NLPを使った自動介護記録記載(F-SOAIP自動分割)、データ統合管理プラットフォームなど
今後の展望
国内外での幅広い展開を計画しています。DeCaAIセールス・パートナー、およびAPI連携・OEMパートナーについても国内外を問わず募集し、AI-based Global Platform(※2)として社会実装を進めます。
※2:Global AI-based Platformとは、既存の多くのデバイス・システムとも連携が可能な目的特化型生成AIプラットフォームのことです。
DeCaAI運営体制
・認知症介護研究研修東京センター:DeCaAIの開発
https://www.dcnet.gr.jp/support/bpsd20-22/
・一般社団法人 認知症高齢者研究所:DeCaAIの開発・保守・運用
URL:http://www.kyomation.com/
・ゲオム株式会社:DeCaAIの販売
URL:https://geom-hd.com/
<参照>2022年度・AMED成果集 AIとIoTを活用し、認知症BPSD発症の予測に成功(P17)
https://www.amed.go.jp/content/000117507.pdf
<参考>第25回 日本認知症ケア学会大会(2024年6月15~16日)
AI(人工知能)を認知症ケアに活かす
https://ninchisyoucare.com/taikai/25kai/
【本件に関する問い合わせ】
ゲオム株式会社 広報室(info@geom-hd.com)
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 商品サービス
- ビジネスカテゴリ
- スマートフォンアプリ福祉・介護・リハビリ
- 関連リンク
- https://geom-hd.com/
- ダウンロード