小学生のウズラの卵窒息事故を受け、小児の口腔育成を重要視。
小学1年生の窒息死亡事故の対策が「当面の間、給食にウズラの卵の提供を控える」「よく噛んで食べましょう」だけでいいのでしょうか？5月1日よりキシリトール咀嚼チェックガムを導入し口腔育成を強化。
小児の口腔育成に関するページは下記を参照してください。
2024年2月に福岡県みやま市の小学1年生が、給食で出されたウズラの卵を喉に詰まらせ死亡する事故が起きました。
そんな中、市教育委員会が校長会を開き各校の危機管理マニュアルを見直すとして、公立幼稚園と小中学校に対して当面の間、給食にウズラの卵を使わない事を決めました。
また、専門家であるはずの小児科医は「よく噛んで食事をすることが重要です」と言っているだけです。残念ながら窒息死亡事故に至った根本原因の議論はまったくなされないままです。
口腔機能発達不全症は幼稚園児や小学生の食べる機能や話す機能、その他の口腔機能が十分に発達していない状態を指します。これらの症状が食事中に問題を引き起こす可能性があり、喉に食物が詰まるリスクを高めることがあります。
2018年4月に口腔機能発達不全症の治療が一部保険適用になりましたが、これまでは小児矯正に精通した歯科医師のみが自費で行っていた治療です。
歯並びが悪く見た目に問題がある児童の多くは口腔機能発達不全症を伴うことが多いため、親から相談がある場合に限り、矯正治療の一環として行っているのが現状です。
当院では2024年5月1日よりキシリトール咀嚼チェックガムを導入し噛む力のチェックやガムトレーニング法を導入し、口腔育成を強化していきます。
対策法
以下は、口腔機能発達不全症による事故を予防するための対策法です。
早期評価と適切な指導:
小児期において、口腔機能の発達を評価し、異常があれば早期に指導や治療を行います。特に咀嚼や嚥下の問題がある場合、適切な食事指導を行い、食物の詰まりを予防します。
口唇閉鎖力の測定:
口唇閉鎖力の不足は、のどに食物が詰まるリスクを高める要因となります。口唇閉鎖力の測定を行い、口唇閉鎖力を向上させるトレーニング法の指導を行います。
キシリトール咀嚼チェックガムを導入
キシリトール咀嚼チェックガムは噛むと色が変化します。しっかり噛めていれば赤色になり咀嚼力は良好といえます。緑色の場合は、噛む力が弱いため咬合力強化のための指導を行います。
ガムトレーニング法の導入
ガムトレーニングは、口の周りの筋肉や舌を鍛えるトレーニングです。毎日10分間ガムを所定の方法で噛むことで、舌や唇を鍛え、噛むことや嚥下力を向上させます。歯並びの悪化予防にもなります。
食事の注意点:
食事中に適切な姿勢を保ち、ゆっくりと噛むことを促します。また、食物の大きさや硬さに注意し、食物がのどに詰まるリスクを最小限に抑えます。
提言:
1歳半児、3歳児、小学生などの虫歯の公的歯科検診時に口腔機能発達不全症も含め診断することが重要と考えています。
対象となる小児は歯科医院の受診を促し、口腔育成の治療を受けるなどすることで、一定程度は改善されるものと期待できます。
しかし、「どう治療介入すべきか？」「経過観察で問題ないか？」「そもそも”口腔育成”とは何か？」という根本的な内容について、多くの歯科医師が正しく理解していないことが課題として残っています。
歯科クリニック情報
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