土壌コア微生物技術を用いて「グリーン事業共創エコシステム」構築に取り組む、茨城・筑波大学発スタートアップ、(株)エンドファイトがシードラウンドで約1.5億円の資金調達を実施
土壌コア微生物「DSE」の大規模ライブラリーにより、気候変動下での高付加価値な緑化の実現と新たなグリーン事業共創のエコシステムを構築する。
株式会社エンドファイト( 本社:東京都千代田区、代表取締役:風岡 俊希、以下「エンドファイト」)は、スパークル株式会社、株式会社basepartners、グローバル・ブレイン株式会社と東急建設株式会社が共同運営するCVCがそれぞれ運営するファンドと、山梨県、株式会社リバネスキャピタルを引受先とし、約1.5億円のJ-KISS型新株予約権による資金調達を実施いたします。
■グリーン領域の新規事業共創エコシステムを構築
国連の報告によると、2050年には世界の農業土壌の90%以上が劣化することが予測されており、森林面積も年間約600万ha減少している状況です。気候変動や土壌劣化が深刻化する中、外部環境に影響をされない植物の安定的な生育技術が不可欠な時代となっています。
エンドファイトが研究開発を行う土壌微生物「DSE」は、あらゆる植物を対象に、環境ストレス耐性向上や栄養吸収促進等、植物に対して様々な機能を付与することを可能とします。多様な効果を有するDSE菌株の世界最大規模のライブラリーを保有しており、環境分野における様々なニーズに対して適切なソリューションを提供することができます。
エンドファイトは、これまで10社を超える大手企業と植物の栽培方法の開発や緑化・農業資材の開発を行っており、広いネットワークを構築するとともに、広い分野での技術の実証化が期待されます。今後は、エンドファイトの共同実証ネットワークや成果物を組み合わせ、不動産やゼネコン、商業施設等のインフラ関連の企業へ新たなグリーン領域の新規事業共創支援を行い、環境分野の新規事業共創のエコシステムの中核を担うプレイヤーとなるとともにグリーン領域における事業インパクトの最大化を目指してまいります。
■新規事業共創パートナーとの連携強化
今回の資金調達を通じて、技術開発および事業開発の組織体制強化を行うとともに、資本提携ベースでの新規事業共創パートナーとの連携の強化を進めることを計画しています。2025年度初めには、事業会社、CVCを中心に、プレシリーズAラウンドの資金調達も予定しています。また、シンガポール、インドネシア、マレーシア、ベトナム、米国、ブラジル等における政府、企業との連携を強化し、グローバルでの早期の事業化を目指してまいります。
■資金調達の概要
調達金額:1.5億円
資金使途:研究開発・事業開発体制の強化、海外事業検証
調達方法:J-KISS
引受先:(敬称略、順不同)
・スパークル株式会社
・株式会社basepartners
・TOKYU-CONST Innovation Fund(運営:グローバル・ブレイン株式会社)
・山梨県
・リバネスキャピタル株式会社
■投資家からのコメント
スパークル株式会社 代表取締役 福留 秀基
今回、エンドファイトさんにリード投資家として参画させていただくことを嬉しく思います。風岡さんとはFukushima Tech Create成果発表会にてお会いして以来幾度となくお話させて頂き、基幹技術である「Dark-septate endophyte」(DSE)の革新性はもちろんのこと、DSEを世界に展開する大胆な戦略と熱意に満ちたチームから、まさに「地域から世界へ」を体現する地方大学発ディープテックスタートアップ企業であると確信しております。共に良い日本を作っていきましょう。
株式会社basepartners パートナー 石川 誉
自然の叡智を活用したエンドファイト社の取り組みは、環境との調和を基盤にしながら、農業や食の分野を超え、広範な産業の未来に革新をもたらすものです。このアプローチは、持続可能な社会を目指すために、従来の自然資源の利用方法や環境保全のあり方を抜本的に見直し、未来に向けた具体的な道筋を提示しています。 またエンドファイトチームの挑戦は、グローバルな舞台においてもその意義が高まり、持続可能な社会に向けた新たなモデルを世界に示す役割を担っています。 次世代により豊かな地球を引き継ぐための基盤を築く彼らの取り組みに、大いなる期待を寄せています。
TOKYU-CONST Innovation Fund
イノベーション推進部 オープンイノベーショングループ 濱田 麻衣可
エンドファイト社が世界の食糧危機問題や土壌・森林再生といった環境問題の解決に挑戦し、持続可能な環境を引き継いでいくというビジョンはカーボン「ゼロ」、廃棄物「ゼロ」を目標に持続可能な社会を「建て続けていく」という東急建設の想いに通ずるものがあります。ラボにも訪問させていただきましたが、エンドファイト社の真摯に取り組まれている姿をお目にできたこと、有意義な議論の場を持てたことも追い風となり今回の「TOKYU-CNST Innovation Fund」を通じた出資に至りました。エンドファイト社の今後の飛躍を期待すると同時に、目下検討しております協業の中でお互いに切磋琢磨しあう「パートナー」として課題解決に挑戦できることを嬉しく思っております。頑張ってまいりましょう。
グローバル・ブレイン株式会社 ディレクター 上田 敦史
腸内微生物叢とヒトの健康が密接に結びついているように、土壌や植物の健康も微生物によって支えられています。なかでもエンドファイト社が研究開発を行う土壌微生物DSEは、近年の研究から土壌と森林・植物の相互作用において中心的な役割を果たしていることが明らかとなりつつあります。エンドファイト社は多様な効果を有するDSE菌株の大規模ライブラリーを保有し、すでに10社を超える大企業と植物の栽培方法の開発や緑化・農業資材開発を行うなど、着実に成果を上げている企業です。グローバル・ブレインは、エンドファイト社が今後さらに広い分野において技術を実証化することを期待し、東急建設株式会社とも連携しながらご支援させていただきます。
山梨県
山梨県では、ベンチャーキャピタルと連携体制を構築し、その投資活動と協調してスタートアップの資金調達を支援していくため、令和年度より「資金調達サポート事業」を実施しています。このたび、令和6年度の同事業においてエンドファイト社を採択、同社へ出資させていただくこととなりました。同社については、環境・食・農業分野において高いポテンシャルのある技術を有し、世界市場を捉えるビジネスとなり得ると考えています。果樹王国である本県においても親和性が高い事業を展開していることから、今後、本県における実証実験や事業展開を通じて、山梨モデルとして世界へ羽ばたくことを期待しています。
株式会社リバネスキャピタル 代表取締役社長 池上 昌弘
エンドファイト社は、2023年リバネスが主催するアグリテックグランプリ2023において最優秀賞を受賞、その後スタートアップ向けのASEAN進出アクセラレーションプログラムやリバネス・フォレスト・プロジェクトにも参画し森林再生の課題にも取り組んできました。
私自身、大学在籍中に植物の光合成の研究に携わっていたこともあり、エンドファイト社のビジョンや、食糧生産における課題解決に向けた研究の積み重ねと、そこに心底惚れた代表者の世界を変えるという意気込みに共感し、今回リバネスキャピタルとから出資をするに至りました。
日本のみでなく、世界中の荒廃環境での農業の実現、食糧危機の解消、土壌・森林再生といった環境課題解決に向けて、共に推進していきましょう!
■株式会社エンドファイト 代表取締役 風岡 俊希 コメント
今回ご出資をいただいた投資家の方々、また、事業を支えてくださった提携企業様に心から感謝申し上げます。
農業、森林、緑化分野における研究開発型スタートアップの成功事例は国内外含めて少なく、社会的インパクトが大きい分野でありながら難易度が非常に高い領域であると感じています。一方、農業、森林、緑化それぞれ持続可能な地球環境の実現に重要な領域であり、本分野における継続的なイノベーションが不可欠だと考えています。
エンドファイトは、あらゆる企業と持続的にグリーン領域における事業共創を行うことが可能なエコシステムを構築し、本分野における新たなロールモデルの形成とイノベーションの活性化に貢献し続けていきます。
弊社取り組みにご関心がございましたら、是非一緒にサステナブルな未来を築き上げられれば幸いです。
■株式会社エンドファイトについて
株式会社エンドファイトは、「あらゆる環境における高付加価値な緑化を実現する」をビジョンに掲げた筑波大学・茨城大学発スタートアップです。土壌微生物「DSE」の大規模ライブラリーを用いたあらゆる環境下での高付加価値な緑化の実現と、企業や自治体と連携した新たなグリーン新規事業の共創のエコシステム構築を目指しています。
国内の自治体や企業との連携に加え、ASEAN地域を中心とした海外での実証展開を進めております。
<会社概要>
本社住所:東京都千代田区富士見1-3-11富士見デュープレックスB's4階
ラボ住所:茨城県稲敷郡阿見町中央3-21-1(年内に本店移転予定)
代表者:風岡 俊希
設立年月日:2023年4月13日
ホームページ:https://endo-phyte.com/
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