20代会社員の3人に2人が家族・友人・異性など“周囲の見え方”を重視して就職先を選択、その約40%が3年未満で退職 見栄就活で浮き彫りになる「キャリア視力」の必要性
転職でも「企業知名度や安定性」を重視した人の約75%が、入社後にギャップを実感 一方で「キャリアプランとの一致」が企業選びの「満足度」に影響し、目先の肩書よりも将来のビジョンがキャリアを左右する結果に

光学・精密機器の開発製造を手掛けるカールツァイス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:ヴィンセント・マチュー)は、全国のビジネスパーソン1,000名を対象に「ビジネスパーソンのキャリア形成における満足度に関する調査」を実施いたしました。当社は、カメラ用レンズや顕微鏡などを通して「物を見ること」を追求するだけでなく、コーポレートアイデンティティ「Seeing Beyond」を掲げ、「視る力」、つまりは「本質を見抜き、可能性を広げ、未来を切り拓く力」の重要性を社会に発信しています。
【調査結果サマリ】
①目先の肩書や他者からの評価ではなく、将来のビジョンがキャリアを左右
20代会社員の3人に2人が新卒の企業選びで「家族・友人・異性」など周囲の見え方を重視し、そのうち約40%が3年未満に退職。
②企業選択と入社後モチベーションのギャップ
就職・転職時に重視されるのは「働きやすさ」「待遇・報酬」「企業知名度・安定性・将来性」、
入社後は「達成感ある業務」「成長・キャリアアップ」が上位に浮上し、「企業知名度」は5位に
後退。肩書やブランドはモチベーションに直結せず。
③肩書や企業の知名度が惑わす、入社イメージ
転職時に「企業知名度・安定性・将来性」を重視した人の4人に3人が、入社後にギャップを感じる。ギャップの原因は「ワークライフバランスが想定より悪い」「入社前の説明や面接時の印象と違った」が上位に。
【調査の実施背景】
終身雇用制度が崩壊し、今は転職が当たり前の時代となりました。個人のキャリア形成は多様化し、さらにSNSの普及により他者の成功やライフスタイルが可視化されやすくなりました。これにより、年収や企業のブランドといったステータスが、自己の価値を示す分かりやすい指標となり、他者に提示するための「目先の肩書」を追求する、「キャリアの近視眼化」が強まっています。しかし、その一方で、退職代行の利用増加や、安易な転職によってキャリアの積み上げができないといった新たな問題も顕在化しています。多くのビジネスパーソンが、自己実現のために転職を繰り返しているにもかかわらず、仕事への満足度や長期的なキャリアビジョンを見失うという矛盾に直面しています。
このような社会の潮流を受け、カールツァイスはコーポレートアイデンティティ「Seeing Beyond」(視る力=本質を見抜き、可能性を広げ、未来を切り拓く力)のもと、ビジネスパーソンが「目先の肩書」にとらわれることなく、長期的な視点から自身のキャリアを見つめ直すきっかけを提供したいと考えました。
転職活動をはじめ、キャリア見直しが活発になるこの時期に実施された今回の調査では、ビジネスパーソンがこれまでのキャリア選択を振り返り、長期的なキャリアの幸福度や仕事のやりがいを高めるために必要な「キャリア視力」について考察することを目的としています。
【調査結果】
①目先の肩書や他者からの評価ではなく、将来のビジョンがキャリアを左右
20代会社員の3人に2人が新卒の企業選びで「家族・友人・異性」など周囲の見え方を重視し、そのうち約40%が3年未満に退職。

新卒時の就職活動において、企業選びの際に重視した点を聞いた質問では、48.0%が「家族・親からの評価・期待」、45.4%が「友人や周囲からの評価・印象」、44.4%が「異性から見られた時の企業イメージ」と回答。いずれか1つでも重視した人は65.0%にのぼりました。若手ビジネスパーソンにとって就職先は単なる働く場所ではなく、自身の価値やセンスを示す“ブランド”としての側面を持ち、本心ややりがいに加え他者からの目線も企業選定に大きな影響を与えていることがわかります。

さらに、20代会社員のうち新卒の企業選びを「家族」「友人」「異性」からの見え方で決めた人の39.7%が入社3年未満で退職しており、全体(31.8%)と比べて約10%も早期退職する割合が高いことが明らかになりました。つまり、周囲の評価を重視してキャリアをスタートさせた人は、早期退職に至る傾向があるといえます。

一方で、新卒の企業選びで「将来のキャリアプランに合っている業務内容」を重視した人(55.0%)のうち76.7%が当時の選択に「満足」と回答しました。全体の満足度(59.6%)と比べると約17%高く、明確なキャリア観を持って自身に適した仕事を選んだ人ほど、入社後の満足度も高い傾向が見られます。
これらの結果から、目先の肩書や他者からの評価ではなく、将来のビジョンから逆算してキャリアを築く「キャリア視力」こそが、充実したキャリアを歩むための鍵であることが示唆されました。
②企業選択と入社後モチベーションのギャップ
就職・転職時に重視されるのは「働きやすさ」「待遇・報酬」「企業知名度・安定性・将来性」、
入社後は「達成感ある業務」「成長・キャリアアップ」が上位に浮上し、「企業知名度」は5位に
後退。肩書やブランドはモチベーションに直結せず。

勤めている企業に就職(転職)した時の志望動機について聞いた質問では、「働きやすさ(37.9%)」が最も多く、次いで「待遇・報酬(37.6%)」、「企業知名度・安定性・将来性(25.4%)」と、肩書や外的評価に関わる要素が上位を占めました。
しかし、入社して働き始めると、重視する項目には変化が見られます。現職で働く動機としては「働きやすさ(32.1%)」「待遇・報酬(32.1%)」に続き、「達成感のある業務(18.6%)」、「成長・キャリアアップ(17.1%)」が上位に挙がりました。一方で、入社時に上位だった「企業知名度・安定性・将来性(16.9%)」は5位に下落し、肩書やブランド性は必ずしも仕事のモチベーションに直結していないことが明らかになりました。この結果から、志望動機と入社後のモチベーションは必ずしも一致せず、肩書は仕事の本質ではないことが示されています。
その背景にはSNSの存在が影響していると考えられます。現代社会では、他者の成功やライフスタイルが常に可視化され、「高年収」や「有名企業での勤務」といったステータスが“わかりやすい成功”として捉えられがちです。その結果、入社前のキャリア選択は「自分がどう働きたいか」よりも「誰からどう見られるか」といった外的価値観に左右されやすくなります。こうした状況は「キャリア視力」の問題だと捉えています。キャリア視力が低下すると、SNSで映える肩書や年収ばかりに目を奪われ、自分らしいキャリアの軸を見失いがちですが、逆に視力を高めることで、働きやすさや成長実感といった内的モチベーションに基づいた選択が可能になります。
③肩書や企業の知名度が惑わす、入社イメージ
転職時に「企業知名度・安定性・将来性」を重視した人の4人に3人が、入社後にギャップを感じる。ギャップの原因は「ワークライフバランスが想定より悪い」「入社前の説明や面接時の印象と違った」が上位に。

会社員の転職活動において、転職時に企業を選ぶ際に重視した条件を聞いたところ、「企業知名度・安定性・将来性」を重視する人(34.1%)のうち、76.2%が「入社後に思っていたのと違った」と感じていることが明らかになりました。具体的なギャップの内容としては、1位「ワークライフバランスが想定より悪い(33.7%)」、2位「入社前の説明や面接時の印象と違った(31.8%)」、3位「職場の人間関係・雰囲気がよくない(30.5%)」が挙げられています。この結果は、肩書や知名度を最優先に考えた結果、入社後の働き方や職場環境を具体的にイメージしないまま転職している実態を示しています。

しかし、実際に自身のキャリアビジョンを明確に描けている人はごくわずかです。調査で「自身のキャリアビジョン(今後の働き方・役割・目標など)を明確に描けて」いるかという質問に対して、わずか10.3%の人のみ「具体的に決めている」と回答。このデータからも、多くのビジネスパーソンがキャリアビジョンを明確に描けておらず、「キャリア視力」が不足している現状が浮き彫りになりました。

この結果から、今後のキャリア形成には、他者に示すための目先の肩書だけを追うのではなく、自身の価値観ややりがいに基づいてキャリアを切り開く高い「キャリア視力」 が不可欠であると言えます。
<調査概要>
調査期間:2025年8月22日~8月25日
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国20歳~59歳/ビジネスパーソン男女1,000名
【ZEISSについて】
ZEISSは、1846年にドイツで創業した光学技術を用いた事業を多角的に展開する国際的なリーディングカンパニーです。日本には1911年に設立したカールツァイス株式会社、カールツァイスメディテック株式会社、カールツァイスビジョンジャパン株式会社の3つの法人があります。4つのセグメント(半導体製造技術、産業品質・研究、医療技術、消費者市場)で事業を展開し、売上高100億ユーロを超えるグローバル企業です。工業計測、品質保証、ライフサイエンス、材料研究、眼科、マイクロサージェリーなど、様々な分野で革新的なソリューションを提供しており、世界中で高い評価を得ています。2024年現在、売上高の15%を研究開発に投資しており、約46,000人の従業員、35の生産拠点、60以上の販売・サービス拠点、約40の研究開発施設を擁し、約50カ国で事業を展開しています。また、オーナーであるカールツァイス財団は、科学の振興を目的とするドイツ最大級の財団です。

会社名 |
カールツァイス株式会社 |
所在地 |
(東京本社) 東京都千代田区麹町2丁目10番9号 |
代表取締役 |
ヴィンセント・マチュー |
設立 |
1961年9月30日 |
事業内容 |
半導体製造技術、工業用測定機、顕微鏡、 医療機器、眼鏡レンズ、カメラ・映写機用レンズ、 双眼鏡等の輸入販売およびサービス |
コーポレートサイト |
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オウンドメディア |
「ZEISS PEOPLE 」https://www.people.zeiss.co.jp/ |
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