2025年の金投資、不確実性の高まりで価格急騰により過去最高を更新
- ワールド・ゴールド・カウンシル、2025年の世界の金の需要をまとめた報告書を発表 -
金に関する国際組織であるワールド・ゴールド・カウンシル(本部拠点:英国・ロンドン)は、世界の金の需要動向をまとめた報告書「ゴールド・デマンド・トレンド 2025年通年および第4四半期」を発表しました。報告書によると、2025年の世界の金総需要(※)は、過去最高の5,002トンに達しました。地政学的・経済的な不確実性の継続を背景に金への投資が拡大し、年間の総需要は金額ベースで5,550億米ドルに達しました。第4四半期は記録的な水準となり、好調な一年を締めくくりました。
世界の金投資需要は2,175トンという画期的な水準に達し、金市場が驚異的な記録を更新した主因となりました。世界の投資家が、安全資産と分散投資を求めて金ETFに殺到し、年間で801トンの増加となりました。投資家は金地金も購入しており、世界の地金・金貨需要は1,374トン(金額ベースで1,540億米ドル)に達しました。主要市場である中国(前年比28%増)とインド(同17%増)は大幅な増加を記録し、金地金・金貨需要の50%以上を占めました。日本では、第4四半期に金価格が1グラム当たり2万円を突破すると金投資への関心が一段と高まり、一時は小売業者の金が品薄となる事態も生じました。2025年の金地金・金貨需要は4.0トンで前年同期比52%増となり、2018年以来の最高水準となりました。
中央銀行の金需要は2025年も高水準を維持し、中央銀行による金の購入は年間で863トンとなりました。年間需要は、過去3年間の1,000トン超という水準を下回ったものの、中央銀行による購入は、投資需要と並んで、引き続き世界の金需要を牽引する主要因となりました。
金価格の高騰が続いたことで、世界の金宝飾品需要は年間を通じて軟化し、数量ベースでは2024年比で18%減少し1,542トンとなりました。しかし、金額ベースでは金宝飾品需要は前年比18%増の1,720億米ドルに達し、消費者にとって金の長期的な重要性が依然として高い水準にあることを浮き彫りにしました。日本の金宝飾品需要は、数量ベースでは13.5トンで前年比11%の減少となったものの、金額ベースでは29%増で過去最高の15億米ドルに達しました。
総供給量も過去最高を更新し、鉱山生産量は3,672トン(前年比1%増)に達しました。一方で、金価格の高騰にも関わらずリサイクル金は世界全体では3%弱の小幅増にとどまりました。
ワールド・ゴールド・カウンシル シニア・マーケットアナリスト ルイーズ・ストリート:
「2025年は金需要が急増し、金価格が高騰しました。経済的・地政学的なリスクが新たな常態となった環境下で、消費者も投資家も金を購入し保有しました。投資需要が主役を飾り、投資家はあらゆる手段で金へのアクセスを競いましたが、他のセグメントも補完的な役割を果たしました。宝飾品需要は前年比18%減にとどまり、価格は67%上昇しました。これは高値であっても購入意欲が持続していることを示しています。また、中央銀行も引き続き、金準備高の積み増しに力を入れています」
「経済・地政学的な不安定さが収束する兆しが見えない中、昨年の堅調な金需要の勢いは今年も持続する見込みです。年初1カ月で、金価格は既に1オンス当たり5,000米ドルを初めて突破しました。これは、不確実な時代において、安全資産としての金の役割が改めて浮き彫りになったと言えます」
ワールド・ゴールド・カウンシル 日本代表 兼 機関投資家リレーション責任者 戸田 淳:
「2025年は、不透明な世界経済動向や地政学的リスクの高まりを背景に、安全資産としての金、また分散投資に有効な資産としての金に、世界中の投資家の注目が集まった年となりました。日本では、物価や金利の上昇といった過去30年間で経験したことのない大きな変化の局面を迎えています。2026年、不透明な世界経済動向や地政学的リスクへの懸念が続くとみられるなかで、日本の投資家の皆様の金に対する理解が深まり、より活用いただくために情報提供に努めてまいります」
Metals Focus社提供の包括的データを含む「ゴールド・デマンド・トレンド 2025年通年および第4四半期」報告書(英語)は、こちら からご覧いただけます。
※:金総需要とは、宝飾品製造、技術製品製造、投資、中央銀行による純購入、および「店頭取引(OTC)およびその他市場」(データが入手困難)における需要、商品取引所における在庫変動、製造在庫における観測不能な変動、ならびに統計的残差(総供給と金需要の差)の合計を指します。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)について
ワールド・ゴールド・カウンシルは、戦略的資産として金が果たす役割を広め、責任ある形で、開かれた金のサプライチェーン構築を目指す会員組織です。当社の専門家チームは信頼される調査・分析・コメント・洞察を通して、金の活用事例やその可能性について、さまざまな知見を提供しています。ワールド・ゴールド・カウンシルは、業界の発展を促進し、金に関する政策の形成や業界標準の構築に関わることで、永続的で持続可能な金市場を目指して活動しています。
ワールド・ゴールド・カウンシルについては、X(Twitter)の@goldcouncil およびLinkedInでフォローいただけます。
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