能登地域の古材を次世代へつなぐ、広域ネットワーク組織「能登アップサイクルプラットフォーム」2026年6月1日設立
能登の創造的復興を「アップサイクル」で加速

能登半島で使われなくなった建材や建具の再活用に取り組む金丸商店株式会社(石川県能登町)など7つの企業・団体は、2026年6月1日、震災から2年半の節目に「能登アップサイクルプラットフォーム」を設立いたしました。
本組織は、半島振興法に指定される能登地域13市町の古材や古建具・古道具等を「アップサイクル」の視点で見直し、再活用を促進することで、震災からの創造的復興を推進するための広域ネットワーク組織です。
参画メンバーは、金丸商店株式会社、古材create青組(石川県志賀町)、すず建具バンク(石川県珠洲市)、株式会社中善工務店(石川県津幡町)、一般社団法人のと復耕ラボ(石川県輪島市)、氷見古材ノットワーク(富山県氷見市)、株式会社丹青社(東京都港区)の7団体。今後は本趣旨に賛同する団体の参画を募るとともに、建築・ものづくり分野をはじめとする多様な外部パートナーとの連携を強化し、能登の歴史を次世代へつなぐ情報発信やプロダクトの共創、具体的な活用案件の創出に取り組んで参ります。
【公式サイト】 https://www.noto-upcycle-platform.org/
プラットフォーム設立の背景
2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震では、多くの建築物が被災し、4万棟を超える建物が公費解体の対象となりました。その中には、日本海沿岸の厳しい風雪に耐え、長年にわたり家族や地域コミュニティの暮らしを支えてきた伝統的建築物が数多く含まれています。
復旧の過程でその多くが焼却処分される現状を前に、能登各地の有志によって、解体前の建物から建材や建具を救い出す「古材レスキュー」が展開されてきました。回収された資材は、内装材や家具へと姿を変えて地域内外で活用され、人々の暮らしの記憶を次世代へとつなぐ役割を果たしています。
一方で、これまでは実施団体間の連携が限定的であり、回収・保管・活用に関するノウハウは各組織に個別に蓄積されている状況でした。特に柱や梁(はり)といった、用途が限定されやすい大型材の活用法の開発、および地域や業種を越えた多様なプレーヤーとの協力体制の構築が喫緊の課題となっています。
公費解体が終了し、本格的なまちづくりへと移行する今、能登半島の「創造的復興」を加速させるべく、「アップサイクル」を軸とした広域連携を促進する組織として、本プラットフォームを設立いたしました。

取り組み内容
本プラットフォームは、会員間での情報・ノウハウの共有にとどまらず、建築やものづくりに携わる方々をはじめとする外部パートナーに対し、一元的な情報発信と総合的な窓口機能を提供します。また、会員同士の連携によるプロダクト開発など、能登の資源を次世代へつなぐ具体的な取り組みを推進して参ります。
【本プロジェクトの具体的な取り組み】
(1)会員間の情報およびノウハウの共有
定期的な連携会議を開催し、回収・保管・活用の各段階における知見の共有を行い、各団体の運営のブラッシュアップに貢献します。
(2)対外的な情報発信と問い合わせ窓口
会員の活動情報を集約し、メールマガジンやプレスリリースを通じて広く社会へ発信します。また、外部からの相談や依頼に対しては事務局が一次対応を行い、案件の内容に応じて最適な会員へのマッチング(橋渡し)を行います。
(3)報告会や視察会などのイベント実施
主に建築・デザイン・ものづくりに携わる実務者を対象とした活動報告会や、現地の状況を深く理解するための視察会を開催し、ネットワークの拡大を図ります。
(4)会員や外部パートナーの協働によるプロダクト開発(分科会活動)
特定のテーマに応じた分科会を組成し、古材等のアップサイクル材の利用促進を目的としたプロダクト開発等に取り組みます。多様なプレーヤーの技術と感性を掛け合わせ、新たな価値を創造します。


【本プラットフォームが地域に生み出す価値】
1. アップサイクルを軸とした「関係人口」の創出
能登半島地域は急激な人口減少に直面しており、社会機能の維持や文化の継承において、多様な人材の関わりが不可欠となっています。そこで重要となるのが、移住でも観光でもない、地域と継続的に関わる「関係人口」の存在です。
アップサイクルの活動を通じて生まれた縁が、多様な人の新たな関りに波及することで、住む人と訪れる人の双方が新しい刺激や学びを得られる、創造性豊かな環境が実現できます。
2. 価値を再発見し、古いものを生かす文化の醸成
古材や古建具のリユースは、CO2排出量の削減という環境面での貢献に加え、長い年月が育んだ意匠性(ビンテージ価値)を継承する取り組みでもあります。
人口減少に伴い家屋や家財の整理が加速する日本において、「捨てずに活用する」という選択肢を広く提示することは、持続可能な循環型社会への第一歩となります。本プラットフォームの認知を高め、参画の輪を広げることで、古いものの価値を再評価し、大切に使い継ぐ文化の醸成を目指します。
会員紹介 ※五十音順
本プラットフォームでは、半島振興法により半島振興対策実施地域に指定されている能登地域(石川県河北郡以北の12市町および富山県氷見市の合計13市町)に拠点を持ち、能登の資源を活用したアップサイクル活動を行う企業・団体を「正会員」としています。また、正会員と連携し、能登の資源を活用したアップサイクル活動に取り組む能登地域内外の企業・団体を「パートナー会員」としています。

~温故知新、暮らし受け継ぐ事業に挑戦~
金丸商店株式会社(石川県鳳珠郡能登町 / 事務局)
能登町宇出津地区で大正7年ごろに祖父母が創業した商店を、孫とひ孫が令和7年に株式会社として継承し、解体業や古材レスキューなど7つの事業に挑戦中です。重ねて、仲間と共に暮らす「共暮らし」をテーマに、受け継がれてきた能登半島の財産を物語と共に受け継ぐ事業に挑戦中です。

担当者コメント
石川県解体登録事業者、古物商として解体業に取り組むとともに、「のと古材レスキュープロジェクト」のメンバーとして古材レスキューに取り組んでいます。古材や古道具、それらにまつわる物語は、能登半島の貴重な財産。この財産をアップサイクル事業と共に受け継ぎ未来に受け渡したいです。
(金丸商店株式会社 代表取締役 小川勝則)

~捨てられるモノを創造的に活用~
古材create青組(石川県羽咋郡志賀町)
石川県志賀町富来地区を拠点に「捨てられるモノを創造的に活用する事業」を行っています。震災後に、のと復耕ラボ、丹青社、金丸商店と協働して「のと古材レスキュー」を行ってきました。今後は古材の活用をメインとした活動に移るとともに、古材のショールームを起点に西能登地域の情報発信拠点を整備していきます。

担当者コメント
古い家の解体材をただ廃棄してしまうというのは、能登の文化の消失です。私たちは、活動を通して能登の文化をおもしろいカタチで遺すことに挑戦します。プラットフォームでは、これまで活用の幅が限られていた古材の活用を進めていきたいと考えています。
(古材create青組 代表 江崎青)

~珠洲の景色と思い出の保管庫~
すず建具バンク(石川県珠洲市)
珠洲市を拠点に、能登半島地震で解体されるお家から木製建具をレスキューし記録・整理・保管する「すず建具バンク」。奥能登を中心に再建される住宅 / 集会所 / 店舗などで再活用頂くことで復興へ繋げています。持ち主さんの思いと共にこの町の小さな物語を記録して手渡し、その営みの循環を再構築するプロジェクトです。

担当者コメント
震災で一変してしまった景色。能登の美しい景色を支えたその文化と営みの一端を担いたい。この町の全ては困難でも、収集させていただいた方々の営みだけでも肯定したい。この町にいて良かったと、このお家に住んでいて良かったと、そう思ってもらえるように。(すず建具バンク 共同代表 新谷健太・山岸綾)

~ものづくりと自然を楽しむ複合施設「もくぞうこ」を運営~
株式会社中善工務店(石川県河北郡津幡町)
石川県津幡町の山あいに佇む「もくぞうこ」は、木材倉庫を再生した、ものづくりと自然を楽しむ複合施設です。古材や建具をレスキューし、新たな価値を提案するギャラリーやカフェ、県内唯一のMTBパークを併設。中善工務店が運営し、遊びや創作を通じて、これからの豊かな暮らしを共につくっていく場所です。

担当者コメント
木造建築に携わる中で建替え時に捨てられる価値ある古材を循環させたいという想いから「もくぞうこ」を設立しました。志を共にする仲間と連携し、単なるリサイクルに留まらない、ものを大切にする新しい文化をこの場所から共に育んでいきたいと考えています。
(株式会社中善工務店代表取締役 中川善行)

~里山の暮らしを耕す~
一般社団法人のと復耕ラボ(石川県輪島市)
「能登半島の里山の『暮らしを耕す』ことを通して、地域内外の人との関係を深め、持続可能で豊かな地域づくりに寄与する」ことを目指して設立された団体です。事業の一つとして、「のと古材レスキュープロジェクト」を2024年5月より実施。多くの方の協力を得て、約90軒の家屋や寺院などから古材・古道具のレスキューを行いました。

担当者コメント
公費解体の終了に伴い復耕ラボとしてのレスキュー活動は終了、今後はレスキューした古材を次の方に繋げることがメインに展開します。連携してアップサイクルを行うことで被災された方の気持ちを少しでも救い、能登のDNAを持った空間を増やしていければと思っています。(一般社団法人のと復耕ラボ 代表理事 山本亮)

~古材×中心市街地の復興まちづくり~
氷見古材ノットワーク(富山県氷見市)
氷見古材ノットワークは、富山県氷見市で被災した家屋から再利用可能な材を取り出し、次の担い手につなげていく活動をする団体です。結び目=Knot(ノット)と能登(のと)を掛け、人や古材の結び目をつくっていく組織として名付けました。資源循環型の復興プロセスの構築を目指し、市民・事業者・学生が連携して活動しています。

担当者コメント
建物や街並みを設計の視点から捉えるだけでなく、震災や解体の現場を通して、あらためて材料や伝統技術の価値を再認識することができました。今後も古材レスキューや活用を通じ、被災された方々の記憶や建物の歴史を継承していきたいと思っています。
(氷見市中央町地域おこし協力隊/西大井のあな一級建築士事務所スタッフ 国本春樹)

~企業として地域の内外をつなぐ架け橋となる~
株式会社丹青社(東京都港区 / パートナー会員 / 事務局補助)
総合ディスプレイ業として全国で商業施設・文化施設などの空間づくりを行っています。2024年5月に(一社)のと復耕ラボと「のと古材レスキュープロジェクト」を開始。事務局運営と広報面・活用面でプロジェクト推進を担当してきました。また、自社オフィスの会議スペースに能登の古材を活用したテーブルを製作し、使用しています。

担当者コメント
これまで古材レスキュープロジェクトを介して多様な方々と協働してきました。生まれたご縁そのものが価値だと感じています。全国にネットワークを持つ当社の立場を活かし、今後も社会にインパクトを残せるよう活動を発展させていければと思います。
(株式会社丹青社 サステナビリティプロジェクト部 大竹悠介)
WEB: https://www.tanseisha.co.jp/
参考資料:丹青社オフィスでの古材活用事例(WEBメディア『場と人』) https://batohito.tanseisha.co.jp/sustainability/sustainable-office-case/
今後の展開
能登アップサイクルプラットフォームでは、アップサイクルを軸とした新たな繋がりづくりのために、広報活動や交流活動を行っていきます。
夏の現地視察会2026

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日程 |
2026年8月22日土曜日 |
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視察先 |
のと復耕ラボ古材倉庫(石川県輪島市)ほか |
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内容 |
能登アップサイクルプラットフォームでは、会員が互いの実践地域を訪れる「現地視察会」を定期的に開催して参ります。視察会には会員団体関係者のほか、古材や古道具などのアップサイクルに関心をお持ちの皆様にご参加をいただける参加枠を設けます。 アップサイクルに取り組む現地メンバーと交流いただき、能登半島や古材の魅力を体感いただければ幸いです。 |
※詳細は決定次第、メールマガジンおよび公式WEBサイトにてお知らせいたします。

団体概要
団体名: 能登アップサイクルプラットフォーム
設立日: 2026年6月1日
事務局: 石川県鳳珠郡能登町字宇出津へ29番地1(金丸商店株式会社内)
公式サイト: https://www.noto-upcycle-platform.org/
事業内容:
・情報共有: 能登地域におけるアップサイクル活動の知見・ノウハウの共有
・広報活動: 地域内外へ向けた協働広報および情報発信
・窓口業務: アップサイクルに関する問い合わせの一次対応
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