事業戦略と人事のつながりは市場と業種でどう違うか―市場別・業種別に見 た「事業戦略人事連動スコア」の分布。中央値はプライム28.4点・スタンダード22.5点・グロース21.6点
「事業戦略と人事の整合性調査2026」第3弾。東証3市場3,684社の分布を市場別・業種別に分け直し、市場ごとの早見表を初めて公表。自社の位置は無料で確かめられる
組織人事総合研究所株式会社(OPRI、本社: 大阪府大阪市、代表取締役: 中北順也)は、「事業戦略×人事」—事業戦略と人事の接続—を専門とする調査・コンサルティング会社として、「事業戦略と人事の整合性調査2026」の第3弾を公表します。
自社の事業戦略と人事のつながりは、同じ市場・同じ業種の会社の中でどこにあるのか。この問いに答えるため、東京証券取引所プライム・スタンダード・グロース市場に上場する国内企業3,684社(各社の直近の有価証券報告書・2026年7月時点)の「事業戦略人事連動スコア」の分布を、市場別・業種別に分け直しました。
中央値は100点換算で、プライム28.4点、スタンダード22.5点、グロース21.6点です。自社がこの分布のどこにいるかは、証券コードと会社のメールアドレスで無料で確かめられます( https://opri.co.jp/check ・詳しくは末尾)。
背景
レポート第2弾(2026年9月出版)では、3,684社の事業戦略と人事のつながりの点数(事業戦略人事連動スコア)の分布を示しました。
公表後、読者から最も多く寄せられた問いは「同じようなステージの、同じような業種の会社と比べたい」でした。
3,684社全体の分布では、プライム市場の会社がグロース市場の会社と、金融業の会社が製造業の会社と、同じ物差しの上に並んでしまいます。
市場別に分けるのは、会社が向き合う相手が市場で違うからです。
東京証券取引所は、プライム市場を「高い流動性とガバナンス水準を備え、グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場」、スタンダード市場を「公開された市場における投資対象として十分な流動性とガバナンス水準を備えた企業向けの市場」、グロース市場を「高い成長可能性を有する企業向けの市場」と位置づけています。
一方で、有価証券報告書に人的資本を書く決まりは市場を問わず同じです。内閣官房・金融庁・経済産業省の『人的資本可視化指針(改訂版)』は、経営戦略と人材戦略の連動を一貫したストーリーとして論理的に説明することが重要としています。
業種別に分けるのは、人の採り方・育て方・報い方が業種で大きく違うからです。東京証券取引所の業種分類を、8つの業種区分にまとめて集計しました。
出典: 東京証券取引所「今後の取組みについて」(市場区分の見直しに関するフォローアップ会議 資料4・2026年2月18日)/内閣官房・金融庁・経済産業省「人的資本可視化指針(改訂版)」2026年3月23日、p.1・p.9・p.15
主な発見
1. 市場別の中央値はプライム28.4点、スタンダード22.5点、グロース21.6点。「上位何%か」は市場ごとに読む
東証3市場3,684社の内訳は、プライム1,544社、スタンダード1,557社、グロース583社です。
本調査では、市場ごとに「何点あれば上位何%に入るか」を示す早見表を初めて公表しました。たとえば上位25%に入る点数は、プライム34.3点、スタンダード28.4点、グロース28.4点です。
スタンダードとグロースの上位25%の線は、プライムの中央値(28.4点)と同じです。プライムの真ん中にいる会社と、スタンダード・グロースの上位4分の1にいる会社は同じ点数です。上位何%かはその市場の中での位置で、市場をまたいで同じ意味を持ちません。

2. 業種区分の間の中央値の開きは最大6.9点。同じ業種の中の幅の方が大きい
社数の少ない区分(資源・農林17社)を除く7つの業種区分で、中央値は23.5点から30.4点の間にあり、開きは6.9点でした。最も高いのは金融(168社・30.4点)、最も低いのは情報・通信(592社)と建設・不動産(268社)で、いずれも23.5点です。
ただし、金融(168社中119社)と運輸・エネルギー(131社中74社)はプライム市場の会社の比率が高く、業種の差には市場の差が混ざっています。情報・通信は592社中236社がグロース市場の会社で、プライムの中だけで見ると27.5点です。これはプライム全体の28.4点とほぼ同じです。どの区分も、上位75%の点から上位25%の点までの幅が10〜14点あり、区分の間の開き(6.9点)を上回ります。

3. 市場の差は、有価証券報告書の長さの差と大きく重なる
プライムの平均は28.6点、スタンダード・グロース計平均は22.8点で、差は5.8点です。プライムの有価証券報告書は文字数の中央値がおよそ4万5千字で、スタンダード(約2万3千字)・グロース(約2万6千字)の2倍近くあります。各社の文字数を同じ長さにそろえて比べ直すと、差は5.8点から0.9点まで縮みました。重なっている部分を除くと、市場の差のほとんどは報告書の長さの差と重なっています。
長さが見かけの原因なら、つながりの実態は市場で変わりません。長さが途中の経路なら、問われるから書き、書くうちに事業戦略と人事のつながりも書き込まれていきます。
今の数字ではどちらとも決められません。言えるのは「プライムの方が、有価証券報告書の上で事業戦略と人事のつながりが厚く書かれている」までです。

経営への含意
これまでは3,684社全体の中での位置しか分かりませんでした。これからは同じ市場・同じ業種の会社と並べて見ることができます。投資家や採用候補者もこの物差しで会社を見るようになります。
そのとき、「プライムだから大丈夫」「グロースだから低くても仕方がない」「うちの業種はこんなもの」という見方は、数字の上では成り立ちません。点数の差は、市場や業種の間よりも同じ市場・同じ業種の中の方が大きいからです。点数を分けているのは所属する市場や業種よりも会社ごとの違いです。
いまプライムの点が高めに出ているのは、投資家から多くを問われ報告書を厚く書いているためだと私たちは見ています。ただ、人的資本を有価証券報告書に書かなければならない、というルールはどの市場も同じなので、この差はこれから小さくなっていく—これは私たちの仮説です。
そうなったときに残るのは、事業戦略と人事を実際に結んでいるかどうかの違いだけです。その違いは、「戦略に沿って人を採り、育てている会社かどうか」が投資家や求職者に伝わるかどうか、つまり採用市場・資本市場への説明力の違いとして、経営に返ってきます。
本調査の限界
本調査が読んでいるのは開示であり、実態そのものではありません。記述がないことは、取り組みがないことを意味しません。第3弾では次の3点が加わります。
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上位何%かは、その市場の中での位置で、市場をまたいでは比べられません。
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8つの業種区分の中には、人の採り方・育て方が異なる事業が含まれます。社数が30社に満たない区分・セルは示していません。
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文字数の数え方は市場で完全には同じではありません(プライムは図表として貼られた内容を文字に起こした分を含みます)。そろえた後に残った差の値そのものは、精密な数字ではありません。
代表コメント(代表取締役 中北順也)
第2弾を出したあと、いちばん多く聞かれたのは『うちはどこにいるのか』でした。3,684社全体の分布ではその問いに答えられません。プライムの28.4点とグロースの21.6点は、同じ意味を持たないからです。
今回、市場別・業種別の物差しを示しました。分かったのは市場や業種の間の差よりも、同じ市場・同じ業種の中の差の方が大きいということです。プライムだから安心でも、グロースだから仕方がないのでもありません。
事業戦略の一文と人事の一文を、自社の有価証券報告書から抜き出して並べてみてください。並べられない領域が、事業戦略から導かれていない人事施策の在り処です。私たちは分布を公表し、位置は各社が確かめられるようなサービスもスタートしました。
レポートの入手
本編PDFは下記より無料でご覧いただけます。事前の登録は不要です。
自社の位置を無料で確かめられるサービス
自社が東証3市場3,684社の中のどこにいるかは、無料で確かめられます。証券コードと会社のメールアドレスをいただければ、3,684社の中の位置(上位何%か・10%刻み)を会社のメールアドレス宛てにお送りします。点数と領域ごとの判定は含みません。
引用条件・会社概要
本リリースおよびレポートの図表・数値は、出典として「組織人事総合研究所(OPRI)『事業戦略と人事の整合性調査2026 第3弾』」と明記(Webの場合は https://opri.co.jp/report/003 へのリンク付き)いただければ、転載自由です。事前の許諾は不要です。個社の点数は公表していません。
組織人事総合研究所株式会社(OPRI、本社: 大阪府大阪市、代表取締役: 中北順也)は、「事業戦略×人事」—事業戦略と人事の接続—を専門とする調査・コンサルティング会社です。東証3市場3,684社の有価証券報告書を全数で読む年次調査と、事業戦略と人事の整合性診断・検証・設計を提供しています。 https://opri.co.jp/
調査概要
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調査名:事業戦略と人事の整合性調査2026 第3弾(組織人事総合研究所(OPRI)調べ)
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対象:東京証券取引所プライム・スタンダード・グロース市場に上場する国内企業3,684社(各社の直近の有価証券報告書・2026年7月時点・EDINET)
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市場区分・業種分類:東京証券取引所「東証上場銘柄一覧」(2026年6月末時点)。業種は8つの業種区分にまとめて集計
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方法:第2弾で公表した事業戦略人事連動スコア(人事の仕組み17領域・100点換算)の分布を、市場別・業種別に分け直した。新しい採点はしていない
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発行=2026年10月
本リリースに関するお問い合わせ
報道関係者の方: 組織人事総合研究所株式会社 広報担当 メール: info@opri.co.jp
取材、コメント、図表・データ提供のご依頼に対応します。
一般のお問い合わせ: お問い合わせページ( https://opri.co.jp/contact )
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