新しい夏季海岸利用に向けて 2020
日本ライフセービング協会が考える新しい夏季海岸利用「水辺の安全教育」「事故防止」「海岸のソーシャルディスタンス」
私たちの生活にとって海は身近な存在であり、古くから多くの恩恵をうけながら生活や文化を構築してきました。そして、今日においても、海は子どもたちをはじめ多くの人々にとって様々な学びや経験を与えてくれ、心身の健康維持に欠かせないすばらしい場所です。しかし、2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により、各地で海水浴場の開設中止が発表され、海辺の親しみ方に大きな変化を迎えようとしています。公益財団法人日本ライフセービング協会では、これまでの独自調査分析をもとに、夏季海岸利用に向けた新しい考え方、水辺の安全教育、事故防止についてまとめました。そして多くの人が海を安全に楽しむために、潜在リスクへの対処を進めてまいります。また、学校教育現場や家庭でWater Safetyを学べるe-ラーニングの期間限定一般公開や、パソコンやタブレット端末で利用できるe-Lifesavingもスタートしました。国民のみなさんが、Water Safetyのノウハウを身につけ、全国のライフセーバーとともに、笑顔あふれる水辺の未来を創造してくださることを願います。
〜はじめに〜
公益財団法人日本ライフセービング協会(東京都港区浜松町2-1-18)は、これまで水辺の事故防止の基盤となる監視救助活動や安全教育に取り組んできました。そして、全国の海水浴場では、毎年、延べ4.4万人のライフセーバーが総利用者数1,100万人の皆様の事故防止に努めるとともに、心肺蘇生が必要な溺水事故への対応20~30件、救助2,000~3,000件、応急手当15,000~25,000件を行ってきました。(全国約200ヶ所における近年平均値)
海水浴場の開設中止に伴う新たな夏季海岸利用をむかえるにあたって、多くの人が海を安全に楽しむために、これらの潜在リスクへ対処しなければなりません。
新しい夏季海岸利用にむけて JLAアクション #1
2020年の学校や家庭における「水辺の安全教育」と「事故防止」
〜現状理解〜
新型コロナウイルス感染症の影響により休校が続いたため、各学校では年度始まりに「健康診断」を実施することができず、児童生徒一人一人の健康状態が把握できていない…等の理由から、水泳授業を中止するという判断を耳にします。また、更衣やプールの感染症対策をしっかりと講じながらの授業運営になるため※1、子どもたちが水に親しむ時間の縮小は避けられないと考えています。
さらには2020年、夏の海水浴場の開設中止が各地で発表され、水との親しみ方に大きな変化が生じています。
※1) https://www.mext.go.jp/sports/content/20200522-spt_sseisaku01-000007434-1.pdf
(今年度における学校の水泳授業の取扱いについて、スポーツ庁政策課学校体育室 令和2年5月22日
~今こそ、水辺の安全教育に焦点を~
今年度は小学校の新しい学習指導要領が全面実施されます。「水泳領域」では高学年に「安全確保につながる運動」が新設されたことは、命を守る行動(SWIM&SURVIVE)を学校で具体的に学ぶという大きな転換を意味します。日本ライフセービング協会は、夏休みを前に控えた子ども達に対し、水辺の楽しさや安全に関する学びに焦点を絞ることが重要と考えています。
「海水浴場における年齢別の救助人数」です。20歳から24歳が一番多いですが、小学生の年齢期から非常に増える傾向があります。水に慣れてきた頃からは、大人による十分な注意が必要になります。
「海水浴場における水難事故の要因」です。自然環境下におけるリスクとなる要因を正しく理解することが、事故防止の第一歩です。
~水辺に向かう前に~
子どもたちの授業時間の不足や、長期の休校による体力や筋力、判断力の低下、精神的なストレスからの解放感が招く行動等を理解した上で、水辺での活動リスクをしっかりと考える必要があります。
いつもと違う夏がやってきます。これを重要な機会と捉え、水辺を安全に楽しむために私たちライフセーバーが常に心掛けていることをみなさまにお伝えします。それは事故が起きてからの行動ではありません。事故を未然に防ぐための心構えや準備です。海に限らず、すべての水辺に当てはめ、考える指標にしてください。
① 必ずその日の気象状況と風や波の情報を調べましょう。
② 浮く物やライフジャケット、簡易的な応急手当ができる準備をしましょう。
③ 長時間の移動等で疲労がある場合は、到着直後の入水は控え、休養をとってからにしましょう。
④ 地震や津波に備えて避難経路や津波避難タワーなどを確認しましょう。
⑤ 体調管理と水分補給を心掛け、すぐに日陰で休める場所を確保しましょう。
⑥ 入水前に、海の観察をおこない、家族や仲間で安全に関する約束事を決めましょう。
⑦ 波の高さや水深、沖への流れなどを確認しながら入水し、足のつく範囲で遊ぶようにしましょう。
⑧ アルコール飲料を飲んでからの入水は絶対にやめましょう。
⑨ 遊んでいる時も風や波、潮流の状況を気にかけましょう。もしフロートなどが沖に流された場合、泳いで追いかけてはいけません。
⑩ 一人一人がライフセーバーです。「Keep Watch」を忘れないでください(子どもから目を離さない)。
~具体的な学びを深めていただくために5つのご紹介~
1.eラーニング ウォーターセーフティ
日本ライフセービング協会はウォーターセーフティプログラムの講習会内容(学科)のeラーニングをどなたでもご視聴できるように8月31日まで一般公開致します。テキストは「ウォーターセーフティ教本 大修館書店」を利用しています。(主に中学生以上、親子、学校教諭向け)
■ウォーターセーフティ講習会① JLA ウォーターセーフティの目的とライフセービング
https://youtu.be/XK8LpTcjCUs
■ウォーターセーフティ講習会② 第 1 章ウォーターセーフティの意義~第 3 章ウォーターセーフティ
プログラムの実際
https://youtu.be/9kiGn-EsMRw
■ウォーターセーフティ講習会③ 第 4 章 安全管理
https://youtu.be/jvTsrYwxbHM
2.e-Lifesaving ~Swim&Survive~(e-ライフセービング)
学校に限らず、ご家庭でも楽しみながら「水辺の安全」を学び合うことができるICT教材です。是非ご活用ください。(主に小学生以上、親子、授業展開向け)
https://elearning.jla-lifesaving.or.jp/
3.海の知識
夏にむけて「海の知識」を日本ライフセービング協会のHPにて、随時UPしてまいります。(主に小学生以上、親子向け)
https://jla-lifesaving.or.jp/column/
4.「stay home with the sea」プロジェクト
日本財団「海と日本プロジェクト」の知恵とネットワークを駆使し、「海」を身近に感じてもらえるよう、自宅にいながら楽しく学べるコンテンツです。(主に小学生以上、親子向け)
https://uminohi.jp/stayhomewiththesea/index.html
≪連携協力≫
5.プール活動・水遊び監視のポイント
今夏は海や川ではなく自宅で…を考えていらっしゃる方にも、ご家庭での水遊び、プール活動の安全確保に役立つ消費者庁からの情報です。(主に保育園、幼稚園教諭、保護者向け)
https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/teaching_material/pdf/teaching_material_200527_0001.pdf
注:こちらは幼稚園の先生向けに監視のポイントや、子どものリスク行動を示している資料です。ご家庭でのプール遊びや、これからの水辺での活動において、安全を確保する上でとても参考になります(日本ライフセービング協会は、消費者庁より消費者安全調査委員会の専門委員の任を受けております)。
〜海岸の社会的距離(ソーシャルディスタンス)〜
海岸利用ができる地域、皆様においては、ぜひ 「海岸の社会的距離(ソーシャルディスタンス)」を保つことを実践してください。海岸利用でも新しい生活様式を取り入れながら、安全に楽しく過ごすことを願っています。
〜さいごに〜
公益財団法⼈⽇本ライフセービング協会では、「新型コロナウイルス感染症危機下におけるライフセーバーの海水浴場等監視救助活動の可否に関するガイドライン」と「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言解除後のライフセーバーの水浴場監視救護活動ガイドライン2020」を策定しています。海⽔浴場の開設は、全国の都道府県、各管轄市町村等より判断がなされているようです。これらのガイドラインは、海⽔浴場等の監視救助活動について、ライフセーバーの観点より活動可否を判断し、また活動する場合の感染予防対策の参考とするものです。今後、情勢に合わせた更新や変更も想定しながら、全国の都道府県ライフセービング協会、加盟クラブ、認定ライフセーバーはこれらのガイドラインを参考に、関係各所と協議し、監視救助活動の可否を判断し、活動する際は利⽤者とライフセーバーの感染防⽌に努めます。
水辺の事故ゼロをめざして
全国のライフセーバーとともに
公益財団法人日本ライフセービング協会(東京都港区浜松町2-1-18)は、これまで水辺の事故防止の基盤となる監視救助活動や安全教育に取り組んできました。そして、全国の海水浴場では、毎年、延べ4.4万人のライフセーバーが総利用者数1,100万人の皆様の事故防止に努めるとともに、心肺蘇生が必要な溺水事故への対応20~30件、救助2,000~3,000件、応急手当15,000~25,000件を行ってきました。(全国約200ヶ所における近年平均値)
海水浴場の開設中止に伴う新たな夏季海岸利用をむかえるにあたって、多くの人が海を安全に楽しむために、これらの潜在リスクへ対処しなければなりません。
新しい夏季海岸利用にむけて JLAアクション #1
2020年の学校や家庭における「水辺の安全教育」と「事故防止」
〜現状理解〜
新型コロナウイルス感染症の影響により休校が続いたため、各学校では年度始まりに「健康診断」を実施することができず、児童生徒一人一人の健康状態が把握できていない…等の理由から、水泳授業を中止するという判断を耳にします。また、更衣やプールの感染症対策をしっかりと講じながらの授業運営になるため※1、子どもたちが水に親しむ時間の縮小は避けられないと考えています。
さらには2020年、夏の海水浴場の開設中止が各地で発表され、水との親しみ方に大きな変化が生じています。
※1) https://www.mext.go.jp/sports/content/20200522-spt_sseisaku01-000007434-1.pdf
(今年度における学校の水泳授業の取扱いについて、スポーツ庁政策課学校体育室 令和2年5月22日
~今こそ、水辺の安全教育に焦点を~
今年度は小学校の新しい学習指導要領が全面実施されます。「水泳領域」では高学年に「安全確保につながる運動」が新設されたことは、命を守る行動(SWIM&SURVIVE)を学校で具体的に学ぶという大きな転換を意味します。日本ライフセービング協会は、夏休みを前に控えた子ども達に対し、水辺の楽しさや安全に関する学びに焦点を絞ることが重要と考えています。
子どもの溺水事故の実態です。幼少期から小学校低学年にかけて屋外での溺水事故が増加しています。また小学校高学年から中学生にかけても増加傾向にあります。時期は7月、8月が一番多いです。
「海水浴場における年齢別の救助人数」です。20歳から24歳が一番多いですが、小学生の年齢期から非常に増える傾向があります。水に慣れてきた頃からは、大人による十分な注意が必要になります。
「海水浴場における水難事故の要因」です。自然環境下におけるリスクとなる要因を正しく理解することが、事故防止の第一歩です。
~水辺に向かう前に~
子どもたちの授業時間の不足や、長期の休校による体力や筋力、判断力の低下、精神的なストレスからの解放感が招く行動等を理解した上で、水辺での活動リスクをしっかりと考える必要があります。
いつもと違う夏がやってきます。これを重要な機会と捉え、水辺を安全に楽しむために私たちライフセーバーが常に心掛けていることをみなさまにお伝えします。それは事故が起きてからの行動ではありません。事故を未然に防ぐための心構えや準備です。海に限らず、すべての水辺に当てはめ、考える指標にしてください。
① 必ずその日の気象状況と風や波の情報を調べましょう。
② 浮く物やライフジャケット、簡易的な応急手当ができる準備をしましょう。
③ 長時間の移動等で疲労がある場合は、到着直後の入水は控え、休養をとってからにしましょう。
④ 地震や津波に備えて避難経路や津波避難タワーなどを確認しましょう。
⑤ 体調管理と水分補給を心掛け、すぐに日陰で休める場所を確保しましょう。
⑥ 入水前に、海の観察をおこない、家族や仲間で安全に関する約束事を決めましょう。
⑦ 波の高さや水深、沖への流れなどを確認しながら入水し、足のつく範囲で遊ぶようにしましょう。
⑧ アルコール飲料を飲んでからの入水は絶対にやめましょう。
⑨ 遊んでいる時も風や波、潮流の状況を気にかけましょう。もしフロートなどが沖に流された場合、泳いで追いかけてはいけません。
⑩ 一人一人がライフセーバーです。「Keep Watch」を忘れないでください(子どもから目を離さない)。
~具体的な学びを深めていただくために5つのご紹介~
1.eラーニング ウォーターセーフティ
日本ライフセービング協会はウォーターセーフティプログラムの講習会内容(学科)のeラーニングをどなたでもご視聴できるように8月31日まで一般公開致します。テキストは「ウォーターセーフティ教本 大修館書店」を利用しています。(主に中学生以上、親子、学校教諭向け)
■ウォーターセーフティ講習会① JLA ウォーターセーフティの目的とライフセービング
https://youtu.be/XK8LpTcjCUs
■ウォーターセーフティ講習会② 第 1 章ウォーターセーフティの意義~第 3 章ウォーターセーフティ
プログラムの実際
https://youtu.be/9kiGn-EsMRw
■ウォーターセーフティ講習会③ 第 4 章 安全管理
https://youtu.be/jvTsrYwxbHM
2.e-Lifesaving ~Swim&Survive~(e-ライフセービング)
学校に限らず、ご家庭でも楽しみながら「水辺の安全」を学び合うことができるICT教材です。是非ご活用ください。(主に小学生以上、親子、授業展開向け)
https://elearning.jla-lifesaving.or.jp/
3.海の知識
夏にむけて「海の知識」を日本ライフセービング協会のHPにて、随時UPしてまいります。(主に小学生以上、親子向け)
https://jla-lifesaving.or.jp/column/
4.「stay home with the sea」プロジェクト
日本財団「海と日本プロジェクト」の知恵とネットワークを駆使し、「海」を身近に感じてもらえるよう、自宅にいながら楽しく学べるコンテンツです。(主に小学生以上、親子向け)
https://uminohi.jp/stayhomewiththesea/index.html
≪連携協力≫
5.プール活動・水遊び監視のポイント
今夏は海や川ではなく自宅で…を考えていらっしゃる方にも、ご家庭での水遊び、プール活動の安全確保に役立つ消費者庁からの情報です。(主に保育園、幼稚園教諭、保護者向け)
https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/teaching_material/pdf/teaching_material_200527_0001.pdf
注:こちらは幼稚園の先生向けに監視のポイントや、子どものリスク行動を示している資料です。ご家庭でのプール遊びや、これからの水辺での活動において、安全を確保する上でとても参考になります(日本ライフセービング協会は、消費者庁より消費者安全調査委員会の専門委員の任を受けております)。
〜海岸の社会的距離(ソーシャルディスタンス)〜
海岸利用ができる地域、皆様においては、ぜひ 「海岸の社会的距離(ソーシャルディスタンス)」を保つことを実践してください。海岸利用でも新しい生活様式を取り入れながら、安全に楽しく過ごすことを願っています。
〜さいごに〜
公益財団法⼈⽇本ライフセービング協会では、「新型コロナウイルス感染症危機下におけるライフセーバーの海水浴場等監視救助活動の可否に関するガイドライン」と「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言解除後のライフセーバーの水浴場監視救護活動ガイドライン2020」を策定しています。海⽔浴場の開設は、全国の都道府県、各管轄市町村等より判断がなされているようです。これらのガイドラインは、海⽔浴場等の監視救助活動について、ライフセーバーの観点より活動可否を判断し、また活動する場合の感染予防対策の参考とするものです。今後、情勢に合わせた更新や変更も想定しながら、全国の都道府県ライフセービング協会、加盟クラブ、認定ライフセーバーはこれらのガイドラインを参考に、関係各所と協議し、監視救助活動の可否を判断し、活動する際は利⽤者とライフセーバーの感染防⽌に努めます。
水辺の事故ゼロをめざして
全国のライフセーバーとともに
【ライフセーバーメッセージ】STAND INSIDE THE CIRCLE
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