長州産業とJETが業務提携、畜産環境問題を未然に防止~急速発酵乾燥資源化装置ERSの販売強化~
1. 背景-悪臭など畜産の環境問題に対する住民苦情
畜産農家、農業協同組合、地方自治体など地域の畜産に関わる関係者が共通して抱えるお悩みは、家畜排せつ物に起因する「悪臭」「汚水(地下水汚染)」「害虫」に対する地域住民からの苦情です。農林水産省によると、これら3つの問題は畜産農家に対する苦情内容の約85%を占めています(*1)。また、SDGs(持続可能な開発目標)への社会的な意識の高まりも背景となり、畜産業界にはとりわけ環境課題への取り組みが要求されています。
つまり、環境に配慮した家畜排せつ物の適正処理を実行する体制を整え、特に畜舎や牧場を新設する場合には、処理方法について近隣住民へ丁寧に説明して理解を得ることが、持続可能な事業に必須となります。
(*1)農林水産省,令和2年4月「畜産経営に起因する苦情発生状況」
2.業務提携-住民の理解を得る共同提案
2021年12月、長州産業とJETは山口県酪農農業協同組合(以下「山口県酪」)に、急速発酵乾燥資源化装置システム「ERS」を共同提案したことを契機に、この度の業務提携の運びとなりました。
山口県酪は、2022年から2023年にかけて畜産クラスター事業を活用した乳牛用畜舎の新設を計画し、家畜排せつ物の処理に最適な設備・装置を3年近く探し続けていました。ERSによる環境配慮型の畜産経営の実現には、2回に及ぶ近隣住民向けの新規牧場事業計画説明会においても、多くの期待が寄せられています。
3.技術-含水率調整でユーザビリティに配慮、既存堆肥舎も継続
地域住民が安心できる適切な家畜排せつ物処理方法であっても、装置のユーザーが使いづらければ普及することはありません。ERS導入後も既存の堆肥舎を継続的に使用して固形堆肥を作りたいという山口県酪のご希望に応え、従来の乾燥堆肥(含水率20~60%)とは異なる液体肥料(含水率80%程度、以下「ERS液肥」)を成果物として、既存の堆肥舎でおが粉と今までの堆肥とを混ぜ合わせることで固形堆肥を生成します。これにより、発酵期間の短縮、温室効果ガスの抑制、汚水や悪臭の発生抑制に繋がり、ユーザーの環境やニーズに合わせた使い方が可能である点が評価されました。
4.ERS導入事例
400頭の乳牛を飼養する株式会社リオグランデ(静岡県富士宮市)は、富士宮市や富士開拓農業協同組合と連携し、畜産クラスター事業を活用して2020年4月にERSを導入しました。これにより家畜排せつ物による悪臭・汚水問題の解決と増頭および再生敷料の生成・活用を共に実現することができました。
事例写真:再生敷料を使用しているところ(株式会社リオグランデ)
5.今後の展望
北海道から九州まで支店や営業所を有する長州産業との業務提携により、JETはメンテナンス体制を確保し日本全国に販売エリアを拡張することができました。今後も畜産業界の持続的な発展のため、住環境に悪影響を及ぼさない畜産経営、環境に負荷のかからない糞尿処理、敷料再生による再資源化の促進などを実現するERSの普及に努めてまいります。
6.関連プレスリリース
2021年12月29日
肉牛・乳牛農家に糞尿の堆肥化装置の導入決定、
【畜産クラスター補助金】と【法人税特別税制措置】を活用
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000085654.html
2021年12月28日
【畜産業界が注目】急速発酵乾燥資源化装置ERSに新・特許技術導入
~1台で「日常時の家畜糞尿処理」「感染症発生時の死畜処理」共に堆肥化可能に~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000085654.html
2021年10月13日
肉牛糞尿の高速資源化で、おが粉購入費42%削減を達成
~敷料再生装置の稼働後1年経過、畜産農家の効率経営を支援強化~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000085654.html
7.長州産業株式会社
所在地: 山口県山陽小野田市新山野井3740
代表者: 岡本 晋
設立: 昭和55年10月
事業内容: 太陽光発電システム、環境機器の製造・販売
資本金: 410,000,000円
Webサイト: https://choshu.co.jp/
8.株式会社JET
所在地: 東京都千代田区一番町19 全国農業共済会館
(下関支社)
山口県下関市豊前田町3丁目3-1 国際貿易ビル706号
代表者: 名塚 元臣
設立: 平成25年8月
事業内容: 急速土着菌増殖乾燥システムに関する以下の事業
■開発・製造・販売・輸出入・管理
■適用・導入に関するコンサルティング
■原料の輸出入
資本金: 50,000,000円
Webサイト: https://jet-e.jp/
9.お問い合わせ先
株式会社JET
〒102-0082 東京都千代田区一番町19 全国農業共済会館
管理部 広報担当:松本
TEL:03-5214-4395 e-mail:info@jet-e.jp
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