伝統技術と地球環境を次世代に繋げていくためのプロジェクト「加賀友禅」とアップサイクル紙糸「TSUMUGI」がコラボレーションした「アップサイクル加賀友禅手ぬぐい」を12月8日(金)より販売開始
~加賀友禅作家監修のもと京都精華大学芸術学部の学生がデザイン~
“加賀友禅” 伝統の技と地球環境を、次世代に繋げていくためのコラボレーションプロジェクト
加賀友禅の歴史は約500年前、現在の石川県・金沢独自の染色技法「梅染」にさかのぼります。17世紀中頃には加賀御国染と呼ばれる繊細な模様染が確立。江戸元禄時代に京都で人気を博した扇絵師「宮崎友禅斎」のデザインと融合し加賀友禅の基礎が出来上がりました。最盛期には350人を超える作家がいましたが、現在は後継者不足など、縮小の一途にあり、これまで培われてきた守るべき技術を次世代に継承していくことは喫緊の課題でもあります。
こうした中、一般社団法人アップサイクルに参画している「ネスレ日本」や「神戸市」らが推進する使用後の紙資源や未利用の間伐材から紙糸を制作するプロジェクト「TSUMUGI」と、同じく参画団体であり「加賀友禅」を三代にわたり手掛けてきた「毎田染画工芸」がコラボレーションし、江戸時代に大成した加賀友禅の技術と地球環境を次世代まで持続可能なものにするプロジェクトが発足しました。
次世代を担う学生たちにより「現代の友禅」を制作
2023年6月から「毎田染画工芸」の友禅作家である毎田仁嗣・監修のもと、次世代を担う「京都精華大学」の学生がデザインと友禅染により原画を制作し、日本古来より必需品として活用されてきた“手ぬぐい”を制作するプロジェクトが発足しました。
加賀友禅は、「加賀五彩」と呼ばれる藍・臙脂・黄土・草・古代紫を基調とした色合いや、写実的に描かれる草花をモチーフとした絵画調の模様が特徴です。さらに、葉が虫に食われた様子を描き込む「虫喰い」、図柄に立体感を生み出す「先ぼかし」などの技法が使われます。仕上げに金箔や絞り、刺繍などの加飾をほとんどなく用いないことは京友禅と異なる特徴で、繊細な染技法のみで自然美を描き出します。このような現在の「友禅染」の技法を駆使し、デザイン、染色を行っております。加賀友禅らしい落ち着きのある写実的な草花模様の他、若い世代の感性で現代風にアレンジした作品も注目です。
京都精華大学の学生が友禅の伝統的な技法を踏まえながらも環境や共生をテーマに独自の視点でデザインを制作、スーパーやオフィスから回収した紙資源や未利用の間伐材を活用する「TSUMUGI」とコラボレーションすることで現代の課題にアプローチするプロジェクトでもあります。
<制作過程の様子(毎田染画工芸にて)>
商品概要
商品名:アップサイクル加賀友禅手ぬぐい
サイズ:縦90cm×横32cm
販売価格:2990円(税込)
原産国:日本
・デザインとコンセプト
題名:輪廻転生
作家:菊池優惟子
テーマ:廃棄される紙資源や間伐材を活用し、制作される紙糸が主成分「セルロース」を軸に輪廻しているように感じた。そこから「輪廻」をテーマとし、友禅のモチーフによく用いられ、「輪廻転生、再生」の花言葉を持つキク科の植物をデザインに取り入れた。
題名:紙糸で紡ぐ世界
作家:前田乃愛
テーマ:アップサイクルによる豊かな環境により美しくなった生き物、今回では海洋汚染の改善に着目したイメージしました。友禅染めならではの色と糸目の表現を、美しい未来のイメージや、紙糸とリンクさせました。
題名:Cycle of…
作家:亀田ひなた
テーマ:アップサイクルがプラスチックの削減に繋がり、大気・土壌・水質汚染が改善され、様々な生き物が生きやすい、豊かで美しい環境になりますように。
題名:共生
作家:レフマン サディカ
テーマ:自然との共生とジェンダーレスの2つのSDGsを合わせました。
販売場所
<ショップ>
「加賀友禅 毎田染画工芸」
●住所 石川県金沢市本多町3-9-19
●時間10:00~17:00 不定休
「クラフト & テロワージュ」
●住所 東京都文京区春日1-2-3 メトロ・エム後楽園 2階
東京メトロ 丸ノ内線/南北線 後楽園駅より徒歩1分
都営三田線 水道橋駅より徒歩5分
●時間 10:00~21:00
<ECサイト>
「TSUMUGI」商品の販売やイベント情報等を発信するほか
新規コラボレーションの問い合わせも受け付けています。
●URL https://tsumugi-upcycle.com/
参考資料
■加賀友禅 毎田染画工芸とは
加賀友禅作家の毎田健治、仁嗣による着物・内装・小物等の制作を行う染色工房です。代表の毎田健治は日本工芸会正会員でもあります。数少ない全工程一貫生産の友禅工房で、繊細な草花模様をベースとした独自の着物デザインを築いています。毎田染画工芸は、伝統工芸を「古いもの」ではなく「現在へ続くファッションの積み重ね」と考え、三代にわたって守り続けてきた伝統の技を用いながら、加賀友禅のエッセンスを洋装、商品パッケージ、建築装飾など、きもの以外のさまざまな創作物に落とし込む挑戦を続けています。
■一般社団法人 アップサイクルについて
一般社団法人アップサイクルは“現代および将来の世代のために持続可能な社会の実現”を掲げ、日清紡グループのニッシントーア・岩尾株式会社、ネスレ日本株式会社、毎田染画工芸をはじめとする30の企業や団体(※)からなる企業連携プラットフォームです。※2023年12月8日時点
団体概要
設立日:2023年2月7日
所在地:大阪市中央区本町3丁目
代表理事:森原 洋 (ニッシントーア・岩尾株式会社 繊維事業本部テキスタイル部長)
理事:嘉納 未來 (ネスレ日本株式会社 執行役員 コーポレートアフェアーズ統括部長)
副理事:上田 俊友 (TOPPAN株式会社 関西トッパンアイデアセンター本部長)
副理事:海保 学 (シーエヌシー株式会社 代表取締役)
事務局長:瀧井 和篤 (ネスレ日本株式会社)
WEBサイト:https://upcycle.or.jp
■プロジェクト「TSUMUGI」について
プロジェクト「TSUMUGI」は、使用後の紙資源や未利用の間伐材を紙糸に生まれ変わらせる取り組みです。紙糸は、天然繊維ならではの柔らかさと、軽量性、吸放湿性が特徴で、まるで自然の中にいるようなやさしい肌触りを感じることができます。これまで、ECサイトと後楽園のカフェ「クラフト & テロワージュ」にて、この紙糸を使用したオリジナルTシャツやトートバッグを販売してまいりました。しっかりとした縫製で、みなさまに長く愛用してもらえるようMade in Japanならではの技術が詰まっています。「TSUMUGI」という名前には、わたしたちと地球や社会・地域コミュニティを紡ぐ象徴として手に取っていただきたいという想いが込められています。
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