日本マーケティング協会「第16回 日本マーケティング大賞」を発表

日本マーケティング大賞グランプリは「北海道ボールパークFビレッジプロジェクト」株式会社 ファイターズ スポーツ&エンターテイメント


 2023年(2023年1月~2023年12月)の、優れたマーケティング活動を表彰する「日本マーケティング大賞」選考委員会(選考委員長 戸辺 久之 株式会社朝日新聞 執行役員メディア事業担当兼メディア事業本部長)は、第16回日本マーケティング大賞に、推薦プロジェクト総数110件の中から、「北海道ボールパークFビレッジプロジェクト」をグランプリに選出、奨励賞5件、地域賞3件を選びましたので発表いたします。

1.日本マーケティング大賞 グランプリ 1件

テーマ

企業名・団体名

北海道ボールパークFビレッジプロジェクト

株式会社 ファイターズ スポーツ&エンターテイメント


2.日本マーケティング大賞 奨励賞 5件

テーマ

企業名・団体名

守るのは、頭と地球。 HOTAMET

甲子化学工業株式会社

猿払村

株式会社TBWA HAKUHODO

冷凍餃子フライパンチャレンジ

味の素冷凍食品株式会社
株式会社本田事務所

コンビニジム「chocoZAP」

RIZAP株式会社

共創する自動車保険「&e(アンディー)」

イーデザイン損害保険株式会社

子育て応援プロジェクト

生活協同組合コープさっぽろ


4.日本マーケティング大賞 地域賞 3件

地域

テーマ

企業名・団体名

関西地区

閉鎖水槽を“ショーウィンドウ”として

メディアに「サンゴショーウィンドウ」

株式会社 海遊館

九州地区

福岡市屋台基本条例制定 10 周年

&長浜屋台街復活!プロモーション

LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社

株式会社九州博報堂

北海道地区

北海道発、おいしいお菓子づくりと

環境再生型農業で北海道の未来を創造

北海道コンフェクトグループ株式会社



(資料1)

「第16回 日本マーケティング大賞」発表資料 (推薦プロジェクト数 110件)

『日本マーケティング大賞』は、企業・自治体・団体等の組織における新しいマーケティングやコミュニケーションの手法、もしくはビジネスモデルの開発を積極的に促すことで、消費者の生活の向上と経済・社会の活性化に資する活動を奨励し、マーケティングのプレステージを高めることを目的として2007年に発表、第1回は2009年より実施されました。

 第16回目となる本年は、社会問題解決やSDGs(持続可能な開発目標)にマーケティングの役割が拡大している中、厳選な審査の中から上記が選出されました。


●日本マーケティング大賞 グランプリ (副賞 30万円)
選考基準:総合的に周到なマーケティング計画のもと、市場へのインパクト、独自性、ブランド定着性など、目覚ましい成果を上げたプロジェクトを選考委員会で選定。

北海道ボールパークFビレッジプロジェクト
(株式会社 ファイターズ スポーツ&エンターテイメント)
プロ野球球団「北海道日本ハムファイターズ」は、当時既存球場の利用について多くの課題を抱えていたが、自前の球場を保有することで、球団経営を効率化するとともに、スポーツを超えた新ビジネスへの拡張までを見据え、(株)日本ハム・(株)電通と共に新会社を設立。これまでの野球場づくりの常識を超えた、まったく新しい、新球場を核としたまちづくり事業を推進するべく「北海道ボールパークプロジェクト」を立ち上げた。
同プロジェクトは、「世界に誇れるスポーツを起点とした新しい街づくり」をパーパスに設定。構想発表時にVision Movieや新聞広告を通じて「これは単なる球場づくりではなく、新しい街づくりを世界に先駆けて挑戦するプロジェクトである」と宣言し、目指すゴールを明確にして推進。
加えて、どのような球場をつくっていくのか、どのような街づくりを考えているのか、その「未来設計図」を生活者視点で策定。その内容をFuture Vision Book にまとめ、パートナーをはじめとするステークホルダーへ共有することで、「共同創造空間」への参画を促した。
開業前後では、効率的な認知獲得を狙う「リーチマックス」ではなく、プロジェクトに関わるパートナーの熱い思いを伝達。熱量をも可視化し、最大化させる「ヒートマックス」手法を導入した。
こうした活動を通じ150社以上のパートナーがプロジェクトに参画することとなり、2023年3月の開業後に年間来場者数は約340万人を記録(北海道外から約30%を動員)。開業後10年間の経済効果は8,400億円と試算され、大きな経済的な成果を得ることに成功した。
日本国内では、今後100件以上のスタジアム・アリーナ構想が動き出す予定である。同プロジェクトは、それらを成功に導く上での先駆的マーケティングモデルとなった。


●日本マーケティング大賞 奨励賞 (副賞 各10万円)
選考基準: 独自性や先行性、社会課題解決性、新しいマーケティングの芽など、規模は小さいながらもキラリと光るマーケティング・プロジェクトを選考委員会で選定。

守るのは、頭と地球。 HOTAMET
 (甲子化学工業株式会社 / 猿払村 / 株式会社TBWA HAKUHODO)
TBWA HAKUHODOは、ホタテの貝殻を廃棄物ではなく、新たな資源に変えることに挑戦。環境配慮型ヘルメット「HOTAMET/ホタメット」を企画・開発した。
ホタテの国内有数の産地である北海道猿払村は、年間4万トンにも及ぶホタテの貝殻ごみの問題を抱えており、地上保管による環境への影響や堆積場所の確保などが地域の社会課題となっていた。
株式会社TBWA HAKUHODOは、甲子化学工業株式会社とともに、廃棄ホタテ貝殻と廃棄プラスチックを組み合わせた新素材を開発。「ホタテ漁師の安全を守るヘルメットをホタテの貝殻から作る」着想から開発に着手。デザインには、素材の一部であるホタテ貝の構造を模倣した、特殊なリブ構造を取り入れた。素材開発から、設計に至るまで、環境への負担が少なく、サステナビリティに配慮したプロダクトになっている。
HOTAMETは、ローンチから2ヶ月で、目標売上に対して1,397%を記録。初年度で、約24トン以上の廃棄貝殻のリサイクルが見込まれている。また、世界中の企業からオファーが殺到しプロジェクトが進行している。2025年大阪・関西万博の運営参加特別プログラムCo-Design Challenge(CDC)にも採用された。

冷凍餃子フライパンチャレンジ
(味の素冷凍食品株式会社/株式会社本田事務所)
味の素冷凍食品の「ギョーザ」は、発売から50年以上の歴史を持ち、発売以降、「永久改良」を重ねて、ロングセラー商品として支持されてきた。
2023年5月、「冷凍餃子がフライパンに張り付いてしまう」と生活者がSNSで投稿。これに対して、同社はSNS上の炎上リスクとはとらえず、生活者の調理環境の実態把握の機会ととらえ、研究・開発のために、フライパンの提供をSNSで呼び掛けた。発信後3日で1000個を超えるフライパンが届き、最終的には3520個集まった。これを機にプロジェクトを立ち上げ、生活者との共創を目的に10月には「冷凍餃子フライパンチャレンジ」プロジェクトサイトを公開し、集まったフライパンのデータを3D画像と共に公開した。さらに、検証状況を継続的に発信し続け、フライパン募集から7ヶ月後には商品のリニューアルにつなげた。
プロジェクトを通じて可視化された、生活者の声に応え徹底的に検証する同社の取り組みが話題化し、ブランドの誠実な姿勢を伝えた。
2020年より同社の戦略PR活動を支援する本田事務所は、全体統括としてプロジェクトに関与し成功に導いた。

コンビニジム「chocoZAP」
(RIZAP株式会社)
フィットネスジムの概念を覆す月額2,980円(税抜)という低価格で、どの店舗でも24時間利用できるRIZAPが展開する低価格ジム「chocoZAP(チョコザップ)」。サービスの本格展開からわずか約1年8カ月で会員数は112万人(退会者は含まず)を超えた。
着替え、履き替え不要で気軽に使える「コンビニジム」というコンセプトを掲げ、ジムの入会や継続のハードルを下げることに成功。セルフネイルやエステ、さらに歯のセルフホワイトニングなど異例のサービスを充実させることで、運動習慣がなかった層を取り込んだ。
広告コミュニケーションでは、チラシ560種類、そしてバナー広告に至っては8,600種類ものクリエイティブを用意、A/Bテストを繰り返しながら効果の最大化を狙っている。
その他、コスト削減のために必要であった「専用アプリ」や「AIカメラ」から得られたユーザーのデータを解析・検証、経営リソース化するなどDXを推進。
2024年5月末時点で、店舗数は全国47都道府県で1,500店舗を超え、米ロサンゼルスにもテスト展開するなど出店の勢いは止まらない。

共創する自動車保険「&e(アンディー)」
(イーデザイン損害保険株式会社)
イーデザイン損保は、2021年11月共創する自動車保険「&e(アンディー)」を販売開始した。&e(アンディー)は、「自動車保険は事故にあった時に役立つもの」という固定観念を覆す、事故のない世界を目指す自動車保険で、数々の取り組みを重ね、契約者は35万件を突破した。
契約者に、事故解決のプロとしての視点を取り入れたアプリサービスと車載センサーを付帯(23年12月時点)。センサーで取得する運転データによる日々の運転の振り返りや、友人・家族とミッションに取り組むチャレンジ機能等、楽しみながらも安全運転につながる機能を満載。
また、契約者全員で年間の事故率目標を達成すると自治体の事故削減活動への寄付に一定金額を上乗せしたり、約170のパートナー企業・団体・自治体等と連携し分析や研究に取り組むなど、あらゆる関係者と共創し、事故のない世界の実現を目指している。

子育て応援プロジェクト
(生活協同組合コープさっぽろ)
コープさっぽろは、「環境や経済、社会が調和のとれた 『こころ豊かな社会』を目指し、家庭での親子のふれあいや、次代を担う子どもたちの成長を安心して支える環境づくりを支援すること」を目的に、子育て支援として「子育て応援プロジェクト」の活動に取り組んでいる。
この活動は、全道の組合員さんから回収した資源物(段ボール、紙パックなど)を、エコセンター(コープさっぽろのリユース・リサイクル施設)で加工・販売し、その利益(約3億円)を子育て支援資金として活用する循環型支援となっている。資源の回収量が増えるほど利益が増え、それが次世代のために活用される。
具体的には、絵本を無償でプレゼントする「えほんがトドック」、保育園などで絵本の読み聞かせを行う「えほんわくわくキャラバン」、妊婦さんへベビー服やおむつなど約30点を無償でプレゼントする「ファーストチャイルドボックス」などを行っている。

●日本マーケティング大賞 地域賞 (副賞 各10万円)
選考基準: 優れたマーケティング・プロジェクトであることに加えて、経営資源が地域にあること、地域活性化に資すること、地域の特徴を活かした事業であることが条件。日本マーケティング協会の関西、九州、北海道支部でそれぞれ選考し、実行委員会・選考委員会が承認する。

閉鎖水槽を“ショーウィンドウ”としてメディアに 「サンゴショーウィンドウ」
関西地区(株式会社 海遊館)
「海遊館」は、1990年の開館以来、多くの観光客で賑わい、2024年1月には累計8,500万人の来場者を達成。国内最大級の水族館、かつ大阪の代表的な観光スポットである。
その海遊館の「グレートバリアリーフ水槽(サンゴ礁の海を再現した館内で5番目に大きな水槽)」がリニューアル工事の為、一時閉鎖して水を抜くことになった。
「海洋保全」という同じベクトルを持つ、サステナブルファッションブランドや、サステナブルな「紙製マネキン」を展開する京都のイベント施工会社と共創。この空(から)の水槽を、彼らの「ショーウィンドウ」として3日間限定で特別な展示空間にリデザイン。来館した人々に、海洋プラゴミ等をリサイクルしたブランドを紹介する「メディア」に、水槽に表示したQRコードから購入できる「買い場」に、そして海洋ゴミ問題や、海洋保全を「考えるきっかけ」となった。
工事期間中の有効活用が話題となり、多数のメディアに露出。国内外からの水族館からの反響も多数寄せられた。海遊館らしいブランドアクションとなった。

福岡市屋台基本条例制定 10 周年&長浜屋台街復活!プロモーション
九州地区(LINEヤフーコミュニケーションズ株式会社 / 株式会社九州博報堂)
福岡市が全国初の屋台基本条例を制定(2013年7月)してから、今年で10 年を迎えた。この節目の年に、同じく設立10周年を迎えたLINEヤフーコミュニケーションズと、九州博報堂は、「長浜屋台街復活!屋台DX化プロジェクト」を推進。
屋台のLINE公式アカウントを友だち追加すると、長浜屋台街の屋台一覧やおすすめメニューがLINEでチェックできるほか、長浜屋台街の営業状況や混雑状況を確認できるサービスを開発。
この他、最寄り駅の地下鉄赤坂駅を、大規模装飾。地下鉄1編成をまるごとジャックした屋台列車を運行するなどプロモーション活動を行った。
福岡市経済観光文化局が、屋台の市内経済波及効果を推計したところ、その額は 104.9 億円となり 100 億円を突破。前回調査(2011年)から、約2倍の額となり、大きな成果となった。

北海道発、おいしいお菓子づくりと環境再生型農業で北海道の未来を創造
北海道地区(北海道コンフェクトグループ株式会社)
北海道コンフェクトグループは、2022 年 10 月、(株)きのとや、千秋庵製菓(株)、K コンフェクト(株)、(株) COC、(株)ユートピアアグリカルチャー、北の食品(株)の各社の事業会社を統合する持株会社として設立された。
第一弾として、創業 102 年を迎えた千秋庵の看板商品であるあんこ入りパイ「ノースマン」のリブランディングに取り組み、生クリームを注入した「生ノースマン」を発売。3 週間で 4 万個を販売し、大ヒット商品となった。また、冬季限定販売のスイーツ「SNOWS」も、冬にしか出会えない希少性や味わいなどからますます好調、話題を集めている。お菓子作りの原材料にもこだわっている。グループのユートピアアグリカルチャーでは、日高管内や札幌市内で、放牧酪農や鶏の平飼い養鶏を実践。北大やソニーグループと共同で環境再生型農業にもチャレンジし、動物にも環境にも負荷をかけずに品質の高い原材料の生産を目指している。


(資料2)
第16回日本マーケティング大賞 概要

『日本マーケティング大賞』は、厳しい経済環境の中でも、企業・自治体・団体等の組織における新しいマーケティングやコミュニケーションの手法、もしくはビジネスモデルの開発を積極的に促すことで、消費者の生活の向上と経済・社会の活性化に資する活動を奨励し、マーケティングのプレステージを高めることを目的として2007年に発表、第1回は2009年より実施されました。16回目となる本年は、日本の市場が成熟化する中で、成長につながる創意工夫が凝らされたプロジェクトが多くエントリー、厳選な審査の中から上記が選出されました。

対象活動

社会に新しく需要を喚起、あるいは市場を再活性した優れたマーケティング活動

<対象活動の具体例>

a 新たにマーケティングの概念を取り入れた企業やNPO、自治体等の活動

b 新しい価値の提案やトレンドを生み出した活動

c 生活者・社会との共存・共生/社会的課題の解決に貢献した活動

d 社内外、産・官・学とのコラボレーションを取り入れた活動、または生活者との共創

e BtoBビジネスや専門市場におけるマーケティングとして際立った活動

f グローバル市場で成果のあった活動

g マーケティングによりブレイクスルーをもたらした活動

h オリジナルな新しいビジネスモデルの構築

i 規模が小さくても、キラリと光る活動

j 地域特性を活かしたマーケティング活動

k 上記以外でも、今年を象徴するに値する新鮮な戦略提案(マーケティング提案)

対象範囲

日本市場における企業・団体・組織の活動、および日本法人の海外市場での活動

 (自治体、NPO、大学・病院なども含む)

対象期間

2023年1月1日から12月31日までの企業・自治体・団体の活動

推薦資格

日本マーケティング協会会員および日本マーケティング学会会員(自薦・他薦を含む)

募集期間

2023年12月1日~2024年1月30日

審査方法

選考委員により、推薦資料を基に追加情報を含めて討議を実施し、選定

表彰

2024年6月7日(金) 日本マーケティング協会総会後の表彰式にて各賞贈呈

選考委員

「日本マーケティング大賞」選考委員会(産業界・学界から15委員)

 選考委員長:戸辺 久之 株式会社朝日新聞 執行役員メディア事業担当兼メディア事業本部長

主催

公益社団法人 日本マーケティング協会

協力

日本マーケティング学会

後援

経済産業省


【本件に関するお問い合わせ先】

公益社団法人 日本マーケティング協会 担当:竹原・川井・髙田・中村

TEL: 03-5575-2101

FAX: 03-5575-0626

E-mail: taishou@jma-jp.org
日本マーケティング大賞URL: https://www.jma2-jp.org/award/

協会URL: https://www.jma2-jp.org/

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会社概要

URL
https://www.jma-jp.org/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区六本木3-5-27 六本木山田ビル9階
電話番号
03-5575-2101
代表者名
高石一朝
上場
未上場
資本金
-
設立
1957年10月