XENCE、建設時にカーボンネガティブを実現する「サーキュラー木造温室」を正式販売開始
地域の林業・農業・観光をつなぐ新しい建築モデルを全国へ。日本の“未利用木材”が世界を変える。
サーキュラーエコノミーを加速させる建築のモジュール開発を行う「XENCE(ゼンス)」(代表社員:小澤巧太郎)は、日本の地域で生まれる未利用の木材を主材料として活用し、建設時点で“カーボンネガティブ”を実現する新しい温室型建築モジュールのプロダクト「サーキュラー木造温室」の一般販売を開始しました。

鉄骨造家型のグリーンハウス(温室)と価格は同等で、素材としての断熱性能や耐塩害性等が高く、またライフサイクルでのCO2排出量を排出から吸収に転じることができる温室です。すでに三重県志摩市にて実証導入が進んでおり、農業生産者、観光事業者、大学・研究機関、自治体などから問い合わせが増加しています。地域のサステナビリティとレジリエンスを長期的に高めるための有効な策として、全国展開を致します。
本プロダクトは、温室という装置を「生産施設」であるだけでなく、「地域資源を循環させる社会インフラ」へと再定義することを目的とした、XENCE独自の循環型建築モデルです。食糧自給率を向上することが、地域の産業を復興するとともに森林の活発な利用を促します。地域材の利活用による新たな産業価値創出、グリーンジョブの活用、脱炭素経営支援、観光拠点(サステナブルツーリズムやグリーンツーリズム)、教育施設としての活用など、多様な用途に適応できる柔軟なモジュール設計を特徴としています。

■ 「サーキュラー木造温室」とは
サーキュラー木造温室は、地域の製材所で生まれる「大径材」「丸太半割り」「CLT端材」など、現在の製材所において廃棄または低値で扱われている“未利用木材”を主要構造材として活用する温室建築です。

木材が吸収したCO₂に加え、基礎・接合部まで含めたライフサイクルアセスメント(LCA)の結果、建設段階からカーボンネガティブを実現。解体後には100%素材回収と再利用が可能で、地域の森林資源と連動した“循環型建築サプライチェーン”をつくり出すプラットフォームとして機能します。

サーキュラー木造温室は、モジュール化された構造により短期間で組み立て可能で、農業用途だけでなく観光施設・教育施設・研究拠点など多様な領域に応用できます。宿泊施設への導入や、カフェ・食体験施設、アウトドア複合施設など都市部・地方双方で活用することができます。

また建設コストや採光、強度は鋼製温室と同等としながら、木造が本来もつ断熱性・調湿性・耐塩害性を活かし、長期的な利用やエネルギーコストの削減が期待できます。




■ 社会的背景:食糧自給率の向上と森林資源の「未利用問題」を建築で解決する
日本の山林では、戦後の林業構造の変化や担い手不足の影響で、多くの大径木が山林や製材所に滞留し、価値を生み出せていません。その一方で、建築・農業・観光など地域事業者のあいだでは、脱炭素経営、生産効率改善、地域ブランド価値向上などの文脈で「環境とデザインを両立した建築需要」が急増しています。XENCEは、建築の設計・施工に加え、施設の運営・サプライチェーンの最適化までを一体で担うことにより、地域の森林→製材→施工→運営→教育までつながる“循環の生態系”そのものをデザインすることを使命としています。「サーキュラー木造温室」は、その中心となるプロダクトとして生まれました。

■代表・小澤巧太郎 コメント
「日本には、使われずに価値を失っている木材が山ほどあります。それを地域で循環させ、その地でしか生まれない景観・産業・学びを育てるための建築が必要です。温室という存在を、単なる農業施設から“地域の未来を育てる装置”へと進化させたいと考えています。サーキュラー木造温室は、建築をつくる行為そのものが、地域の資源と経済を育てる行為に変わる、新しい一歩になると信じています。」
■ 活用シーン(実績を含む)
サーキュラー木造温室は、以下のような用途で活用できます。
・観光施設の温室テラス・食体験スペース
・大学・研究機関の研究温室、共同学習スペース
・アクアポニックスの拠点
・アウトドア施設・キャンプ場のアクティビティ拠点
・高付加価値農業(ハーブ・観葉植物・特用作物)の生産環境
・公園・公共施設の教育温室、地域コミュニティ拠点
・宿泊施設のスパ温室・冬季オペレーションの補助空間
三重県志摩市などで既に稼働しており、地域材の活用と新たな産業価値の創出につながっています。
■ プロダクト仕様
サーキュラー木造温室は、地域や用途に合わせて複数の標準モジュールを展開しています。幅5m・6m・7.2mを基本とした構造で、長さは用途に合わせて拡張可能。内部環境には、木造の熱性能を活かした自然換気、自動遮光カーテン、雨水循環などを統合する設計も用意しています。
外装はビニールはもちろんですが、ポリカーボネート・ETFEなど複数の選択肢を持ち、デザイン性のみでなく周囲との調和性に優れ、景観価値を高めるアプローチとしても評価されています。




■ 今後の展開
XENCEは、2026年にサーキュラー木造温室を国内10地域での展開を目指すとともに、オランダ・デンマークなど欧州での事業展開を計画しています。
木造建築モジュールの市場を「地域資源の循環」「観光・農業の新たな価値創造」「環境配慮型建築」を統合した複合産業として位置づけ、今後もサーキュラー建築を企画販売していきます。

■ web page (詳細情報)
web page : XENCE|サーキュラー木造温室
https://xence-circulargreenhouse.studio.site
■ 会社概要
XENCE(ゼンス)
所在地:名古屋市千種区不老町1 名古屋大学 Tokai Open Innovation Complex
代表社員:小澤巧太郎
事業内容:サーキュラーな建築のモジュール開発・設計施工、ファシリティマネジメント、サーキュラーマテリアル開発
Web:https://xence-architecture.com
Mail:info@xence-architecture.com
■ 本件に関するお問い合わせ
XENCE(お問い合わせ)
Mail:info@xence-architecture.com
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