【導入事例】海外IT人材戦略として「PROGOS® Japanese」を一斉導入

株式会社Sun Asterisk様

バベルメソッド株式会社

日本・ASEAN諸国を中心にIT人材を育成している株式会社Sun Asterisk(以下、Sun*社)は、日本企業の内定を得たベトナム人大学生約50名に対し、日本語スピーキングテスト「PROGOS® Japanese」の一斉受験を実施しました(2023年2月、5月、10月)。導入前に同社が抱えていた課題と、それをテストによってどう解消したのか、その後の展開まで、同社で人材育成の企画と推進を行う石田浩章さんにうかがいました。

PROGOS® Japanese詳細

https://jl.progos.ai/

海外の国立大学と産学連携で育成するテクノロジー人材


――貴社は自社のエンジニアやクリエイターを「価値創造人材・チーム」として育成・活躍促進しているなかで、海外人材の発掘・育成にも力を入れていらっしゃるとうかがいました。


Education Developer 石田浩章氏(以下、石田氏) はい。現在、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ブラジルの国立大学と産学連携し、12大学、約2,700名の学生を対象に、テクノロジー人材を育成するための教育カリキュラムを展開しています。


――そのカリキュラムでITの専門知識と日本語を学んだ学生さんは、貴社に就職されるんですか?


石田氏 弊社に入社される方もいますし、他社に就職される方もいます。弊社に入社された場合は、ブリッジSE、つまりシステムやソフトウェア開発を行なう海外拠点のチームと、日本国内のチームやシステムの発注元のお客様とをつなぐ役割を担うことが多いですね。


――クライアントである日本企業とやりとりするためには、日本語でのコミュニケーション力が必要になりそうですね。


石田氏 そうですね。お客様の要求や説明の真意を理解できること、質問に対し事実を正確に答えられること、自分の得意分野については日本語で提案できることが求められます。

(左)石田氏、(右)同社でテストを受けた社員のなかでトップのレベルだったベトナム人のチャー氏(左)石田氏、(右)同社でテストを受けた社員のなかでトップのレベルだったベトナム人のチャー氏



課題は筆記テストのレベルと実際の会話力のギャップ


――今回、PROGOS® Japaneseをご導入いただくに至った貴社の課題とはどのようなことでしょうか。


石田氏 弊社を含め日本企業としては、外国籍社員に前述のようなコミュニケーションスキルを期待しているわけですが、従来の言語知識を問うペーパーテストではそういったスキルを十分に測ることができず、「N2なのに話せない問題」がありました。


――N2というのは日本語能力試験(以下、JLPT)の上位級ですよね。確かに、JLPTで上位級を持っていても話せないという課題はよく耳にします。


石田氏 学生に内定を出すとき、企業は「いまこれくらい日本語ができるなら、入社までの1年~1年半の間にさらに日本語力が伸びて日本人社員とコミュニケーションができるようになっているだろう」と考えます。しかし実際には逆で、学生にとって内定はゴール。卒業までは授業の枠組みのなかでしか勉強しないし、自国で生活しているから日本語を話す必然性もない。結果、N3やN2に合格しているのに話せない人材になってしまう人が多くいるのです。



オンラインの会話テスト導入で内定者の意識が変化


――そのような課題を抱えていらっしゃったから、話す力を評価するテストが必要だったのですね。


石田氏 はい。話す力を評価するテストが必要だと感じていましたが、自分たちで何十人もの学生に対して会話テストを実施するのも現実的ではありませんでした。PROGOS® Japaneseの話を聞き、これならオペレーションの手間をかけずに会話力のレベルを測定できると思いました。それで、日本企業の内定をとったベトナムの大学3~4年生約50名と社内の外国人社員約20名に受けてもらいました。


――導入の決め手はなんでしょうか。


石田氏 受験の運用が容易であることと、3種類のフィードバックが得られることです。テストはオンラインで受けられるので、海外の大学生に受けてもらうことも可能ですし、24時間365日、都合のいいときに実施できます。結果が、大まかな定量評価(総合判定)のほかに、細かい6分野の評価、フィードバックや改善点などのアドバイスがある点もありがたいですね。テストの結果を人材の評価に利用することはもちろん、そこから先の学習方針を立てるためにも活用しています。


――受験した方の反応はいかがですか。


石田氏 内定者の意識が明確に変わりました。会話テストで発話しなければいけない状況に置かれて、「就職したらこのレベルで発話して伝えなければいけないんだ」と実感したようです。会話テストの導入を受けて、大学の授業も知識重視から会話力重視に変わってきています。

 

――貴社で日本語力の育成に携わられている方にはどのような影響がありましたか?


石田氏 日本語非母語話者の日本語力は、これまでマネージャーや同じ仕事をしている人たちが感覚的に評価していました。評価する側は日本語教育の知識があるわけではありませんし、日本語で会話する機会があるかどうかといったことで評価が揺れてしまっていたんです。それが同じ評価軸の定量評価に変わったことは大きいですね。既存社員の受験も進めていき、求められる日本語力を実感してもらいたいと考えています。



ベトナム人内定者の到達目標をB1に引き上げることが決定


――テストの導入によって日本語学習の内容が変化したとは素晴らしいですね。


石田氏 内定者約50名には2回受験させましたが、2回目に圧倒的に成績が伸びました。それはやはり意識が変わり、学習が変わったからですよね。それで、入社時の到達目標も引き上げることにしたんですよ。


――導入時は、テストでA2Highを目安に考えているというお話でしたね。


石田氏 当初はそう考えていたのですが、CEFR-JのCan-doリストを見るとA2Highは「慣れ親しんだ相手との日常的な状況であれば、いくつかの語彙やフレーズパターンを使ってやりとりができる」というレベルですよね。先ほどお話ししたようなブリッジSEの業務を任せるためには、「自分の仕事に関わる内容について、基礎的な語彙やフレーズを幅広く使って意見を述べ、情報を交換することができる」B1が必要ではないかと社内で話し合っていたところ、彼らの話す力が目に見えて伸びてきたので、到達目標をB1に引き上げても問題ないと判断しました。


CEFRレベルに応じたスピーキング力のCan-do

B2 High

幅広い話題に関して、その場で詳細なプレゼンテーションができます。幅広い口語表現を使い、話題が広範囲に渡る会話でも積極的に参加することができます。

B2

自分が興味ある話題に関して、準備をすれば詳細なプレゼンテーションができます。十分な範囲の単語や表現を使い、自分が興味のある話題に関して議論ができます。

B1 High

自分が興味のある社会情勢について、ある程度スムーズなプレゼンテーションができます。詳細な説明を加えながら、社交的な会話を続けることができます。

B1

幅広い単語、フレーズ、表現を使い、身近な話題に関してより詳細に伝えることができます。幅広く基本的な単語や表現を使い、社交的な会話を続けることができます。

A2 High

一連の簡単な単語、フレーズ、文章を使い、日常生活に関連した話題について話すことができます。幅広く基本的な単語や表現を使い、日常でのありふれた状況においてやりとりすることができます。

A2

一連の簡単なフレーズや文章を使い、ある程度の身近な話題に関して話すこと、身近な話題に関して基本的な情報や簡単な意見を伝えることができます。

A1 High

限られた範囲の構文の中で、簡単な単語やフレーズを使い、限られた身近な話題に関して話すことができます。

A1

暗記した表現を使い、家族や日課、趣味などの自分自身のことを伝えることができます。

Pre-A1

簡単な単語や基本的なフレーズを使って、名前や年齢などの自分自身についてのとても限られた情報を伝えることができます。



入社時の話す力が、その後の仕事力を左右する


――今後はどのような展開を考えていらっしゃいますか。


石田氏 内定後・入社までの1年~1年半に定期的にPROGOS® Japaneseを受けてもらって、入社時に日本語で業務ができるレベルを目指してもらう。そのためにどう成長すればいいのかというざっくりしたロードマップと、具体的なカリキュラムをつくり始めたところです。入社時点の日本語力は重要です。日本語の理解力が低いと、業務指示を正確に理解できないので、日本語を使う仕事が任せられません。それで、入社した時点で日本語能力があった人は、日本語を使う業務も含めて広く仕事が任される一方で、日本語の理解力が相対的に低かった人は、任される業務が限定的になってしまい、差が開いていってしまう傾向にあります。日本語のコミュニケーション力の底上げを図っていきたいですね。


――IT人材としてのスキルを即戦力として生かすために、日本語でのコミュニケーション力をしっかり身につけさせたいとお考えなのですね。人材不足が叫ばれるIT業界で、優秀な方をオンボーディングされる貴社の取り組みは素晴らしいと思いました。この仕組みに貢献できてとても光栄です。今日はお話を聞かせていただき、ありがとうございました。



  • オンラインテスト「PROGOS® Japanese」について

【テスト概要】

・言語運用力の“国際指標”CEFRに準拠

・東京外国語大学との共同研究により開発

・オンラインでいつでもどこでも受験可能。テスト時間は約20分

・口頭での自由回答形式で、どのくらい話せるかを直接測定

・単なる結果表示だけでなく学習へのフィードバックを重視


 【お問い合わせ】

info@babelmethod.com

「PROGOSPROGOS® Japanese」の詳細はこちら

https://jl.PROGOS.ai/



  • 株式会社Sun Asteriskについて

「誰もが価値創造に夢中になれる世界」をビジョンに掲げ、2,000名以上のエンジニアやクリエイターを擁するデジタル・クリエイティブスタジオ。新規事業・デジタルトランスフォーメーション(DX)・プロダクト開発を成功に導くため、「クリエイティブ & エンジニアリング」と「タレントプラットフォーム」の、2つのサービスラインを提供している。

また、日本・ASEAN諸国を中心にIT人材を育成。現在、4か国の12大学と提携してITと日本語についてのプログラムを提供している。豊富な新規事業・プロダクト開発・スタートアップ立ち上げで培ったノウハウを盛り込んだ独自カリキュラムで、グローバルで価値創造のインフラづくりに取り組んでいる。


【会社概要】

代表者:小林 泰平

所在地:東京都千代田区

U R L :https://sun-asterisk.com/

事業内容:デジタル・クリエイティブスタジオ事業



  • バベルメソッド株式会社について

 日本で働く外国人が、国籍や人種、言語などによって分断されることなく活躍できる社会を目指し、CEFRを軸としたオンライン日本語スピーキングテスト「PROGOS® Japanese」とオンライン日本語会話研修「BABELMETHOD」を展開。日本語のテストとプログラムの提供を通して、日本で働く外国人材のコミュニケーション課題を解決し、顧客企業の外国人材の活躍推進を支援している。


【会社概要】

代表者:河澄章代

所在地:東京都品川区

U R L :https://babelmethod.com

事業内容:オンライン日本語スピーキングテストPROGOSPROGOS® Japaneseの販売、運用 / オンライン日本語会話研修BABELMETHODの販売、開発、運用

連絡先: info@babelmethod.com

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ビジネスカテゴリ
資格・留学・語学
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会社概要

バベルメソッド株式会社

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URL
https://babelmethod.com/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都品川区西五反田2-24-4 WESTHILLビル4F
電話番号
-
代表者名
河澄章代
上場
未上場
資本金
3100万円
設立
2021年03月