子供時代の虐待が、大人になってトラウマに。ACE(逆境的小児期体験)を抱え生きる人の現実を伝えるため参議院会館で院内集会を10月27日に開催。虐待サバイバー:丘咲つぐみ 代表(一社)Onara主催
ACEは「Adverse Childhood Experience」の略で、子供時代(0〜18歳)に経験する深刻なストレスやトラウマ体験を意味します。この集会は、一般の方の参加も可能です。
児童虐待被害者の伴走支援を行う一般社団法人Onara(以下、Onara。所在地:東京都江戸川区、代表理事:丘咲つぐみ)は、2025年10月27日(月)に参議院会館(東京都中央区)とオンラインにて、「~緊急院内集会!ACEサバイバー支援の実現に向けて~― 孤独・孤立、自死リスクに立ち向かうために ―」を開催いたします。
この集会は、一般の方の参加も可能です。

目に見えない虐待も多く存在する時代に
虐待に関するニュースが、日々報道されるなかで、ニュースにはならないけれど、虐待が原因で今も生きることが辛いと感じている人が多くいます。
虐待は、目に見えるものもありますが、教育虐待のように「〇〇ちゃんのため」という形で、子どもを思うことが過剰になった場合にも起こります。特にこのような場合には、子ども自身が「虐待を受けている」と認識することが難しく、無意識のうちに心に傷を抱えていきます。
大人になって、あれは虐待だったのかもしれない、と気づく方もいらっしゃいます。
身体に傷を負うことだけが虐待ではなく、心に受ける虐待も深い傷となり、その後トラウマとして残り続けます。
ACE(逆境的小児期体験)は、子供時代に経験する虐待やネグレクトなどの逆境的な体験を指し、心身の健康に深刻な影響を与えることをいいます。ACEは、「Adverse Childhood Experience」の略で、子供時代(0〜18歳)に経験する深刻なストレスやトラウマ体験を指します。
具体的には、主に以下のような体験といわれています。
■身体的虐待:殴る、怒鳴るなどの暴力行為。
■心理的虐待:侮辱や脅迫などの精神的な虐待。
■性的虐待:性的な接触や行為。
■身体的ネグレクト:十分な衣・食・住を与えない。
■心理的ネグレクト:情緒的な無視。
■家庭内暴力の目撃:家族などの暴力や虐待の目撃。
■家族の精神疾患・自殺未遂
■家族のアルコール・薬物依存症
■家族の服役歴
■親の離婚・別居
2022年には、以下の研究結果が出ています。
龍谷大学社会学部:三谷はるよ氏
「子ども期の逆境体験(ACE)と自殺念慮」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/spcijasp/42/2/42_420205/_pdf
「~緊急集会!ACEサバイバー支援の実現に向けて~― 孤独・孤立、自死リスクに立ち向かうために ―」院内集会開催概要
子ども期に虐待や逆境を経験しながら育った「ACEサバイバー」は、大人になっても心身に深い影響を抱えて暮らしています。しかし、社会的養護を受けなかった被害者への支援制度は依然として整備されておらず、孤独孤立や自死リスクの高まりなど深刻な課題が続いています。
このたびの院内集会は、ACEサバイバーの置かれている現状を広く国会議員や関係省庁に共有し、孤独孤立対策・自殺対策を進める上でも欠かせない政策課題として議論を深めることを目的としています。党派を超えて理解を広げ、ACEサバイバー支援制度の実現に向けた第一歩となる場を目指します。
開催日:2025年10月27日(月)
集会時間:14時~15時30分(90分)
開催方法:会場およびオンライン
会場:参議院会館(101会議室・定員100名)
内容:専門家による勉強会(前半)、及び、支援団体・当事者の声(後半)
想定参加者:
自民党・他党所属の国会議員(超党派)
こども家庭庁職員
厚生労働省職員
内閣府関係者
有識者・支援団体関係者・一般 など
参加人数目標:約100名
主催:一般社団法人Onara
後援:認定NPO法人フローレンス
集会終了後に、記者会見の形にてご対応もさせていただくことを予定しています。
取材お申込みフォーム:https://forms.gle/ysugPSG7QgKLjbcr9
参加費(資料代):
一般来場者:1,000円
一般申込:https://onara1027.peatix.com/
プログラム
1.開会挨拶(司会)
2.主催団体あいさつ(丘咲)
3.専門家による講演
講師:三谷 はるよ氏(大阪大学大学院人間科学研究科准教授)
内容:ACE研究に基づく健康リスクと人生への影響について
4.専門家による講演
講師:毎原 敏郎氏(兵庫県立尼崎総合医療センター小児科長)
内容:ACEを持つ若者・成人との関わり、トラウマインフォームドケアの重要性
5. 国会議員挨拶(山田太郎議員)
6. 現状報告・要望提示(一般社団法人Onara 代表理事 丘咲)
7. 当事者政策提言プレゼン(3名)
8. 当事者スピーチ(3名)
9.質疑応答
閉会挨拶(丘咲)
2023年のアンケート結果では、自殺願望率 91.1%
Onaraが、2023年に行ったアンケートでは、子どもの頃に受けた虐待は、大人になってもその影響を大きく残すことが、明らかになっています。これらを踏まえ、アンケートから2年経った今、国会議員の方にも現状を知っていただくべく、このような機会を設けました。
社会的養護からもれた児童虐待被害者の日本初統計データ発表
一般社団法人Onaraが、2023年9月9日(土)~30日(土)に行ったアンケート調査(回答人数:683名)についての統計データを初公開いたしました。

・精神科の受診歴あり 84.3%(日本全体では、3.9%)
・可処分所得140万円以下 63.8%
・生活保護受給率 16.4%(日本全体では、1.6%)
・自殺願望率 91.1%
・自殺未遂率 61.3%(日本全体では、コロナ禍(令和3年度)において、2%)
「社会的養護未経験児童虐待被害者の実態調査アンケート統計データ」は、こちらから
https://prtimes.jp/a/?f=d127756-4-3bf116e68ced7960623c3f16d42f1746.pdf
登壇者 プロフィール

三谷 はるよ氏
大阪大学大学院人間科学研究科准教授
2014年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。大阪大学大学院助教、龍谷大学社会学部講師・准教授を経て、2024年4月から現職。第3回福祉社会学会賞奨励賞、第15回日本NPO学会賞林雄二郎賞を受賞。専門は、福祉社会学、家族社会学。主著に、『ACEサバイバー:子ども期の逆境に苦しむ人々』(筑摩書房、2023年)。

毎原 敏郎氏
1986年京都大学医学部卒業、1996年京都大学大学院医学研究科修了、医学博士。現職は兵庫県立尼崎総合医療センター周産期医療センター長・小児救命救急センター長・小児科長。兵庫県児童虐待防止医療ネットワーク事業の基幹病院の責任者として、虐待への対応と予防に取り組む。虐待に関わる上ではトラウマ(こころのケガ)への配慮が欠かせないことから、2021年に一般社団法人TICCを設立し、トラウマインフォームドケア(TIC)の普及に努めている。

丘咲つぐみ
一般社団法人Onara 代表理事
2018年に任意団体を立ち上げ、2022年、一般社団法人Onara設立。児童虐待被害者(ACE)のサポート、調査・政策提言・広報を行っている。2023年 日本初となる『社会的養護未経験児童虐待被害者統計データ』作成。講演・メディア掲載実績多数。虐待を受けてきた全ての子どもたちが「生きてきて良かった!」と思える社会の実現へ。元一時保護所職員。グリーフ専門士。メンタルトレーナー。税理士。ACEサバイバー。
「虐待のトラウマに光を当て、希望を描く映画を作りたい!」という思いで、現在クラウドファンディングを開催している。
後援

認定NPO法人フローレンス
「こどもたちのために、日本を変える」。 フローレンスは日本のこども・子育て領域に関わる課題解決と価値創造に取り組む、国内最大規模の認定NPO法人です。 日本初の訪問型・共済型病児保育事業を2004年に設立し、こどもの虐待、こどもの貧困、障害児家庭の支援不足、親子の孤立の課題を解決するため、多様な保育事業を運営するほか、全国で「こども宅食」「おやこよりそいチャット」「にんしん相談」「赤ちゃん縁組」などの福祉事業と支援活動、政策提言を行っています。
https://florence.or.jp/
一般社団法人Onaraについて
毎年20万人以上の子どもたちが児童虐待を受けています。これは、100人に1人の子どもが虐待を受けている、という計算になります。また、5日に1人の子どもが虐待死しているという現実があります。児童虐待とは、狭い家庭の中で起こっている「戦争」です。
一般社団法人Onara(おなら)は、児童虐待を受けながらもどうにか生き延びることのできた方たちのサポート、調査・政策提言・広報を行っています。2018年に任意団体として活動をスタートして以来、1,523名の方の横を歩いて参りました。
Onaraの目指す世界は、児童虐待を受けてきた全ての子どもたちが「生きてきて良かった!」と思える社会の実現です。
団体名:一般社団法人Onara
所在地:東京都江戸川区西小岩1-20-15 M・A101号室
代表理事:丘咲 つぐみ
事業内容: 児童虐待経験者のサポート、及び、調査・提言・広報活動
設立: 2022年3月
Webサイト:https://onara.tokyo/

<問い合わせ先>
一般社団法人Onara
担当:丘咲つぐみ
宛先:info@onara.tokyo
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