給食のない冬休み、子どもたちに「当たり前のお正月」を届けたい── 認定NPO法人ケアットが冬期支援プロジェクト「あたりまえプロジェクト」のクラウドファンディングを開始
認定NPO法人ケアット(所在地:神戸市東灘区)は、冬休み期間に食事や季節行事の体験が不足しがちな子どもたちへ「当たり前のお正月」を届ける取り組み「あたりまえプロジェクト」を開始しました。

子どもを取り巻く貧困の現実──ひとり親家庭に集中する構造的課題
日本の子どもの貧困は依然として深刻で、とりわけひとり親家庭に集中しています。厚生労働省の調査によると、子どもの相対的貧困率は全体で11.5%であるのに対し、ひとり親世帯では44.5%と実に4人に1人以上が貧困状態にあることが明らかになっています(※1)。
とりわけ母子家庭の厳しい経済状況は顕著で、母親の平均就労収入は約236万円、父子家庭の約496万円と比べても半分以下という水準です(※2)。これは共働き世帯平均の3割程度にすぎず、多くの母親が非正規雇用にとどまっている実情もあり、家庭の経済的安定が確保しづらい構造的課題があります。
さらに、離別した父親からの養育費の受給率は28.1%にとどまり、多くの母子家庭が実質的に孤立した育児を強いられています(※1)。日々の食費や教育費に不安を抱える世帯も多く、長期休暇中には「1日1食しか食べられない」という声も現場から上がってきています。
こうした貧困は単なる金銭的困難にとどまらず、子どもの教育機会や体験の幅を狭め、将来への希望を奪う連鎖へとつながりかねません。
※1 厚生労働省「国民生活基礎調査(2023年)」
※2 日本財団
数字でみる日本国内の子どもの貧困

子どもの学びと自己肯定感に影響する「体験格差」の実態
日本では子どもの貧困が大きな課題となっており、直近ではひとり親世帯では44.5%と実に4人に1人以上が貧困状態にあると上述した通りです。経済的困窮下では塾通いや体験学習の機会の確保が難しいのが現状です。
こうした「体験格差」は子どもの発達にも影響し、多様な体験が乏しい子どもは興味・関心が薄れ、成功体験の減少で自己肯定感が低下しやすい傾向が指摘されています。十分な体験を得られない環境がこうした悪影響に拍車をかける恐れがあります。
将来的に、学力や自己肯定感の低下は進路選択の幅を狭め、夢や才能を諦めざるを得ない事態につながります。その結果、十分な教育が受けられないことで安定した職に就くことが難しくなり、貧困や格差の連鎖を招きかねません。こうした課題への対策を講じ、すべての子どもが平等に学びと体験の機会を得られる環境づくりが求められています。
ケアットでは寄付者の方々のご協力のもと、体験機会の提供も行ってきました。
2022年度から2025年度にかけては、野球・サッカー観戦・プロレス観戦・アスレチック等へのご招待・キッザニア体験、交流食事会、絵本のプレゼントなどを行いました。
また、10代、20代の子ども、若者のためにLINEによる個別相談支援を行っています。
ニーズに寄り添う伴走支援の重要性

認定NPO法人ケアットは、2005年の設立以来、「誰もが安心して笑顔で過ごせる居場所づくり」を目指して、神戸市東灘区を拠点として子ども食堂、フードパントリー、高齢者支援、障がい児支援、障がい者就労支援など、地域の日常に寄り添う支援活動を続けています。
依存関係を生みやすい食支援においては最長2年と期間を設け、その間に自立に向けた様々な側面から伴走型支援を行っています。
2016年に「つながり食堂」をはじめたケアットは、コロナ禍の影響により、よりハイリスクなひとり親家庭を対象に食支援だけでなく、交流会、学習支援、相談支援の提供等を行ってきました。
子ども支援において、もっとも近い存在であり強い影響力をもっている保護者へのサポートは非常に重要であると考えています。DVや離婚、死別などを経験し、心に傷を負いながら生活に不安を抱え、周りから孤立しがちな保護者は精神的に不安定になりやすいリスクを抱えており、家でずっと一緒にいる子どもは、その負の影響を最も受けやすいと言えます。「子どものために頑張れ!」と言う前に、まず保護者に寄り添うことが必要だと考え、ひとり親を対象とした相談支援やペアレントトレーニングなどを行っています。
また、自団体の活動内にとどまらず、個々の家庭が抱える課題に対して強みをもっている他の機関・団体(例:地域行政、ひとり親家庭支援の専門機関、子ども学習支援を行うNPO団体等)と連携し、時に一緒に出向いて手続きの手助けを行っています。
◆なぜ「お正月の体験」が必要なのか~あたりまえプロジェクトを立ち上げたわけ~

ケアットのつながり食堂には、日々の食事を一人でとる子どもや、家庭の事情から十分な体験の機会が得られない子どもたちが多く訪れています。冬休みは特に孤立しやすく、安心できる場や季節の行事に触れる時間が不足しがちです。
本来、年越しそばを囲むことやおせち料理の意味を知ること、こたつで団らんすることは家族との対話や文化を学ぶ大切な機会です。しかし、その経験を当たり前に得られない子どもも少なくありません。
「当たり前の時間」を提供することは、子どもたちの安心感や自己肯定感の土台をつくり、社会とのつながりを感じられるきっかけになるとケアットは考えています。

◆今回のクラウドファンディングについて
■ プロジェクト名
「あたりまえプロジェクト」
■ 募集期間
2025年1月14日まで
■ 活動実施時期
2025年1月中(子ども食堂にて開催予定)
■ 目標金額
100万円
■ 寄附金の使途
食材費、調理費、会場費、運営費として大切に活用します。
※万が一予定日に開催できない場合は、フードパントリー等の子ども支援に代替活用します。
■ご寄附のお礼
・3,000円:お礼メール
・1万円:お礼メール+子どもたちの手描きイラスト
・3万円以上:上記+手書きのお手紙
(すべて今回のためのオリジナルメッセージ)
◆団体概要/税制優遇について
ケアットは神戸市の「認定NPO法人」です。
認定NPO法人への寄付は税制優遇の対象となり、個人は寄付金控除、企業は特別損金算入の対象として扱われます。
団体概要
団体名:認定NPO法人ケアット
代表者:代表理事 岡本 有加
所在地:〒658-0082
神戸市東灘区魚崎北町4-3-15
設立:2005年2月23日
事業内容:子ども食堂、フードパントリー、高齢者支援、障がい者就労支援 ほか
ケアットWebサイト
URL http://caret-npo.org
【お問い合わせ】
TEL:078-435-6919
FAX:078-435-6920
Email:caret@caret-npo.org
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