３Dプリント型枠で建築を革新する株式会社DigitalArchi、シードラウンドで3.5億円の資金調達を完了

～コンクリート型枠の低価格化・短納期化・複雑形状対応を実現する3Dプリンタ製樹脂型枠の製造体制と技術開発を加速～

株式会社DigitalArchi

2025年1月17日 10時00分

3Dプリンタ製の建築向けコンクリート用樹脂型枠「デジタル型枠」を開発・製造する株式会社DigitalArchi（本店：神奈川県鎌倉市大町1-1-14、代表取締役：松岡康友）は、シードラウンドとなる今回の資金調達において、株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ（以下、KII）が運営するKII3号インパクト投資事業有限責任組合をリード投資家として、豊田合成株式会社、MSIVC2023V投資事業有限責任組合（運営：三井住友海上キャピタル株式会社）、DBJキャピタル投資事業有限責任組合（運営：DBJキャピタル株式会社）及び SMBC ベンチャーキャピタル 8 号投資事業有限責任組合を引受先とした第三者割当増資により、約3.5億円の資金調達をしたことをお知らせします。

DigitalArchiはこの資金を用いて、人材獲得と技術開発をさらに加速し、建築現場への価値提供を本格化させていきます。

【資金調達の目的】

DigitalArchiは2023年6月の創業から1年余りの間にMVP製作とPoCを重ね、建築現場及びプレキャストコンクリート製造現場における3Dプリンタ製樹脂型枠の確かな需要の存在確認と、現場にとっての真の課題解決となるために必要な開発要素の特定を進めてきました。

結果としていくつものプロジェクト打診及び現場案件をいただくにいたり、その増大する受注に応えられる体制を構築することが必須となったため、今回の資金調達を実行いたしました。

今後、建築業で重要となる実績の蓄積及び型枠として必要な性能/性質を安定的に達成するための技術開発をさらに推進し、ミッションとして掲げる「建築の『つくる』をつくる」を体現するべく邁進していきます。

【資金使途】

人材採用の加速

DigitalArchiの事業計画を実現し、建築の「つくる」をつくるというミッションの達成をより確かなものとするために、以下の人材採用を積極化していきます。

DigitalArchiの事業理念に共感し、建築業の課題解決と高効率化/省人化に貢献して、より人間らしい要素が反映される産業への変革を推し進めたい人材
3Dプリンタの産業利用の地平線を拡げ、様々な樹脂材料を用いたプロダクト製作の現場に関わりたい人材

詳細はDigitalArchiのWebサイト「Recruit」ページからご確認ください。

https://www.digital-archi.com/recruit/

製造拠点の増強

ロボットアーム型の3Dプリンタ十数台を備える製造拠点を試験研究拠点近傍に開設し、製品製造能力を増強することで、急増するプロジェクトに対応できる生産能力を完備していきます。

技術開発

着実に拡大する3Dプリンタ製樹脂型枠の需要に迅速かつ効率的に対応し、安定的に製品を供給していくために、以下の技術開発へ資源投下していきます。

多数のロボットアーム型3Dプリンタを効率的に運用し、コンクリート用型枠をBIMなどのデジタルデータから直接製造できるようにするシステムの開発
型枠の用途に応じた適切な樹脂素材の選定と開発及び素材ごとのプリント出力技術の開発

【投資家からのコメント】

株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ　大竹遼様　|　プリンシパル

1年前の2024年1月に出資させていただいた時から、DigitalArchiは、有償顧客の獲得・組織の強化・ソフトハード両面の技術や原料開発、など大きな進化を遂げてきました。そのスピードと着実な実行力を継続的に支援させて頂くべく、今回の出資ラウンドでもリードさせて頂きました。DigitalArchiのミッションに共感する新たな投資家の皆様と共に支援できることを大変嬉しく思っています。

今後も、建設業界の常識を変えていく彼らのビジョンと革新的な技術には大きな可能性があると確信しています。

DigitalArchiが描く新しい未来を実現するために、引き続き力強く応援していきます。

豊田合成株式会社　新価値事業本部　ベンチャー投資企画室　　矢野正信様　|　主監

DigitalArchi様に本ラウンドで出資を行うことができ、嬉しく思います。

今回の出資を通じて、自動車部品製造の過程で廃棄されたプラスチックを建築型枠用として再生供給することで、廃棄プラスチックの社会問題解決に相互協力できることを期待しています。

また、DigitalArchiの保有する再生プラスチックを用いた建築用型枠造形技術に、弊社が培ってきた量産製造ノウハウを提供することで、安定供給が可能なビジネスモデルの成長をともに実現していきたいと考えています。

三井住友海上キャピタル株式会社　投資部　宇都宮夢人様　|　マネージャー

松岡CEOを中心とするDigitalArchiは、着実に事業実績を積み上げてきており、前回ラウンドに続き、今回ラウンドでも追加投資をさせて頂きました。

建設現場では、他産業と比較しても高齢化が著しく進んでおり、人手不足が深刻化しています。DigitalArchiはコンクリート造建築のDX化として「デジタル型枠」の社会実装を進めています。国土交通省が進める、建設現場の省人化のための「i-Construction」の中心的な施策となる、プレキャストコンクリートの活用促進に対し、DigitalArchiの「デジタル型枠」は、プレキャストコンクリート活用上の課題を解決し、施工適用範囲を大きく拡大させることにつながると確信しております。

DBJキャピタル株式会社　石井隆宏様　|　シニア・インベストメント・マネージャー

DigitalArchi様のシードラウンドにおいて出資できることを嬉しく思っております。当社が提供するデジタル型枠は、慢性的な人手不足の解決や循環型経済の実現といった建設業界の積年の課題に対する新たな解決策を提示し、産業全体を革新するインパクトがあると確信しております。発注側・施工側の両者にとって価値を訴求できる当社のプロダクトは、建設業における新たなデジタル・スタンダードを築き、同業界、ひいては社会全体の発展に寄与するもの信じています。「建築の『つくる』をつくる」という当社のミッションに共感し、引き続きご支援させていただければと思っております。

【株式会社DigitalArchiについて】

建築の「つくる」をつくる。をミッションに、3Dプリンタ技術を用いて建設業の現場課題を解決し、建築の新たな可能性を広げ、建築業を持続的で創造的な産業にしていくことを目指す、慶應義塾大学発スタートアップ企業です。3Dプリンタの開発技術のみならず、建築の深い知見、さらにプラスチック材料と資源循環という、そもそも異なる技術分野のメンバーがひとつの旗のもとに集まったことで、爆発的な化学反応を起こし、全く新しい発想と実行力を発揮しています。