学校法人 新渡戸文化学園(東京都中野区、理事長 平岩国泰)が「2024年度グッドデザイン賞 金賞 経済産業大臣賞」を受賞。

修学旅行のしくみを変えたことをきっかけに、失われつつある文化の継承に向けた取り組みなど、将来に備えた課題設定型のプロジェクトに発展する教育デザインについて高く評価をしていただきました。

学校法人新渡戸文化学園

美しい日本の原風景が残る三重県二木島での活動の様子
グッドデザイン賞のベスト20にあたる金賞(応募総数5773件)

その中でも、大人からの課題やテーマが設定されていないデザインは特に評価をいただきました。
新渡戸文化学園はこれからも教育を再定義し、行動を続けていきます。
この教育デザインによって、未来をつくる仲間を募集中です。

受賞団体学校法人 新渡戸文化学園 (東京・中野区/教育/292名)

プロジェクト:『新しい教育のあり方 スタディツアー~地域と生徒の未来創造の旅~』

コンセプト:地域が学校にある未来 ~旅からはじまる地域と生徒の未来創造~

       所在地:〒164-8638 東京都中野区本町6-38-1

       ●mail:a_kouhou@nitobebunka.ac.jp

       ●TEL:03‐3381-0196  (窓口:広報室 鈴木・中ノ瀬)

       ● HP:http://nitobebunka.ac.jp

グッドデザイン賞とは

1957年創設のグッドデザイン商品選定制度を検証する、日本を代表するデザインの評価とプロモーションの活動です。国内外の多くの企業や団体が参加する世界的なデザイン賞として、暮らしの質の古城を図るとともに、社会の課題やテーマの解決にデザインを活かすことを目的に、毎年実施されています。受賞のシンボルである「Gマーク」は優れたデザインの象徴として広く親しまれています。
https://www.g-mark.org/

       


スタディツアーとは、地域の教育や伝統継承の新しい在り方のモデルとして横展開できる拡充性を持ったプログラムです。

大人が課題やテーマを設定し、消費と思い出づくりの要素が強い修学旅行を見直し、自分の価値観の外に出ることや、日本の未来を想像することを目指す教育プログラムとしてスタディツアーを企画したのが2019年。


そこから生徒の選択肢を増やすことを目指し、連携地域を増やしてきました。


より、生徒たちの主体性や自律性を高めるために、自炊を基本に、寝袋、お米、味噌を持って、地域に入るデザインを実施し、高校3年間で複数回、スタディツアーに参加できるしくみを確立してきました。


その結果、自分のあり方や、自分の問いが生まれた生徒たちから、『ご縁のできた地域に貢献したい』という提案型のプロジェクトがいくつか誕生するようになりました。

さらには、1つの地域からは、伝統文化の継承に関与する活動が生まれてきました。

この地域は人口減少によって、すでに小学校も中学校も休校してしまった地域ですが、活動を継続してきたことで、学校や教育に関する新しい輪郭が見えてきました。



◆デザインポイント&ビジョン


◆活動のポイント

既存の教育活動を問い直し、考え方を変化させると、教育活動の可能性が広がることができる。


就学中に複数回、地域を訪問できるしくみが重要。


感動や心が震える「本物体験」や、地域を愛する「人」との出会いが重要。


ある地域をイメージする際に、表情が思い浮かぶ人の数が増えていくこと。


自炊を軸に、当たり前を問い直すスリムなデザイン(お米、味噌、寝袋を持参する)。


地域との連携に近道はない。


一般社団法人 旅する学校を立ち上げ、全国600万人の中高生を対象にすることで、閉じた活動としていかない。




活動事例 『三重県二木島ストーリー』

二木島には素晴らしい自然・漁業文化、衣食住の源流にあたる素晴らしい文化があります。

しかし、現在二木島では小学校、中学校は休校し、高等学校は無い状況です。


就学中に複数回、旅ができるから、生徒たちは動き出しました。

その原動力は、「地域のあの人のために」「あの美しい海を守りたい」など、感動体験や人との出会い、そして、自分の感情が原動力となり、主体的なモチベーションが生まれてきました。

その後、地域の方々のお力をお借りしながら一緒に課題を見つけ、解決に動き始めました。そのことで、確かな成長が生徒たちにも起こりました。

生徒たちを快く受け入れてくれた二木島
漁港の日常を体験させていただく生徒たち

複数回受け入れていただけたことで見えてきた現実や学びの糸口。生徒たちは内発的な問いを自問自答し続け、自分たちでできる事から動き始めました。

●活動事例

  • 休校した学校での防災訓練

  • 流通の困難なお魚で防災食の制作

  • 地域の子ども達への歴史教育

  • 地域の子どもたちへの食育


地域の方から「思い出の写真展」をしてほしい、という声からプロジェクトがスタート。

高校時代の約束を果たすために、高校を卒業して、大学生となって、この約束を果たす事例も生まれてきました。


そして、この活動は地域の唯一のお祭りの日に実施することで、さらに新しい関係性が生まれていきました。

徐々に地域の方からの『依頼や要望』を頂けるようになり、コロナ禍で休止していたお祭りの復活を東京の生徒がサポートさせていただく機会もいただけました。

また、現地の方にもご協力いただき、地域の過去を振り返る写真展を生徒たちが一緒に開催。

生徒たちは、自分たちの行動で多くの感謝のお言葉を直接頂き、『誰かのために何かができた実感』を得る体験もさせていただきました。

一緒に文化を維持する活動をサポートさせていただけた結果として、元々の教育が持っていた『文化継承』が自然発生的に起こった瞬間でした。

地域の過去を振り返る写真展

コロナ禍で休止していた大切なお祭りを東京の生徒がサポート

教育だからできたことがあるのかもしれません。

地域の文化や歴史を教えてくださったみなさんは、生徒にとってはまさに『すばらしい先生』でした。

また、有難い事に、地域の人々からも『このモデルをもっと拡げられたらいいのに!』とのお声もいただけるようになりました。

この他、新渡戸文化学園の生徒及び参加した他県の生徒も探究心が旺盛になり、確かな意識の変容も起こりはじめてきました。


二木島の方々が育んでくださったやさしさの輪は、文化継承と教育に新しい風を吹き込みます!

三重県内の小さな漁村『二木島』での事例は、三重県内や他地域にも展開できる事例となりえます。

このモデルが日本中の地域に拡がれば、未来の地域と教育、そして子ども達のウェルビーングを創造するカギになるはずです。

多くの方々に支えられ育ってきた「スタディツアー」は次の段階に入りました。

文化継承に関わる地域づくりや、未来づくりに向かう活動として、考え方を共有できる仲間を求めております!

二木島から三重県へ、そして日本中の地域に拡がる未来をめざしています。

審査員からの評価コメント

以下審査員の評価コメント 引用

受賞理由:[24G181453:新しい教育のあり方 スタディツアー~地域と生徒の未来創造の旅~]

未曾有の事態に突然直面したとき、どのように解決すればよいかを考えるのは困難だ。初めての事象に、過去の事例を当てはめるだけでは役に立たない。新たな未来を創造するためには、目の前の事実と向き合い、考え、それを実現する力が求められる。しかし、与えられた課題をただこなすだけでは、その力は身につかないだろう。これは、学生が自ら学ぼうとする意欲を醸成し、現実の社会と結びつける取り組み。日本全国に広がる受け入れ地から、中高一貫校の学生たちが自分の好きな場所を選び、旅に向かう。彼らは知らない大人たちと出会い、時には課題を見つけ、それを実際の活動へと繋げていく。この取り組みは、法人の設立や、この経験を積んだ卒業生たちのサポートも受けながら継続されており、受け入れ地域も拡大している。修学旅行のフォーマットを再編集することで実現した視点も含め大変高く評価した。この取り組みが全国に広がることを切に願っている。    


スタディツアーの結果として生まれた教育効果【経験・発見~着火~深堀へ】

生徒たちは、旅で出会った感情を胸に、内発的動機付けを身につけ社会課題を実際に解決するために動き出します。

オンラインで現地とミーティングを続けたり、定期的に現地に通ったりする生徒も出てきます。

新渡戸文化中学校・高等学校では水曜日がクロスカリキュラムという終日探究活動ができるカリキュラムになっており、この時間を活用します。さらに放課後や週末も活用し、自主的に課題解決に取り組みます。

高校を卒業しても大学でその研究を続けたり、スタディツアーに継続して参加したりする動きが生まれています。生涯のライフワークのテーマになる生徒も生まれてきました。

東京に戻ると地域にはないリソースがあります。例えば地域では規格外として処分していた農作物を東京の腕のいいパティシエと組んで商品化を狙うなどの動きがありました。

旅から戻りレポートを書いて終わりではなく、その後の継続的な探究活動につなげて行動者に変容していくことが最も大切なポイントです。

実際、日本財団の18歳意識調査の社会課題に対する意識におきまして、二回以上のスタディツアー参加者には数字的に見ても2~3倍以上の大きな変容が見られました。

参照:日本財団 18歳意識調査 ・・・ 二回以上のスタディツアー参加者には2~3倍以上の変容がありました。

◆農林中金総合研究所による分析により、見えてきた旅の効果◆

以下の項目にて統計的優位性の確認がされました。

●『生きる』の上昇:心理的社会的能力、徳育的能力、身体的能力すべて

●『誠実性』の上昇:自らを律して目標の遂行を目指す能力

●『開放性』の上昇:新しい考え方や環境を受け入れる能力

テキストマイニング分析により、文章表現の変化も証明されました。

●抽象的から具体的、他人事から自分ごと、受動的から能動的な変化

●自己完結から他者との協力、他律的から自律的へ変化

●思考から行動、自分目線から他人・社会目線への変化

●個から全体、利己から利他への変化


今後の活動とイベント

◆次回の三重県二木島プロジェクト

次回、三重県二木島にてのスタディツアーは、以下の日程で実施いたします。

2024年11月13日(水)~16日(土)(三重県熊野市二木島町)

こちらの取材等をご希望の方は、広報室までお問い合わせください。

美しい大自然に囲まれた漁港、三重県二木島

◆グッドデザイン金賞 受賞記念 無料ウェビナー『HAPPINESS TALK』

2024年11月6日(水)20:00~21:00、今回の受賞内容やそのポイントを当事者の先生が語る無料ウェビナーを開催いたします。

申込は新渡戸文化学園ホームページよりお申込みください。

HP:http://nitobebunka.ac.jp

受賞記念の無料ウェビナー ハピネストークにご参加希望の方は、ホームページから登録ください。

※詳しいお問合せや取材に関して:

学校法人 新渡戸文化学園 (広報室: 鈴木・中ノ瀬) 

所在地:〒164-8638 東京都中野区本町6-38-1

  ●mail:a_kouhou@nitobebunka.ac.jp

  ●TEL:03‐3381-0196  

  ● HP:http://nitobebunka.ac.jp


新渡戸文化学園について

新渡戸文化学園の初代校長は新渡戸稲造 博士。2027年10月16日に100周年を迎えます。

新渡戸文化学園は、教育目標のシンボルとして「Happiness Creator = 学園で学んだことを生かして将来自分の大切な人や社会を幸せにすることを通じて、幸福な人生を描いてもらいたい」という理念を掲げ、「持続可能で幸福な社会の発展に貢献する有為な人材を育成すること」を目指しています。

  • 1927年創立、初代校長 新渡戸稲造 博士

  • 2027年10月16日に100周年を迎えます

  • 女子経済専門学校としてスタート

  • 現在は子ども園~小中高校~短期大学の総合学園

  • 理事長 平岩国泰

  • 男女共学約1300名の学生

  • 最寄駅:東高円寺駅・中野駅

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会社概要

URL
https://nitobebunka.ac.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
中野区本町 6-38-1
電話番号
03-3381-0196
代表者名
平岩国泰
上場
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資本金
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設立
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