1,800名を対象とした新卒採用実態調査(採用サイト利用実態調査)の結果を無料で大公開

「採用サイトはいつまでに公開するべき?」「SNSを使った採用広報に力を入れたほうがいい?」「口コミ対策は必須?」人事が知りたい学生の就活のリアル・トレンドについて、採用に強いベイジが独自調査しました

株式会社ベイジ

企業の自己応募を増やすための採用マーケティング支援や、採用広報支援を強みとするウェブ制作会社ベイジでは、求職者や採用担当に関する様々なリサーチ活動を自主的に行っています。
その一環として、2024年12月に「新卒採用における採用サイト利用実態調査」を実施しました。本レポートでは、その分析結果を共有いたします。新卒採用の強化や採用サイト改善をご検討中の企業様にとって、何かヒントになれば幸いです。


新卒採用実態調査について

新卒採用で求職者が求める情報は企業が想定するよりも具体的かつ透明性が重要です。きれいごと以上に、自分が企業で力を発揮できるか・なじめるのか・最初のキャリアとして適切な環境が整っているか、確証を得るため能動的な情報収集を行っています。本調査では、実際の新卒採用の求職者が採用活動でどのような行動をとっているか、採用活動のなかで採用サイトがどのような役割を果たすべきかを明らかにしました。


調査概要

調査対象:2025年以降に卒業予定の大学生・短期大学生(就職活動経験者)、もしくは卒業後3年以内の既卒求職者

回答人数:1,842名(男性 742名/女性 1,100名)

※上記は集計の都合上概数であり、一部設問ではサンプル数が若干異なる場合があります

調査時期:2024年12月06日 ~ 2024年12月19日

調査方法:アイブリッジ社『Freeasy』を用いたインターネットリサーチ


1.就職活動開始時期と採用サイトの関係

就活開始時期の分布

まず、新卒の就職活動を始めた時期について尋ねました。大学生の場合、もっとも多かったのは「大学3年生の4~6月」16.34%、次いで「大学3年生の10~12月」12.16%、「大学3年生の7~9月」12.60%、「大学3年生の1~3月」14.17%と、大学3年生の1年間で就活を始める層が過半数を占める形となりました。
一方、大学2年生以前から動いている層は合計で10%前後存在し、「早期就活」の存在感も一定数見られます。大学4年生になってから就活を始めるケースも少なくなく、特に4年生の4~6月や、1~3月など、大学4年生になってから本格化する層が合わせて2割程度います。
短期大学の場合も類似傾向で、2年生の初期から動く方もいれば、卒業近くで動く方もいます。

採用サイト閲覧開始時期

「選考プロセスとは関係なく、採用サイトを閲覧し始めた時期」も尋ねてみました。大学3年生の春から夏頃に閲覧を始めたのが21.93%でもっとも多く、ついで大学3年生の秋から冬頃(15.36%)、年明けから3月(15.04%)が続きます。
大学3年生の段階で採用サイトを閲覧し始める層は合計で5割を超えており、「選考で本格的に動く前に、まず企業研究の一環として採用サイトを見始める」という実態があるようです。一方で、大学4年生になってから採用サイトを見出す層も2割強います。

これらを踏まえると、「大学3年生の夏以降~年明けくらいが最盛期」「大学4年生の春~夏も一定数存在」という2つのボリュームゾーンが見えてきます。新卒採用サイトを春頃にオープンし、夏頃からのアクセス増に備える企業が多いのは、このデータとも合致していると言えるでしょう。


2.企業と学生の接点(インターン・説明会・就活サイトなど)

インターンシップへの参加率

「新卒の就活において、インターンシップに参加しましたか?」という設問では、インターンシップ参加経験者が合計で約78%という高い数値になりました。そのうち「参加した会社にそのまま就職した」という人は約42%、「参加した会社には就職しなかった」という人が約36%、まったく参加しなかった人は約28%となっています。
企業側としては、インターンで良い体験を提供できれば、そのまま本選考の志望度を高めることができる可能性が高いですが、一方で「参加したが、他の企業に就職した」という学生も一定数いる点にも注意が必要です。

最終的に入社した企業と接点を持ったきっかけ

入社した企業との接点を持ったきっかけを複数提示し、もっとも当てはまるものを単一回答で選んでもらいました。結果としては、「複数企業が集まる合同説明会」での認知(22.86%)や、「就活サイト(マイナビ等)の求人情報」(17.92%)が比較的多く、「インターンシップ」(9.77%)、「大学のキャリアセンターからの紹介」(11.02%)などが続きます。
中途採用では転職サイトが強力でしたが、新卒の場合、合同説明会や大学主催イベントなど、リアルな場での接点が大きいのが特徴的と言えます。

一方、「直接企業の採用サイトから自己応募」した層は5.54%と、多数派ではありません。同様に、ダイレクトリクルーティング型のスカウトが3.04%、社員のリファラル紹介が2.61%など、認知や接点が多様化する中でも、新卒においてはまだ大手就活サイトや大学主催イベントの存在感が大きいといえるでしょう。

志望企業への最初のアプローチ

「最終的に入社した会社について、就職活動中に採用サイトは見ましたか?」に対しては、「見た」が81.92%、「見なかった」が18.08%という結果です。
これは中途採用での類似調査結果(約60%が「見た」)と比較すると、新卒の方が採用サイト利用率が高いと見ることもできます。企業との接点自体は就活サイトや合同説明会が多いものの、最終的に内定承諾を検討する段階では、公式の採用サイトを確認している層が多数派だとわかります。


3.採用サイトの訪問タイミング

どのタイミングで採用サイトを見たか

「就活を始めたのち、採用サイトはどのタイミングで見ましたか?」では複数回答を許可し、選択肢に「就活サイト(マイナビ等)で知った直後」「就活エージェントに紹介された直後」「就活イベントで知った直後」「エントリーの直前」「面接の前(選考中)」「内定承諾前」「興味がある会社なら就活と関係なく見る」などを用意しました。その結果:

  • 就活サイト(マイナビ等)で知った直後:43.27%

  • エントリー直前:23.07%

  • 面接前(選考中):19.38%

  • 内定承諾前:8.25%

  • 興味がある会社なら、就活と関係なく見る:10.48%

  • ほか、就活エージェント紹介直後なども10~15%前後

このように、最初に企業を知ったタイミングからエントリー直前までにかけて、あるいは面接中や内定承諾前など、様々なステージで採用サイトが閲覧されていることが分かります。また、10.48%の学生は「興味がある会社なら就活と直接関係なくても見る」と回答しており、採用サイトが企業理解のためのプラットフォームとして機能しうることが伺えます。

多様な閲覧タイミングに対応する採用サイト

複数のタッチポイントで採用サイトが参照される以上、企業としては以下のような工夫が効果的だと考えられます。

  1. 認知直後に概要を把握できるコンテンツ

    • 「会社概要」「1ページで分かる○○社」のように、一目で全体が掴める情報

  2. エントリー直前の判断材料となるコンテンツ

    • 「仕事内容」「社員の声」「キャリアパス」「社風」などの具体的な情報

  3. 面接直前・内定承諾前の再確認に使えるコンテンツ

    • 「選考フロー」「福利厚生・待遇」「先輩社員インタビューの詳細」など

学生の中には、同じ企業の採用サイトを複数回訪問し、回ごとに違う情報を探すことが想定されます。そのため、一度の訪問ですべてを理解させるよりも、段階的に必要な情報を取得できるような情報設計が好ましいでしょう。


4.SNS活用状況と社員アカウントのフォロー

SNSの情報収集手段としての利用状況

「就職活動の情報収集手段として、どのSNSをよく使いましたか?」設問への回答は以下の通りでした。X(旧Twitter)やYouTube、Instagramが上位に来ました。一方で、SNS自体を就活目的では使わない層も3割以上います。

  • X(旧Twitter):31.92%

  • YouTube:29.21%

  • Instagram:26.17%

  • TikTok:18.95%

  • Facebook:11.40%

  • LinkedIn:7.11%

  • YOUTRUST:5.81%

  • LINE:10.53%

  • SNSは使用しなかった:34.15%

企業や社員アカウントのフォロー状況

「興味があった企業のSNSアカウント(公式以外に社員アカウント含む)はフォローしましたか?」に関しては、「必ずした」「時々した」を合わせても4割程度で、新卒就活において社員アカウントや企業公式SNSをフォローする行動は、まだそこまで主流ではないと言えます。

とはいえ、4割近くがフォローする傾向は無視できない数字とも言えます。SNS発信が得意な企業や社員が魅力的な情報を発信できれば、自社や働く人の雰囲気を伝える有力なチャネルとなる可能性があります。一方で、フォローが少ない企業=不人気ではないことも念頭に置くべきでしょう。SNSの利用スタイルは人によって差が大きいため、過度にSNSに依存するのは危険という見方もできます。

  • 必ずした:14.76%

  • 時々した:25.89%

  • あまりしなかった:28.94%

  • ほとんどしなかった:28.61%

  • 就活前からフォロー済み:1.81%


5.口コミサイトの影響度

口コミサイトで評判を確認したか

「就活時に興味があった企業について、口コミサイトで評判を確認しましたか?」では、合わせて64%が口コミサイトを何らかの形で確認する傾向にあると分かりました。中途採用と同じく、新卒においても口コミサイトの影響は大きいと言えます。

  • 必ずした:27.96%

  • 時々した:36.75%

  • あまりしなかった:22.04%

  • 全くしなかった:13.25%

悪い評判があったときの気にし方

「口コミサイトで悪い評判があった時、どの程度気にしますか?」という質問への回答は以下の通りでした。「気にする」層は合計7割を超える結果となり、企業としては無視できないポイントです。悪い評判が投稿されている企業だと、それを見た学生が志望度を下げてしまう可能性があります。

  • かなり気にする:24.41%

  • 少し気にする:47.43%

  • どちらともいえない:19.96%

  • あまり気にしない:7.32%

  • まったく気にしない:0.88%

悪評への企業側のスタンス

とはいえ、口コミサイトは書き込みの真偽や文脈の偏りなどの問題もあり、一概に事実を反映しているとは限りません。しかし学生もそれを承知のうえで、「会社選びの一材料として口コミを見る」姿勢があるようです。企業としては、「一切反論しない」「何も語らない」のではなく、採用サイトや公式情報で客観的に説明できるところは説明し、問題点を認めるところは認める姿勢を示すのが望ましいでしょう。具体的には、下記の対策が・取り組みが、誠実さを感じさせる採用サイトにつながると考えました。

  • 改善施策を打ち出しているなら、しっかり言及する

  • 「良いことも悪いことも含めて、正直に情報開示している」というスタンスを見せる

  • 企業と社員・元社員で意見が分かれる点について、企業側の考えを冷静に発信する


◆本リリースの詳細は、3月12日公開予定の弊社採用メディア採用マーケティングの教科書からご確認ください。調査内容を踏まえた採用サイトのあるべき姿・要件などとあわせて整理し公開する予定です。詳細は対象の記事をご覧ください。

株式会社ベイジのオウンドメディア:採用マーケティングの教科書


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株式会社ベイジでは、新卒採用の支援や採用サイト制作にあたり、エビデンスベースのリサーチを含めたコンサルティングを行っています。自社の業界特性や採用課題に合わせて、調査設計・実施・分析をサポートすることも可能です。
もし本調査の内容や、新卒採用に関して気になることがありましたら、ぜひ当社お問い合わせ窓口までお気軽にご連絡ください。

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