アパレル物流の「使い捨て」を循環へ。株式会社chom、再利用梱包ボックス「Looplet」の実使用モデルを初一般公開
段ボールや個包装の代替にとどまらず、梱包・輸送・保管・返却までを見直す。アパレル物流の新しい循環の仕組みづくりへ
株式会社chom(代表取締役:野崎絵未里)は、アパレル物流で使用される使い捨て梱包資材の削減と、倉庫・店舗で働く人の作業負担軽減を目指し、繰り返し使用できる梱包ボックス「Looplet(ループレット)」を開発しています。
2026年7月10日(金)〜12日(日)に100BANCHで開催された「ナナナナ祭2026」では、昨年公開したプロトタイプから改良を重ね、実際の使用を想定して製作したLoopletを一般向けに初公開しました。
今回の展示では、単に「新しい箱」を紹介するのではなく、商品が倉庫から店舗へ届き、保管・補充され、使い終わった梱包資材が再び循環していくところまでを見据えた、株式会社chomが目指す新しい物流のあり方を体験型展示として紹介しました。
「箱をつくる」から、「物流の流れをつくる」へ
アパレルショップに並ぶ洋服は、店舗に届くまでの間に、梱包、輸送、開梱、保管、商品整理など、さまざまな工程を通っています。その過程では、段ボールや商品を包む袋など、多くの梱包資材が使用されています。株式会社chomが開発する「Looplet」は、こうした物流の中で繰り返し使用することを前提につくられた梱包ボックスです。

しかし、私たちが目指しているのは、使い捨ての段ボールや袋を、単に「繰り返し使える箱」に置き換えることだけではありません。商品の「梱包」「輸送」「保管」「商品探し」「補充」、そして使用後の「返却・再利用」まで、一連の物流工程そのものを見直すこと。
梱包資材が一度使われて捨てられるのではなく、何度も物流の中を循環していくことが自然な選択肢になる仕組みをつくること。Loopletは、その新しい物流の仕組みを実現するためのプロダクトとして開発を進めています。
1年前のプロトタイプから、実際に使用できるLoopletへ

株式会社chomがナナナナ祭へ出展するのは、今回で2回目です。2025年のナナナナ祭では、Loopletに必要な機能を初めてひとつの形にしたプロトタイプを公開しました。
当時はまだ折りたたむことができず、素材や構造も現在とは異なり、「このような物流を実現したい」という構想を、プロトタイプと言葉を使いながら伝えている段階でした。
そこから約1年間、素材や構造、使い方を見直しながら開発を続け、今回のナナナナ祭2026では、実際の物流現場での使用を想定して製作したLoopletを初めて一般公開しました。
現在のLoopletは、上部から商品を入れられる一方、複数の箱を積み重ねた状態でも前面から中の商品を取り出せる構造になっています。
そのため、輸送のためだけの箱としてではなく、商品が店舗に到着した後も、そのままバックヤードでの保管や商品探し、補充に使用することを想定しています。
また、使用後は折りたたむことでコンパクトになり、返送時には使用時のおよそ7分の1のサイズにまとめることができます。

3日間限定のアパレルショップ「ナナブンノイチ」で、店舗の裏側を体験

「今日はあなたがお洋服屋さんデビュー」。
会場には3日間限定の架空のアパレルショップ「ナナブンノイチ」をつくり、来場者に普段は見ることのできないアパレルショップのバックヤード業務を体験してもらいました。
参加者は、積み重ねられたLoopletの中から指定された洋服を探し出します。一般的な箱の場合、中の商品を取り出すために上の箱を移動させたり、一度すべての商品を出したりする必要があることがあります。
Loopletでは、積み重ねた状態のまま前面から中身を確認・取り出せるため、来場者には実際に商品を探す動作を通して、その違いを体験してもらいました。
「ナナブンノイチ」という店名も、Loopletが使用後に折りたたまれ、返送時にはおよそ7分の1までコンパクトになることに由来しています。商品を届けて終わりではなく、使用後に返却され、再び使われていくところまでがLoopletです。
164名への調査から見えた、消費者と現場双方の関心

展示では、来場者164名にアンケートを実施しました。
一般来場者への調査では、
・売れ残った洋服がどうなるのか
・過剰包装や使い捨て資材
・環境に配慮した取り組み
など、普段は見えにくいファッション産業の裏側や環境課題に対する関心が確認されました。
また、アパレルショップや倉庫での勤務経験がある来場者からは、
・商品探し
・開梱作業
・梱包資材の処理
・バックヤードの狭さ
といった課題が、実際の現場でも負担になっているという声が寄せられました。
今回の調査はLoopletそのものの導入効果を測定するものではありません。
一方で、消費者がファッション産業の裏側や環境課題に関心を持っていること、そして現場には改善余地のある業務が存在していることを改めて確認する機会となりました。
次は、実際の物流の中へ

展示会場での体験から、次は実際のアパレル物流の現場での検証へと進みます。
株式会社chomでは現在、アパレル企業や物流関係者と連携しながら、Loopletのサンプル提供やモニター利用、実際の物流環境でのPoC(実証実験)を進めています。検証するのは、箱そのものの使いやすさだけではありません。本当に現場の作業負担を減らせるのか、商品を安全に運べるのか、環境負荷を減らしながら、企業にとっても継続可能な経済合理性をつくれるのか。
そして、使い終わった梱包資材を回収・再利用し、社会の中で循環させ続けられる仕組みにできるのか。株式会社chomは、こうした問いを一つずつ検証しながら、アパレル物流に「使い捨てる」以外の新しい選択肢をつくっていきます。
代表コメント

株式会社chom 代表取締役 野崎絵未里
「昨年のナナナナ祭では、まだ『こんなものをつくりたい』と構想を説明することが中心でした。
今年は実際に使えるLoopletができたことで、『店舗でも使えそう』『回収や洗浄はどうするの?』『ほかの企業とも共有できるの?』など、来場者の方との会話が一気に実際の運用を想定したものへ変わりました。この1年間で改めて強く感じたのは、私たちがつくりたいのは、新しい“箱”だけではないということです。
服を包み、運び、店舗で使い、そしてまた次の利用へつないでいく。これまで使い捨てることが当たり前だった物流の中に、『循環させる』という新しい選択肢をつくりたいと思っています。
物流や梱包は、普段の買い物ではほとんど見えない領域です。でも、その見えない場所には、まだ変えられることがたくさんあります。Loopletを入口に、企業や物流会社、そしてさまざまな方と一緒に、これからの物流の新しいあたりまえをつくっていきたいです。
Looplet(ループレット)とは

Loopletは、株式会社chomが開発する、アパレル物流向けの繰り返し使用可能な梱包ボックスです。
使い捨ての段ボールや個包装資材の削減だけではなく、倉庫での梱包から輸送、店舗での保管・商品探し・補充、使用後の返却まで、一連の物流工程で繰り返し利用することを想定して設計しています。
環境に良いから我慢して使うものではなく、現場の作業効率や使いやすさ、経済合理性を同時に成立させることで、循環型物流を企業にとって自然な選択肢にすることを目指しています。
株式会社chomについて
企業名:株式会社chom
代表者:代表取締役 野崎絵未里
設立:2024年12月
事業内容:循環型物流に向けた物流資材・サービスの企画、開発、提供
株式会社chomは、「より多くの選択肢から変化し続ける世界をつくる」を掲げ、技術と発明の力で、新しいあたりまえとなる選択肢を社会につくることを目指しています。
現在は、アパレル物流で使用される使い捨て梱包資材と現場作業の課題に着目し、再利用可能な梱包ボックス「Looplet」と、それらが社会の中を循環するための仕組みづくりに取り組んでいます。
取材・お問い合わせ
株式会社chomでは、Loopletの開発背景や、アパレル物流・梱包の現状、循環型物流の実現に向けた取り組みについて、取材・掲載・インタビューのご相談を受け付けています。
実物のLoopletを用いた取材・撮影についてもご相談いただけます。
また、実証実験や導入をご検討いただけるアパレル企業・物流企業・関連事業者の皆さまからのお問い合わせも歓迎しております。
株式会社chom
メール:contact@chom.co.jp
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