1piece for 2PEACE. プロジェクトが「2025年度グッドデザイン賞」を受賞
― ひとつのクッキー、シアワセふたつ。港区発、障がい者が支援者となる新しいしくみ ―

2025年10月15日、シクミオ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役:水上太郎)と東京都済生会中央病院(所在地:東京都港区、院長:海老原全)が推進する「1piece for 2PEACE. プロジェクト」は、2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。障がい者が自ら支援の担い手となり、地域の子ども食堂を支える循環型の仕組みが評価され、ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)の理念を実践するデザインとして認められました。
【プロジェクトの概要】
本プロジェクトは、障がい者施設で作られた焼菓子を企業等での販売会やイベントで販売し、その売上の一部を地域の子ども食堂(フードパントリー)に還元しています。「ワンコインでおつりのくる、一番手前のSDGs。」として、働く障がい者の工賃向上と生活困窮世帯の支援という2つの課題を1つの焼菓子を購入することで参加できる仕組みです。
【プロジェクトの背景】
東京都港区の平均世帯年収は1,396万円(2023年*1)と高水準にありますが、生活困窮世帯も存在します。NPO法人みなと子ども食堂が支援している世帯へのアンケート(*2)によると、約75%がひとり親世帯であり、約70%が非正規雇用または失業中、約60%が年収240万円以下という厳しい現実があります。また、知的障がい者の多くは最低賃金のおよそ4分の1にあたる平均時給243円(2022年*3)で働いているのが現状であり、プロジェクトパートナーである港区内の障がい者施設、みなとワークアクティも例外ではありません。こうした普段の生活のなかでは見えにくい課題に対し、地域社会に根差した持続的な支援モデルとして取り組んでいます。
*1 年収・収入に関する総合情報サイト 年収ガイド[https://www.nenshuu.net/]
※総務省発表の統計資料をもとに、市区町村別の課税対象所得の総額を納税者数で除算した額
*2 NPO法人みなと子ども食堂 生活実態調査(2023.08.05実施)
*3 厚生労働省 令和4年度工賃(賃金)の実績について


【審査委員の評価コメント】
本プロジェクトは、障害者の工賃向上と生活困窮世帯支援をつなぐ循環型モデルによって地域福祉の再設計を実現している点が評価できる。支援が一方向ではなく、障害者が「担い手」となる仕組みは、地域福祉における障害者の主体性と共助のあり方を可視化しており、済生会中央病院の参画により、医療・福祉・地域を横断する連携が活動の信頼性と広がりを強化している。さらに、成果を数値で測定する仕組みにより、社会的包摂の理念を具体的に実感できる点が革新的である。今後の活動の広がりにさらに期待したい。
【今後の展開】
今後は東京都港区を拠点に、企業・NPO・教育機関など地域の多様な主体と連携しながら支援の輪を広げ、その事例をローカライズすることで全国への展開を目指します。



【受賞対象名称】
1piece for 2PEACE. プロジェクト[カテゴリー20:一般向けの取り組み・活動]
https://www.g-mark.org/gallery/winners/27791
【受賞企業・団体】
社会福祉法人恩賜財団済生会支部東京都済生会 東京都済生会中央病院
【プロジェクトパートナー】
港区立障害保健福祉センター みなとワークアクティ(就労継続支援B型事業所)[東京都港区]
特定非営利活動法人みなと子ども食堂[東京都港区]
一般社団法人神奈川県中小企業診断協会登録グループ マーケティング実践研究会(代表 小泉昌紀)
[神奈川県横浜市]
【プロジェクトに関わるリンク先】
1piece for 2PEACE. 紹介動画 *YouTube
ソーシャルインクルージョンを考えるWebメディア「シンク!」(社会福祉法人恩賜財団済生会)
【問い合わせ先】
シクミオ株式会社 水上
TEL:03‐6904-1431
メール:info@shikumio.co.jp
東京都済生会中央病院 広報室 本多
TEL:03-3451-8211(代表)
メール:t-honda@saichu.jp
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