クラウドファンディングで集めた資金で、社会的投資を実施。途上国の職人と世界のマーケットを、アプリでつなげる取り組みへ5万ドル。
認定NPO法人ARUN Seed(東京都文京区、代表:功能聡子)は、途上国が直面する社会課題の解決に寄与するビジネスを発掘し投資する「第3回クラウド・ソーシャル・インベストメント・プログラム(CSIチャレンジ3)」を2020年に開催。この度、本プログラムの最優秀賞獲得企業であり、途上国の職人とメーカーをアプリでつなげる取り組みを行うインドネシアのスタートアップ企業Du Anyam(ドゥ・アニャム)に5万ドルの投資を完了したことをご報告いたします。
CSIチャレンジは、途上国の社会起業家によるプレゼンテーションにより投資先を選抜する「ビジネス・コンペティション」と、日本で寄付を呼びかけながら社会的投資を促進するためのプラットフォームづくりを目指す「クラウド・ファンディング」から構成されるプログラムです。
第3回目となる「CSIチャレンジ3」の最終審査会は2020年12月12日に開催されました。課題設定、事業の持続可能性、社会的インパクト、イノベーション、女性・子ども・難民のエンパワーメントなどの複合的な観点から審査が行われ、最優秀賞はインドネシアのドゥ・アニャムが獲得しました。またクラウド・ファンディングでは、281人の方から総額552万円のご支援を頂きました。
その後、約10か月間にわたるデューデリジェンスと投資交渉を経て、ドゥ・アニャムへ5万ドルの投資を行うことを決定し、今般、投資が完了したことをご報告いたします。投資先のドゥ・アニャムの事業概要及び投資の概要は下記をご覧ください。
尚、本件投資契約にあたりましては、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業様のプロボノ活動の一環として、全面的なご協力を頂きました。
<ドゥ・アニャム事業概要>
アプリを用いて購買企業(大手家具メーカーなど)と農村部の職人を繋ぎ、サプライチェーンの見える化や、デザイン指導といったサービスを提供、また将来的には、金融へのアクセス提供も予定しています。
取り組む課題:
インドネシアの農村部では、伝統工芸品の販売が大きな収入源となっており、それらを手掛けるMicro SME(零細中小企業)は120万社存在しますが、グローバルマーケットへの展開ができていません。また、デジタル化もできていないため非効率な販売をせざるを得ず、収入向上が難しくなっています。
評価された点:
ビジネスによる裨益者の広がりが期待できること、コロナ禍により観光産業からの収入が激減する農村の中小零細企業に対して、オンラインでのグローバル展開を通じて収入確保の道を開いたこと、役員全員が女性で女性のエンパワーメントに貢献していることなどが評価されました。
<投資概要>
投資先:PT KARYA DUA ANYAM (“DU ANYAM”)(ドゥ・アニャム)
金額:USD50,000.00
投資方式:転換社債型新株予約権付社債
資金使途:インドネシアの零細生産者向けスマホアプリの開発・サービス展開
ドゥ・アニャムの今後のビジネス展開:零細生産者の販路拡大策として、グローバルリテーラーとの商談が最終段階にある他、アプリを通じたEコマースや金融サービスへのアクセスを提供していきます。加えて自治体や、NPO、企業CSRとも連携し、クラフト生産者以外の零細生産者の間でのアプリの使用を拡大し、サービスの提供を図っていきます。
社会的インパクト:ドゥ・アニャムが販売、生産を支援するクラフト業者はもとより、クラフト以外で、アプリの対象ターゲットとなる零細生産事業者の56%が女性との統計があります。当社のビジネスモデルは、女性の収入を向上させ、家庭内での女性の意思決定権を強め、家族の栄養状態や家計・貯蓄の改善に寄与すると考えます。
今後は、ビジネスモデルへの助言などさまざまなインキュベーションサポートを提供し、ドゥ・アニャムの成長を支援してまいります。
またARUN Seedでは、こうした社会的投資の実践を通じたノウハウ、知見を皆さまと共有すべく、毎月「サステナブルビジネス・スクール入門編」を開催しています。スクールの詳細はこちらから。
https://school.arunseed.jp/
認定NPO法人ARUN Seedとは:
ARUN Seed(アルンシード)は、社会的投資の普及・発展・研究を目的として2014年に発足したNPO法人です。ARUN Seedでは、途上国への社会的投資を実践しながら、社会的投資の調査研究、情報発信を行い、インパクトインベストメントやソーシャルビジネスを推進する他団体とのネットワークを通して社会的投資を広め、日本から世界へ情報発信を進めています。
認定NPO法人ARUN Seed 代表理事 功能聡子
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