特別な機器は不要、衛生レベルの判定に 食品工場内の気圧差をiPhoneで手軽に測定
菱熱工業がアプリ「差圧チェッカー」開発、無料で公開
空調衛生設備等のエンジニアリング・コンサルティング・設計・製造などを行う菱熱工業株式会社(本社:東京都大田区、代表取締役社長:近藤貢)は、食品を扱う工場・店舗の各部屋の気圧差(差圧)をiPhoneだけで手軽に測定し、衛生グレードに応じて4段階で判定するアプリ「差圧チェッカー」(特許申請完了)を開発しました。App Storeで無料公開しています。
■開発の経緯
食品を扱う工場・店舗や飲食店では厳しい衛生管理が求められます。
特に空気の状態は食品に大きく影響するので、部屋ごとのエアバランスの保持は重要です。空気は気圧の高いほうから低いほうへ流れるため、たとえばサラダのトッピングをするような部屋の気圧を一番高くし(清浄)、次にパック詰めされた商品を置く部屋(準清浄)、その次が事務所や倉庫(一般)、といったレベルに分けて気圧を設定する必要があります。防虫対策にも有効です。
たとえば、換気口のフィルターが埃などで詰まると室内の気圧は下がります。すると、工場内のエアバランスが崩れ、陽圧であるべき部屋が陰圧になってしまい、出荷口や出入口などのすきまから虫が流入する可能性が高くなります。(※図表1)しかし、天井裏などにあるフィルターの状態はなかなか目が届きません。エアバランスが適正な状態かどうかを判断するには、基準となる部屋との差圧を見る方法が一般的です。小まめに差圧を把握して対応することが欠かせませんが、手軽に測定できるポータブルな装置はありませんでした。
当社は食品工場向けの製品が多く、顧客から「手軽に差圧を測定できる機器が欲しい」と要望を受けていました。iPhoneに内蔵された気圧測定センサーの精度が上がってきたのを受け、今回のアプリ開発に至りました。
iPhone8以降の機種に対応しています。食品工場、食料品店や飲食店など食品を扱う場所を中心に広範な利用を想定しており、年間1万件のダウンロードが目標です。
■本アプリの利用法・特長
1.設定画面で「担当者」「事業者」「判定基準」を登録します。
2.HOME画面で、基準点となる場所の気圧を測定します。基準点の気温を入力してください。
3.測定したい場所の「部屋名」「衛生グレード」「陽圧・陰圧の別」「基準点との高度差」を
入力します。衛生グレードは「清浄」「準清浄」「一般」「汚染」の4つです。
4.「測定点気圧測定」の開始ボタンを押し、基準点との気圧差を測定します。事前に登録した
判定基準に従って、4段階(◎○△□)の判定を表示します。
5.記録された測定データは、メールで出力することができます。
■今後の展開
「差圧チェッカー」の利用データを収集し、使い方やニーズを分析します。
温度や湿度といった多様な要素も取り込むなどして、食品工場の衛生状態を総合的に判定できる機器の開発を目指します。
<会社概要>
■会社名:菱熱工業株式会社
■住所 :東京都大田区南馬込2-29-17
TEL:03-3778-2111 FAX:03-3778-2100
■創 業:1948年7月21日
■設立:1966年2月9日
■資本金:1億円
■売上高 : 96億円(2020年3月期・連結)
■代表取締役社長:近藤 貢
■従業員:110名(2021年3月)
■事業内容:冷熱エンジニアリング総合企業冷熱プラント、冷熱機械、環境装置、冷凍冷蔵、
空調衛生設備のエンジニアリング、コンサルティング、設計、製造、施工、メンテナンス
■URL:http://www.ryonetsu.com/
<本件に関するお問い合わせ>
菱熱工業株式会社/杉本
TEL: 03-3778-2118 Fax:03-3778-2119
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