「年収評価アプリ」回答データ分析レポート

社員の認識と会社の評価には大きな乖離がある可能性。人材の獲得競争が激化する昨今、優秀な人材の採用・定着に向けて企業は自社の評価制度の見直し・メンテナンスを。

総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社(所在地:東京都港区)は、書籍「年収基準」の出版にあわせ、年収を予測できるアプリケーションソフト「年収評価アプリ」を独自に作成し、オンライン上で配布いたしました。
本レポートでは、得られた回答データを分析することで見えてきた、回答者の現在の年収とアプリで予測した年収の差異、およびジョブサイズ(影響力の大きさや責任範囲、専門性の高さなど「総合的な仕事の大きさ」を表す指標)と回答者の現在の年収の相関傾向について、お伝えします。
  • 調査概要
調査名:「年収評価アプリ」回答データ分析
対象者:「年収評価アプリ」回答者
調査方法:オンライン調査
調査期間:2021.5.1~5.10
有効回答数:1844名

「年収評価アプリ」とは:フォー・ノーツ株式会社が、過去400社超に対する人事コンサルティングと、1万人超の採用・昇格面接、研修を行った経験から導き出したジョブサイズ理論(専門性の有無や周囲に与える影響力の大きさなどを加味した総合的な「仕事の大きさ」と「年収」との相関性を示した、あらゆる企業に普遍的、汎用的に活用できる理論)をもとに独自に開発した、回答者の年収を予測できるアプリです。
「年収評価アプリ」URL:http://jobsize.fournotes.co.jp/index.php/113926?lang=ja
  • 結果分析のポイント
申告年収の方が、ジョブサイズ年収よりも高い傾向
回答者が自己申告した現在の年収(以下、申告年収)とジョブサイズ理論をもとにアプリで予測した年収(以下、ジョブサイズ年収)の差額をみたところ、回答者の54%が、申告年収の方がジョブサイズ年収よりも高いという結果となった。この結果から、多くのビジネスパーソンが、実際に行っている仕事の大きさや実績以上に会社から高く処遇されている可能性が示唆された。一方で、回答者の40%が、ジョブサイズ年収の方が申告年収よりも高いという結果となり、多くの会社で適切な評価基準がない可能性も示唆された。

「仕事への主体的な取り組み」「継続的な学習への取り組み」「仕事の影響範囲の大きさ」が、年収の多寡に
影響する可能性

年収850万円以上の回答者群(以下、A群とする)は、仕事において、「自ら仕事をつくり出し周囲を巻き込む」主体性や、「業務内外で明確な目的意識をもって継続的に学び続ける」といった向上的な姿勢がみられた。また、実務においては、情報発信やマネジメント、人材育成など広範囲に影響力を発揮する業務に携わり、実績を上げている傾向が見られた。
一方、年収450万円未満の回答者(以下、B群とする)は、A群と比べ、仕事に対する姿勢における主体性や能力向上に対する目的意識が低く、実務においても影響力を発揮する範囲が狭い、もしくは周囲に影響力を発揮するような業務にそもそも携わっていないという傾向が見られた。

社員の自己認識と会社の評価には大きな乖離がある可能性
同等のジョブサイズの仕事をしていると答えた回答者の中での申告年収のバラつきは大きく、社員の自己認識と会社の評価に、大きな乖離がある例が多く見て取れた。所属している会社がどのような評価基準を設けているかによって、社員が自認しているスキルや専門性が思ったよりも年収に反映されない可能性がある。一方で、社員自身は高いスキルや専門性があると思っていても、そのスキルが会社にとって重要ではない、もしくは会社から求められるレベルに達していないという可能性も示唆された。
  • 申告年収とジョブサイズ年収の比較

  • 仕事の姿勢と申告年収の関係について
問.以下から、あなたに当てはまるものを一つ、お選びください。
【回答選択肢】
1.自ら仕事を作り出し、周囲を巻き込む
2.指示されなくても、自分のすべき仕事を率先して行い、上司にも評価されている
3.指示された仕事をきちんとこなしている
4.該当するものはない

  • 継続的な学習への取り組みと申告年収の関係について
問.以下から、あなたに当てはまるものを一つ、お選びください。
【回答選択肢】
1.明確な将来像を持ち、毎日継続的に「業務内・外に関わらず」独自に学び知見を広めている
2.明確な将来像を持ち、「自身の業務」についての知見を増やすために継続的な学習をしている
3.明確な将来像は持っていないが、自身の能力を伸ばすため学習し他者へのアドバイスを求めている
4.該当するものはない

  • 情報発信・プレゼンテーションの影響範囲と申告年収の関係について
問.以下から、あなたに当てはまるものを一つ、お選びください。
【回答選択肢】
1.社会・業界に影響を与える情報発信・プレゼンテーションをしている
2.全社に影響を与える情報発信・プレゼンテーションをしている
3.所属部署や重要顧客に影響を与える情報発信・プレゼンテーションをしている
4.企画書・提案書を活用し、わかりやすいプレゼンテーションをすることができる
5.企画書・提案書を作成することができ、上長に評価されている
6.上長への報告・連絡・相談を適切にしている
7.該当するものはない

 

  • 人材育成の影響範囲と申告年収の関係について
問.以下から、あなたに当てはまるものを一つ、お選びください。
【回答選択肢】
1.全社レベルの人材育成計画を立案し、経営人材育成の実績を上げている
2.部門全体の人材育成計画を立案し、部長級人材育成の実績を上げている
3.チーム全体の人材育成計画を立案し、マネジメント人材育成の実績を上げている
4.後輩の育成計画を立案し、実行している
5.後輩の実務指導をしている
6.該当するものはない

  • マネジメントの影響範囲と申告年収の関係について
問.以下から、あなたに当てはまるものを一つ、お選びください。
【回答選択肢】
1.複数名の上級管理職をマネジメントしている
2.複数名の管理をマネジメントしている
3.5~10人程度のチームをマネジメントしている
4.3~5人程度の小規模なチームをマネジメントしている
5.該当するものはない

  • 総評 
 今回の調査により、ジョブサイズの大きさと回答者の年収には一定の相関が見られたことから、ジョブサイズ理論はビジネスパーソンがキャリアアップするための一つの指標として活用できる可能性が示唆された。一方で、多くの企業において社員の仕事を適切に評価できていない可能性も示唆された。不適切な評価は、社員の成長を阻害し、離職を引き起こす要因となる。では、自組織において適切な評価をされていないと感じるビジネスパーソンや、不適切な評価を行ってしまっている企業はどうすればよいのか?
 働く個人については、まず自分自身の正確な市場価値を把握することが重要である。現在、勤めている会社の評価だけを鵜呑みにするのではなく、あらゆる企業に共通して存在する普遍的な評価の基準を知り、自身が本当に価値の高い仕事をできているかを客観的に見つめ直していただきたい。
 その上で、目指すべきはどこに行っても通用する人材だ。今回の調査でも明らかになったように、情報発信やマネジメントなど、周囲へ影響力を発揮する仕事は、汎用性が高く、どの企業でも求められるスキルである。このように、あらゆる企業で求められるスキルを身に着け、仕事のレベルを上げることは年収アップに繋がり易く、不確実性の高い時代を生き抜く糧になるだろう。
 一方、企業側は、どこに行っても活躍できる人材を自社内で育成する仕組みを整えることが重要だ。そもそも評価とは社員を育成するために行うものである。企業が社員に対して求めることを明確にし、現状と求める姿とのギャップを可視化することで社員の成長を促す。
 優秀な人材は、「この会社にいれば成長できる、他の会社でも通用する」と思ったら辞めない。逆に、「この会社で働き続けても成長できない」と感じるとさっさと辞めていってしまう。
 優秀な人材の定着を図るという意味でも、あらゆる企業に共通する普遍的な評価基準を設け、その基準によって社員を育成し、処遇していくことが評価制度をつくる上で重要となる。
 人材の獲得競争が激化する時代において、優秀な人材を採用し、繋ぎとめることが企業の将来的な成長を大きく左右する。是非、このタイミングで自社の評価制度を見直してみてはどうだろうか。
(フォー・ノーツ株式会社 代表取締役社長 西尾 太)
  • 西尾 太(にしお・ふとし)プロフィール

 人事コンサルタント。フォー・ノーツ株式会社 代表取締役社長。「人事の学校」主宰。
 いすゞ自動車労務部門、リクルート人材総合サービス部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にて人事部長、クリエーター・エージェンシー業務を行うクリーク・アンド・リバー社にて、人事・総務部長を歴任。これまで1万人超の採用・昇格面接、管理職研修、階層別研修、人事担当者教育を行う。
 汎用的でかつ普遍的な成果を生み出す欠かせない行動としてのコンピテンシーモデル「B-CAV45」と、パーソナリティからコンピテンシーの発揮を予見する「B-CAV test」を開発し、人事制度に活用されるキャリアステップに必要な要素を体系的に展開できる体制を確立し、多数の企業で展開されている。「年収の多寡は影響力に比例する」という論は好評を博している。著書に「人事の超プロが明かす評価基準」(三笠書房)、「人事の超プロが本音で明かすアフターコロナの年収基準」(アルファポリス)などがある。1965年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。
  • フォー・ノーツ 代表取締役社長 西尾太の主な著書
​普遍的・汎用的な基準を定めた適正な評価制度を構築したい企業と、「自分の価値」を正しく把握したいビジネスパーソンに。

  • 会社概要
 フォー・ノーツは、人事制度・人材教育・人事管理・採用など各施策の関連性を考慮し、トータルに機能する人事施策を実施。人事部門の実務経験があるからこそ実現できる「トータル人事システム」を提案します。

[社名]フォー・ノーツ株式会社
[代表者]代表取締役社長 西尾 太(にしお ふとし)
[創 立]2008年4月
[所在地]〒107-0052 東京都港区赤坂8-5-40 ペガサス青山310
[TEL]03-6447-1321(代表)
[URL]https://www.fournotes.co.jp/

[事業内容]
●人事コンストラクションサービス
・人事コンサルティング・人事制度設計・運用支援教育研修企画・開発・実施
●人事担当者育成事業
・人事の学校・キャリア形成支援
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