【E-BeC】乳がん手術後、2年以内に乳房再建手術を受けた回答者は首都圏7割、地方3割 ー2021年度『乳房再建手術に関するアンケート調査』よりー
乳房再建に関心がある乳がん経験者など307人の意識を調査。乳房再建手術に関する情報や選択肢の地域格差解消が依然として課題となっていることが明らかに。
調査結果の概要(抜粋)
- 乳房再建手術の状況と参加者の意向 「迷っている」+「するつもりはない」が増加
乳がん経験者のうち「(エキスパンダーの挿入も含めて)乳房再建手術を受けた」人は2020年まで毎年増加傾向にありましたが、2021年は減少し、「迷っている」+「するつもりはない」人が増加しています。また、「乳がん手術と再建手術が同時」(一次再建)と回答した人は7割で、2020年より若干減少しました。さらに乳がん手術後2年以内に再建(二次再建)した割合は5割であったものの、こちらも減少傾向にあります。
- 乳房再建手術の際に病院でほしかったサポート
病院でほしかったサポートとして6割の人が、「再建手術経験者の話を聞く機会」をあげています。これは2017年~2020年までと同じ傾向です。次に高いのは「主治医の術例写真を見る機会」、「アドバイスをもらえる看護師の存在」で約4割の人があげています。
- 乳房再建手術に関する地域格差解消が依然として課題
二次再建について聞いたところ、乳がんの手術後、2年以内に再建手術を受けた首都圏の回答者が7割だったのに対して地方在住者の回答者は3割にとどまり、4割は4年以上経ってから再建したと回答しています。地方在住者の2割が再建のハードルとして「近くに乳房再建手術を受けられる病院がない」ことをあげており、自由記述回答においても、首都圏と地方の間には、依然として医療機関や選べる術式等には格差があるといった指摘も見られました。
【調査方法】
ここに報告する調査結果は、E-BeCが、2021年中に開催した「第7回~第16回オンラインセミナー」と1月~12月に行われた「Zoomで乳房再建ミーティング」の参加者を対象に実施したアンケート調査の回答をまとめたものです。アンケート協力者は307名で、このうち乳がん経験者は283名でした。また、今回の調査では新たにアンケートに回答した人を居住地域「首都圏」と「地方」に分けて分析しました。「首都圏」と「地方」の分類は以下の通りです。
「首都圏」:東京都、神奈川県、大阪府
「地方」:上記以外の都道府県
【サンプル特性の留意点】
・地域によるサンプルの偏り
・新型コロナウィルス感染症の影響
NPO法人E-BeC 理事長 真水 美佳 コメント
今回も調査を通じて多くの方々の「乳房再建手術」に対する意識を知ることができました。E-BeCが「乳房再建手術」に関する情報が少ない地方都市の患者さんのために「乳房再建全国キャラバン」をはじめて今年で10年になります。その間インターネットの普及により情報収集に関する地域格差は改善する傾向にありますが、地方在住の患者さんの声からは病院選びの選択肢や相談できる環境などにおいて、まだ地域格差があるように感じます。この調査結果が、「乳房再建手術」を実施する医療機関並びに医療従事者、また乳がんや乳房再建手術に関連する商品・サービスを取り扱う企業の活動に寄与するものとなり、「乳房再建手術」のより良い環境づくりやさらなる理解の拡大、ひいては乳がん患者さんのQOL(生活の質)の向上に結びついていくことになれば、私どもとしてもこれに勝る喜びはありません。
特定非営利活動法人 エンパワリング ブレストキャンサー
エンパワリング ブレストキャンサー(E-BeC)は、乳がんと宣告され混乱の渦中にいる方や手術によって乳房を失い喪失感にとらわれている方に、乳房を取り戻す「乳房再建手術」について正しく知ってもらい、希望と自信をもって生きていくきっかけを提供することを目指して活動している患者支援団体です。
ウェブサイトや出版物による、乳がんおよび乳房再建に関する科学的根拠に基づいた情報提供活動、地域や自治体、医療機関、企業等での講演会やシンポジウム、アンケート調査、イベント等の開催を通じた啓発活動により、乳がん患者さんの悩みや不安、孤立感を解消するとともに、大切な人を支える周りの方にも乳房再建という選択肢に対する理解の拡大を目指します。
E-BeCの活動に関する詳細はhttps://www.e-bec.comにてご覧いただけます。
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