Koeeru、JETRO輸出ビジネス実証事業に採択、食料品関連の越境EC特化型CRMシステム実証事業者を募集

グローバルのファンコミュニティ共創による、越境ECで顧客の声に基づくマーケットインの仕組みを構築

国内外の顧客の声（Voice of Customer、以下VOC）の収集からデータ分析、VOCの活用に特化した顧客データ基盤（Customer Data Platform、以下CDP）を開発するスタートアップ、株式会社Koeerü（代表取締役 マクドウェル マイケル グレゴリー、以下 Koeerü）は、JETRO主催「令和４年度中堅・中小企業輸出ビジネスモデル調査・実証事業補助金」の採択事業者に選定されました。この度、プロトタイプのPOCとして効果を検証するために、実際に構築するCRMシステムをご利用頂く事業者を応募する運びとなりました。

Koeerüは、本採択プロジェクトとして、訪日外国人や海外在住のMade in Japanユーザーなどの日本ファンをコミュニティ化し、越境EC事業者がファンに関するデータの収集から分析、データを活用したパーソナライズされた情報配信やキャンペーンなどのダイレクトマーケティングを行うことができるCRMシステムを構築します。採択以降、越境ECユーザーや事業者、越境ECコンサルタントなど、越境ECに関わる実際のユーザーに対してアンケートやインタビューなどのデザインリサーチを行い、各ユーザーの現状や課題を解決するCRMシステムのプロトタイプの開発を進めております。

越境EC市場を取り巻く現状 
日本の商品を国内に居ながら海外の消費者にオンラインで販売する越境EC、2021年度「ジェトロ海外ビジネス調査「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」ジェトロの調査によると、海外向けの販売でのEC活用・検討企業が過去最高水準になったという結果が発表されました。 

2021年度「ジェトロ海外ビジネス調査「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」

同調査によると、特に飲食料品は海外での日本産食品人気を背景に、対2019年度で2021年度売上増加幅は2.6倍とコロナ禍でも売り上げが伸長しており、Koeerüのパートナー企業であるSyno Japanが2022年5月に米国、シンガポール、タイ在住の消費者に対して実施した海外アンケートにおいても、自国で過去1年間に購入した日本の商品の中で、お菓子類及びその他食料品・飲料・酒の割合が高く、コロナ禍で海外への渡航が制限される状況においても、日本商品に関する購買意欲は依然高いことがわかります。 

Syno Japan自主調査「コロナ禍における日本商品の購買に関するグローバル調査」

海外ECモール（例：Amazon）での出展や現地通貨での決済サービス（例：Shopify）を活用した自社サイト内での販売が容易となり、近年は越境ECを支援する公的機関や越境ECコンサルタント、スタートアップや地域商社、DMOなどの支援も多くあり、越境EC市場に進出するハードルは低くなっています。

越境EC市場で成功するためのECユーザー及び事業者の抱える課題 
越境EC市場への進出が容易になる一方で、進出後に日本商品に対する購買意欲が高い層に欲しい商品を届ける、つまりは「売れ続ける」ためには、ECユーザーとEC事業者の両者に以下の課題があることが、Koeerüが実際にユーザーに対して実施したデザインリサーチから明らかとなりました。  
 
上記の課題を解決するためのソリューション

Koeerüは、上記の課題を解決し越境ECでの「売れ続ける仕組み」の構築、しいては輸出市場のさらなる拡大に貢献するため、これまでの訪日外国人に対するマーケティングリサーチや自治体やDMOを対象とする地域で共創するCRMシステム構築の実績をベースに越境EC-CRMのビジネスモデルを提案し、JETROの事業に採択頂きました。

越境EC-CRMとは

越境EC-CRMは、Koeerü及びKoeerüの共創パートナーが持つ日本ファンや訪日外国人など越境EC潜在層とのタッチポイントを活用し、自らの意思で登録したファンから構成されるクローズ型のファンコミュニティです。登録した情報は個人情報を含め、KoeerüがGDPR基準のプライバシーポリシー及び会員規約で正しく管理し、また近年の情報過多及び操作の問題を考慮した、コミュニティ内で発信される情報のクオリティを正しくモニタリングする仕組みを提供します。 

事前のデザインリサーチの結果をベースに今回開発しているコミュニティ内の機能は主に以下の四つとなります。 

1. エンゲージメント機能：登録したファンがコミュニティに滞在し、自身の声を提供するエンゲージメントを強化するための仕組みです。ファンが参加するアンケートやディスカッションなどの参加に応じて付与されるポイントや各国で利用できるインセンティブといった外的動機付けのみならず、コミュニティ内のアクティビティに参加することで、ファンコミュニティ内のステータスが向上し、ステータスに応じて自身の知識向上につながるような情報を得られたり、他社への情報共有を通じて、同じ興味を持つファンとのつながりを得ることができる内的動機付けの機能があります。 
2. データベース機能：登録した際のファンの個人情報を正しく管理するとともに、共通IDとして暗号化され、IDに対してファンに関する属性情報やアンケートから得られる趣味・関心、商品に対するロイヤリティ、オンライン閲覧情報や情報配信に対するリアクション等が蓄積され、顧客データベースをコミュニティ内で構築することができます。ファン登録のタッチポイントを提供する共創パートナーは、自社のファンはコミュニティ内で識別されるため、自社のCRMシステムとして利用することができます。  
3. BIツール機能：コミュニティ内で蓄積される顧客データを分析し、結果を可視化するダッシュボード機能です。登録情報をベースとし、国や性別、年収などの属性情報と趣味嗜好を組み合わせた顧客像の行動情報やニーズを分析することができます。  
4. ダイレクトマーケティング機能：コミュニティ内のファンに対して、ダイレクトにマーケティングすることができる機能です。マーケットインの商品開発を行うためのアンケートや商品に関する情報配信、自社サイトへの誘導など、ターゲットを絞って実施することができます。 

本事業におけるPOCに参加頂ける、既に食料品関連の輸出を越境ECで販売している事業者、あるいは検討している事業者を募集しております。ご参加いただける企業様には、上記の機能を実際に利用していただきます。(2022年12月予定)　尚、POCへの参加に関して費用は一切発生しません。POCにご参加頂けますと、下記のメリットをご提供します。

1. EC潜在層の顧客層やニーズを把握：コミュニティ内のファンの属性情報や顧客データを分析した結果を可視化するBIツールにアクセスしていただく事ができます。  
2. 自社顧客のCRMシステムを構築：ファンコミュニティに登録するためのランディングページを事業者のタッチポイントを活用することで、コミュニティ内に自社の顧客データ基盤を構築することができます。個人情報の収集や管理のリスクを取らずに、コミュニティ内で自社の顧客を識別し、属性情報の把握やダイレクトマーケティングを行うことができます。  
3. ダイレクトマーケティング：コミュニティ内の特定のファンに対して、アンケートや情報配信、特別オファーなどのダイレクトマーケティングを実施することができます。自社商品に対するコンセプトテストやA/Bテスト、実際のサイトへの誘導など、ECの売上に直結するアクションを取ることができます。  
4. データに基づく越境ECレポート：POCに参加していただき、収集したデータやアクション結果などをまとめ、事業者の今後の越境EC戦略を構築する上で役に立つ簡単なレポートを作成し、ご提供させていただきます。  

POCへの参加にご興味のある事業者様、本プロジェクトの担当長野（[e-mail]）までご遠慮なくお申し付けください。 

【株式会社 Koeerü（コエル）概要】
Koeerüは、VOCに特化した顧客データ基盤（CDP）を開発するスタートアップ企業です。 デザイン思考に基づき、自社開発のVOCプロダクトをカスタマイズし、お客様の抱えるデータ課題に対して独自のDXソリューションを提供しています。

代表者：代表取締役 マクドウェル マイケル グレゴリー（Michael Gregory McDowell）
所在地：〒248-0011 鎌倉市扇ガ谷１丁目8-1山口ビル3F（鎌倉オフィス）
〒600-8047 京都府京都市下京区 石不動之町682-6（京都オフィス）
Floor 17, Ngoc Khanh Plaza, No 1st Pham Huy Thong, Ba Dinh, Hanoi, Vietnam（ハノイオフィス）
設立　：2021年3月11日
URL　：https://koeeru.com/