色を味方につけたマクロン氏、仏大統領選に勝利
マクロン氏は「戦い」よりも「安心」と「求心」を表す同系色を選んで国民の心を掴んだ
2022年4月フランス大統領選において極右候補との接戦を制したマクロン氏のネクタイ色は興味深い。選挙の定番色は赤と青の力強い対決色相ですがマクロン氏はそれを避けました。
人には色や形を通して生まれる意識下、本能と言われる感情があり、心の奥に届いて行動を誘導します。マクロン氏陣営はその仕組みを見事に生かしました。視覚デザイン研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役:内田広由紀)による分析レポート。
人には色や形を通して生まれる意識下、本能と言われる感情があり、心の奥に届いて行動を誘導します。マクロン氏陣営はその仕組みを見事に生かしました。視覚デザイン研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役:内田広由紀)による分析レポート。
青色の同系色で穏やかな安心を伝える
マクロン氏のネクタイ色に注目してみましょう。視覚スケールの中の色相型とトーン型に当てて意識下の感情を翻訳したのが下図です。
マクロン氏の色相型は「中心・仲間・安心」を表し、トーン型は「真剣・誠実」を表し「対立のない安心できる国を真剣に求める」気持ちが表れています。フランスの人々はネクタイ色からマクロン氏の感情に共感し投票行動につながったようです。
一方、プーチン氏とトランプ氏2人のネクタイ色は赤色でスーツの青色と対決型であり、スーツの暗色トーンとネクタイの色との対比が相手を厳しく威圧する感情を表しています。
赤と青は戦争色相
下図は第一次世界大戦下のアメリカの戦争ポスターです。選挙の定番色である赤と青はどの時代でも勝負色です。
視覚スケールを当てて意識下を読み取る
視覚を通して脳で生まれる感情は本能とも言われ、ごく日常的に使っています。例えばある色を明るくすると若さや新鮮なイメージを受け取り、さらに明るく淡くするとやさしさを感じます。このような視覚情報をスケール化してみると、塩の量を測るような具合で測れ、意識下の感情と一致することがわかります。
私たちは何気なく今日の気分に合う服の色を決め、相手もその気分を感じ取っています。視覚スケールの仕組みをアクティブに利用すれば意識下の感情にアプローチすることが可能になるのです。
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