横尾忠則さんが久しぶりに制作した異色のポスター「浅草花やしき170周年記念特別ポスター」が発売されます!
世界的なグラフィックデザイナーであり、現代アーティストの横尾忠則さん、近年は絵画制作に集中しており、ポスター制作は久しぶりとのこと。「ポスターらしくないポスター」ができあがりました。
昭和レトロの面影を残す遊園地「浅草花やしき」とは?
「浅草花やしき」の歴史は、江戸時代の1853年(嘉永6年)に牡丹と菊細工を主とした花園として誕生したことに始まります。明治に入って、和洋折衷の自然庭園として庶民に愛され、浅草が東京の繁華街の中心になるにつれ、園内には楼閣や展示場、遊戯機器などが続々と設置。大正から昭和の初めには動物園としても有名になり、トラの五つ子の誕生や、ライオンの赤ちゃんの誕生などでも話題になりました。
第二次大戦をはさんで1947年(昭和22年)に「浅草花屋敷」として再開園、53年にはローラーコースターなど現在につながるアトラクションが生まれて昭和の代表的な遊園地として人気を集めました。近年は、各地にあった日本型の遊園地が姿を消していく中で、唯一昭和の面影を残す遊園地として、そのレトロな雰囲気が改めて人気になっています。
そして2023年、開園から170周年を迎え、現存する最古の遊園地「浅草花やしき」の新たな時代が始まりました!
世界的アーティスト横尾忠則さんの紹介
横尾忠則さんは、20歳でグラフィックデザイナーとして世に出ました。そして1969年に第6回パリ青年ビエンナーレ版画部門グランプリを受賞し、72年にはニューヨーク近代美術館で個展が開催されるなど、一躍世界で認められるアーティストとなりました。日本人のアーティストとして最も早くに海外で評価を得た人です。
横尾さんの活動はデザイン界にとどまらず、70年大阪万博「せんい館」の建築デザイン、モーリス・ベジャールのベルギー国立20世紀バレエ団のミラノスカラ座公演「ディオニソス」の舞台美術、さらには大島渚監督の映画「新宿泥棒日記」に主演、テレビドラマ「寺内貫太郎一家」で謎の人物を演じるなど、実に多岐にわたります。執筆活動も旺盛で、多数のエッセイ集の他、小説『ぶるうらんど』で泉鏡花文学賞を受賞しています。
82年には「画家宣言」し、以後、多彩にして自由闊達な絵画作品を描き続け、国内外で数えきれないほどの展覧会が開催されてきました。国内外の受賞も、ブルーノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ展特別賞、ワルシャワ国際ポスター・ビエンナーレ展金賞、ニューヨークADC賞金賞、日本文化デザイン大賞、高松宮殿下記念世界文化賞など多数受賞しています。
近年では2021年「GENKYO横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」展の東京都現代美術館に600点余の作品を展示する大回顧展を開催し(愛知県美術館からの巡回展)、コロナ禍中にも拘らず8万人もの入場者を集め、昨年には、通常日本の古美術・文化財を展示収蔵する東京国立博物館で、現代美術作家の初めての個展として「横尾忠則 寒山百得」展が開催されて大きな話題となりました。また2023年には芸術院会員、文化功労者にも選ばれています。
さて、そのようなアート界の巨星ともいえる横尾さんですが、今も、デザイン界では「神」的な存在として尊敬を集め、画家宣言以降も、多数のポスターデザインを手がけてきました。
ただ高齢になるとともに、絵画制作に集中するためにポスターなどのデザイン制作はここ数年行っておりませんでしたが、久しぶりに、昨年開園170周年を迎えた現存する最古の遊園地である「浅草花やしき」の記念特別ポスターを制作しました。
今年88歳を迎える“横尾忠則の現在”を感じさせる横尾さんならではのポスターが完成しました!
横尾忠則さんからのメッセージ
「浅草花やしき」はレトロな感じなので、ポスターもレトロにして、ポスターらしくないポ スターを描きました。
【制作エピソード】
アートにならないように。デザインにならないように。
浅草のなかにUSAを発見!
2023年に開園170周年を迎えた「浅草花やしき」の記念ポスターを横尾さんにお願いできないかという話は、2023年の春に持ち上がりました。近年は、兵庫県の横尾忠則現代美術館など関係先のポスターを除いて、外部からの依頼のポスター制作を受けていない横尾さんが果たして引き受けてくれるか、ダメ元で関係者が横尾さんに打診すると、「花やしきならばやってみたい」との返事をいただいたのです。
高齢で外出を控えている横尾さんの現地視察が難しいので、現在の「花やしき」の写真と過去のいろいろな時代の資料写真を見ていただいたのが6月。かなり興味深く資料を見ていただき、アイデアが湧いてきそうだという感想を漏らされたので、一気に進むかとみえたのですが、8月に「花やしきのレトロさを思うと、モダンなポスターは花やしきから遠ざかってしまうし、センスを落とさないとリアルな花やしきにならない、ある意味で、如何にヤボなポスターを作るかに頭を痛めているので、もう少し待って欲しい」という横尾さんらしい感覚の感想をもらいました。
ちょうど9月の東京国立博物館で開催される「寒山百得」展に100点余の新作を展示するための制作に追われ、横尾さんとしても大変多忙な時期でした。その後も「体力的にかなりへばりました。花やしきのことが気になりながらも、なかなかアイデアが浮かばない」と。10月も「なかなか前に進みません。パッと閃くといいんですがねえ」と難航している様子。横尾さんにアイデアが閃くのを、ひたすら待つ日々。
その間も、文化功労者に選ばれるなど、横尾さんの身辺は多忙を極めていました。
そしてようやく12月の半ばになって、横尾さんから「アイデアが生まれた、正月明けには見せられる」と連絡を受けて欣喜雀躍!
年が明けて待つことさらに2か月、まだ少し手を入れたいとのことで、完成したのは3月、最初の話からちょうど1年が経ったところでした。
完成したポスター用の絵の前で、横尾さんは「腱鞘炎で手が震えるからまっすぐな線が引けないのだけど、それが面白いんですよ」と。あらゆる運命や起きたことを受け入れて作品に活かす横尾さん流の創作論。
そして絵の中で目を惹くのが「USA」の文字。ASAKUSAの中の最後にUSAが入っている。「浅草の中にアメリカがあるっていうのが面白いよね」と。描いていて偶然見つけたそうである。
作品の感想として横尾さん自身は「アートにならないように、マンガに近いけどマンガでもない、もちろんデザインでもない、そういう真ん中に花やしきがあるのではないかな」と述べられた。まさに「浅草花やしき」を言い得て妙である。横尾さんに閃いたアイデアがそういうことだったのだと、関係者一同感心もし、深く納得したのでした。
「横尾忠則」浅草花やしき 170 周年 特製アートポスター制作エピソードはこちら
◆「一般社団法人アートのある暮らし協会」特設サイト(5月29日公開)にて
先行予約:2024年6月11日17:00より
発売予定:2024年7月18日
B1サイズ(縦1030×横728mm)
自筆シリアルナンバー・サイン入り 限定170部
飛行機のプロペラ部分を横尾自身が1点ずつ手描きで白く手彩色します。
価格:55,000円(税込 特注アルミケース筒入り)
問い合わせ先:一般社団法人アートのある暮らし協会
東京都中央区銀座5丁目14-1 銀座クイントビル7F
電話03-6853-0014
◆「浅草花やしき」での販売情報
2024年6月11日17:00より、園内お土産店舗「マルハナ商店」にて予約を承ります。
ポスター作品は「一般社団法人アートのある暮らし協会」から発送いたします。
営業時間10:00~18:00
※天候により変動あり。
※最終入園は閉園30分前。
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