【胃切除後の患者さん支援】胃がん術後の悩みに着目し、消化にやさしい食事を提案
医師や管理栄養士の監修のもと、100名以上の胃を手術した方や高齢者の方の声を反映した冷凍食品「食卓の名医(TM)」の提供が始まりました。
胃切除後には、何らかの胃切除後障害が生じることが多く、その割合は胃を部分切除した方で約8割、胃を全摘出した方では、ほぼ全数に上ります。胃切除後障害を起こさないようにするには、まず、食材を含めて自分に合った食べ方を、各々が工夫して掴んでいく必要があります。アルファ・クラブでは、この「食に対する工夫と挑戦」を、「食べ方リハビリテーション(食べ方リハビリ)」と呼んでいます。
具体的な「工夫と挑戦」の例として、①バランスの良い食事をとること、②食事を頻回に分けて食べること(分食)、③消化酵素薬を内服すること、④生活リズムを整えること等が挙げられます。
一方、手術後で体力や食欲が衰える中、自分に合った食材や食べ方を模索して上記のような「工夫と挑戦」を継続することは、非常に難易度の高いことといえます。
そこで、アルファ・クラブでは「食べ方リハビリ」をサポートするための食事を提案いたします。
アルファ・クラブが創立40周年を機にWismettacフーズ株式会社と共同開発した「食卓の名医(TM)消化にあんしん(TM)シリーズ」は、特許製法を用いることで、スプーンでつぶせるほどやわらかく、肉や魚などのたんぱく質が半消化態になっており、たんぱく質の消化力が低下している胃切除者におすすめの食品です。
※なお、写真は盛り付け例で、実際はお弁当容器に入った状態でお届けします。
・ 現在の医療課題と胃を切った後に重要な「食べ方リハビリ」
今後の胃がん治療は、手術後(退院後)も患者さんと医療従事者が一体となって胃切除後障害と向き合い、「食べ方リハビリ」に取り組むことが重要であると考えられます。
近年の胃がんの傾向として、胃がんの治療後5年生存率は70%超となり、胃がんは治る病気となりました。DPC全国統計データから、平成20年度と令和元年度の胃を切除した患者数を比較すると、胃全摘者数は年間1万人程度と変わりありませんが、部分切除者数は年間1.8万人から3万人程度に増加しています。つまり、今日の医療の進歩や医療制度の効率化に伴い早期発見・早期診断が可能となったことで、胃を切除する患者数は増えており、従って胃切除後障害に悩む方も増え続けていると想定されます。
アルファ・クラブ会員に実施した術後後遺症に関するアンケート結果においては、約半数の方が術後障害に関して十分な説明を受けていない状況でした。医療制度の効率化が進み、胃がん治療が進歩したからこその新たな課題として、今後は胃切除後障害に関する指導の充実も非常に重要であると考えられます。
当会員に実施した、術後後遺症に関するアンケート結果 (2004年)
・ 胃切除後障害について
2004年、当アルファ・クラブの会員319名に実施した術後後遺症に関するアンケート結果を紹介します。1981年、当会の創設者である故梅田幸雄氏は全国の胃切除後の患者さん1,000人に対してアンケートを実施し、その結果は胃切除術にかかわる当時の外科医に驚きをもって受け止められ、後遺症に対する関心も高まりました。
当時の後遺症の状況と2004年時のアンケート結果を、後遺症の有無と重症度で比較しました。1982年、2004年いずれの調査においても、術後、何らかの後遺症をもつ人は、全体の9割以上を占めています。さらに驚くべきことに、「重症」と回答した方の割合は2004年のほうが高率でした。
続いて、切除部位別、術後経年別に後遺症の重症度の比較について紹介します。一般的に、胃切除後の後遺症状は術後年数を経るに従って、少なくとも自覚的には自己コントロールと慣れにより軽減されると考えられています。しかし、2004年のアンケート結果では、重症の悩みは1年未満から2年目には若干減少するものの、3年目に入ると横ばいまたは微増しています。これは、「胃切除後」である「自覚」が時として薄れるために症状が出現したり、逆に3年たっても改善されない焦りが、症状を悪化させる場合があることを示唆するデータと理解できます。
・食事・栄養指導も治療の一つ
術後は、食事の内容とそのとり方が後遺症に直接影響します。そのため、手術直後からの栄養指導は、胃がんの手術後のリハビリテーションには欠かせない「治療」です。
2004年のアンケートでは、術後の栄養指導についても調査しておりますが、全く栄養指導を受けていない方が11.9%もいました。また、栄養指導が行われていても、指導者が栄養士62.4%、医師9.7%、看護師23.8%とまちまちとなっております。栄養指導は1回で済ませられるものではありませんので、手術後3年間程度は患者さんが継続的に相談できるような体制が必要であると考えています。
2021年3月に当アルファ・クラブの会員に実施した、食事に関するアンケート結果を紹介します。手術後期間別に比較すると、手術後間もない期間は購入できる市販品が少ないことや、食品選択の不自由であることに悩んでいる方が多い傾向にありました。一方、ある程度年数が経過すると、食欲の低下や栄養不足、一回の食事量が少ないことに悩みを抱えておられることから、医療従事者には術後障害に対するリハビリ指導も実施して頂きたいと考えております。
・ 胃を切った人 友の会 アルファ・クラブ(患者会)について
本会は1981年に、現㈱協和企画の創立者であった故梅田幸雄氏が、自ら体験した胃全摘手術の苦しみから、御子息に背負われて全国の胃切除後の患者さん1,000人を訪ね歩き収集した情報をもとに企画設立された患者会です。翌1982年に、胃を切った人の情報紙『ALPHA CLUB』創刊号が「胃を切った人1,000人アンケート」を掲げて発刊され、以降「胃を切った人友の会アルファ・クラブ」は胃切除者が自らの努力と工夫で術後障害を克服していくことの支援をモットーに任意団体として、40年間様々な活動を続けてきました。
現在の会員数は、個人会員が約1700名、賛助会員が約360名であり、会員へは隔月に1回情報紙を送付し、「胃を切った人 相談室」ではアルファ・クラブに所属するメディカルアドバイザーへ気軽に質問ができる体制を整えています。
近年、胃切除術後障害の病態が明らかとなり、「食べ方リハビリ」には患者さん自身の努力と工夫に加えて、より積極的な医療介入が求められています。そこで本会も、より組織的・積極的に啓発活動を推進すべく、2021年2月に法人格を取得し、新しい体制で再出発しました。本年、40周年を迎えるにあたっては、法人化後の初の試みとして、本会代表理事青木照明医師監修のもと、Wismettacフーズ株式会社と協同し、「食べ方リハビリ」のための食品の企画に着手しています。
事務局:
〒170-0013 東京都豊島区東池袋3-1-3
ワールドインポートマートビル8階 株式会社 協和企画内
TEL・FAX.03-5955-7665
URL:http://alpha-club.jp/
E-MAIL:alpha.club.jimukyoku@gmail.com
・ 「食べ方リハビリ」にむけた冷凍食品 取り扱いブランドについて
「食卓の名医(TM)」は、「疾患により消化吸収機能が低下した方から、ちょっと胃腸に不安のある方まで幅広く、安心と食べる喜びを」をコンセプトにWismettacフーズ株式会社が提案する、新しいカテゴリーの冷凍食品です。「消化にあんしん(TM)シリーズ」では、医師・管理栄養士監修のもと、胃切除後の方や、消化に負担のある方向けの食事を取り扱っております。
<ご注文・お問い合わせ先>
Webサイトの方はこちら:https://www.shokutakunomeii.com/
お電話の方はこちら:0120-303-186
・ パートナー企業について
(1)会社名:Wismettacフーズ株式会社
(2)所在地:東京都中央区日本橋室町三丁目2番1号 日本橋室町三井タワー15階
(3)代表取締役社長:辻󠄀川 弘
(4)創業:1912年
(5)URL:https://www.wismettac.com/ja/index.html
(6)主な事業内容:
・アジア食品の開発および海外販売(アジア食グローバル事業)
・農・水産品の国内および海外販売(農水産商社事業)
・その他商品の国内および海外販売(アメニティ&小売事業)
[本件に関する問い合わせ先]
胃を切った人 友の会 アルファ・クラブ 事務局
電話: 03-5955-7665 (月~金曜日 10:00~16:00 祝日除く)
メール: alpha.club.jimukyoku@gmail.com
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