現場作業員の骨格データによる作業管理システムの研究開発 - エイデイケイ富士システムと秋田大学が共同で実施
~ 業界初!現場の安全・安心の構築に向けたソリューション ~
❖共同研究の背景
近年、日本における作業従事者の高年齢化に伴い、特に建設現場、製造現場、運輸現場などにおける高年齢労働者を含む作業員の安全管理を行うことが求められている。作業員の行動や身体状態をデータとして収集し、分析する作業管理システムは、作業の効率化および生産性向上を図り、安全かつ安心な労働環境の構築に寄与するものと考えられる。現場作業員の労働災害事故やヒヤリハット事例が数多く報告されている現況において、社会課題としても解決が急務である。
❖共同研究の目的
本研究の目的は、作業管理システムを構築することで、作業現場の安全性を向上させることである。作業管理システムでは、カメラを用いて作業員の骨格データを取得し、作業員の行動を識別することにより、危険行動や危険予測を行うことができる。しかし、作業現場には多くの遮蔽物が存在し、作業員の骨格データを完全に撮影することは困難である。そのため、遮蔽領域を補完する技術が必要である。遮蔽領域の補完技術とは、カメラでは撮影されなかった作業員の骨格データを人工知能などの技術を用いて自動的に生成する技術である。この技術を用いることで、作業員の骨格データをより正確に取得し、作業管理システムの性能を向上させることができる。このような作業管理システムは、多様な現場環境で活用できる汎用的なソリューションとして活用が期待できる。
❖共同研究の内容
現場作業中における危険行動の予測・疲労の推定を行うため、動画撮影データより骨格データを用いた人物の行動認識手法を研究し、基本的な動作(歩行・起立・転倒・物を置く等)60種類をモデル化しデータセットとして活用できるようにした。実用化にあたっては、作業員の周りには多くの遮蔽物があり、骨格データの欠損により動作モデルとの突合精度が悪化することが課題となった。そのため、遮蔽に対する補完手法の研究を実施し、動き生成技術を用いた骨格データ補完による動作認識手法の有用性を検証した。右図は大工の作業を対象とした実証実験の現場事例である。右足遮蔽部分を3Dで骨格テータを補完したもので、動作判定により危険行動認識された場合に管理者にアラートを通知するシステムの構築を目指している。
❖共同研究の期間
2021年4月 ~ 2024年3月末 ※2024年にソリューションとしてサービス提供(予定)
❖共同研究の成果や今後の展望
作業現場は多種多様で骨格データの取得が困難な事例を対象とし、補完処理の改善および動作判別のために、有用な特徴量に関して研究を継続して行い、検討を加える。 また、建設現場をはじめとした現場環境は、日々環境が変化するとともにネットワーク環境、エッジコンピューティング・クラウドコンピューティングに対しても厳しい状況下にあることから、動作認識手法のリアルタイム実行の実現等多くの課題を解決し、安全安心のソリューションサービスとして社会実装を目指す。
❖実施体制
エイデイケイ富士システム株式会社
情報ビジネス推進本部 DXソリューションビジネス部門 DXソリューション部
国立大学法人 秋田大学
大学院理工学研究科 数理・電気電子情報学専攻 人間情報工学コース 景山・石沢研究室
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